明暗分かれるQTファイナル 永遠に続くサバイバルレースの厳しい世界【原田香里のゴルフ未来会議】

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AIざっくり要約

  • QTファイナルの結果によって、来年のJLPGAツアー出場順位が決まる。
  • 成田美寿々はシードを失ってから初めてQTに出場したが、ファイナルには進めなかった。三ヶ島かなはシード優先権を使わずQTに出場し25位に入った。
  • 厳しいQTを経験した選手にとっても、ステップアップツアーなどで実力を高める機会はある。だが、常に上を目指す姿勢だけが生き残りを決定づける。

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明暗分かれるQTファイナル 永遠に続くサバイバルレースの厳しい世界【原田香里のゴルフ未来会議】

ファイナルQTを25位で終えた三ヶ島かな(撮影:福田文平)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。12月の声を聴き、冬らしい澄んだ空気の中でゴルフをする日が増えました。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。


今週のテーマはQT(クオリファイング・トーナメント)です。ご存じの方も多いと思いますが、シードを持たない選手たちが、翌年のツアー出場順位を争うものです。シード落ちした選手、プロテストに受かったばかりの選手など、多くが挑むQTは、ファースト、ファイナルの2つのステージで行われています。今年のファイナルは、葛城ゴルフ倶楽部宇刈コース(静岡県)で行われ、104人の選手がプレーしました。

日照時間が季節によって違うこともあり、ツアーの出場人数は試合によって違います。QTから出場できる人数も、それぞれ違うので「〇位までに入ればいい」ということはありません。ただ、これまでの例から30位~35位くらいまでに入れれば、ほとんどの試合には出られます。と、言ってもQTの順位がそのまま使われるのは第1回リランキングまで。それ以降は、シードとその年の優勝者以外の選手をメルセデスランキング順にしたもの(リランキング)によって出場順位が決まります。これがシーズン中に2回、行われるのです。

説明が長くなってしまいましたが、上位に入った人も、入れなかった人もみんなが口を揃えるのは「QTはもう経験したくない」ということです。私も、シードを落として何度か出場したことがありますが、本当にQTは試合とは違う辛さがあります。特に、シード落ちしている場合は、調子が悪い状態でQTをプレーしなくてはなりません。優勝を狙う試合とは微妙に違います。もちろん、1位になれば一番いいのですから、同じようにプレーすればいいのですが、守りに入りがちな気持ちとの戦いもあると思います。

今回は、ツアー13勝しながらシードを失い、昨年QTを受けずにお休みしていた成田美寿々さんが出場したことで、ファーストから話題になりました。残念ながら成田さんはファイナルに進めませんでしたが、QTに出たということはツアーに戻る気持ちがあるということ。それがわかって私は少しホッとしました。やっぱりあんなに頑張っていた選手ですし、もう一度ツアーに戻ってくる気持になってくれたらいいなぁと思っていましたので…。

また、シード落ちした三ヶ島かなさんは、2020-21年のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ優勝で3年の長期シードを保持していました。シードを落としたときなど本人のタイミングで行使できるものなのですが、今回は行使しないことを宣言。QTに挑み、25位に入っています。人生設計もきちんとあるのでしょうけれど、芯の強さを感じさせる決断でした。

私がプレーしていたころとは違い、全体のレベルが上がっているのは、試合でもQTでも同様です。毎年、毎年シビアな戦いを繰り返していくのは、結果がすべてのプロゴルファーである以上仕方のないこと。ドライな言い方ですが、どんな仕事でも楽なものはないと私は思っています。プロゴルファーにとってゴルフをすることは仕事です。そう考えて、踏ん張るしかないのです。また、QTでの経験も長い人生の中で糧となるのはまちがいありません。プロゴルファーでいられることを「よかった」と思えるような人生を送って欲しいと思います。

QT上位の選手からJLPGAツアーに出場していくわけですが、その順番が降りてこない選手はステップ・アップ・ツアーに出場できます。JLPGAツアーに出場する選手たちが抜ける分、ファイナルステージまで進んだ選手にはチャンスが広がるということです。ただ、厳しいようですがステップ・アップ・ツアーに甘んじているような考えでは、そこでもやって行けなくなるでしょう。常に上を目指し、そこで良い成績をここしていくことを考えないと厳しいプロ生活で生き残れないのではないでしょうか。

QTがよかった選手も、そうでなかった選手も、自分の置かれた場所でできる限りのことをして、プレーヤーとして長く頑張ってほしいと心から思います。私は長い間、プロテスト担当理事をさせていただいたこともあり、若い選手たちのことは常に気になってしまい、陰ながら勝手に応援している次第です笑。みなさん、まずは心と身体をゆっくりと休めてください。

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。


<ゴルフ情報ALBA Net>

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