【辻にぃ見聞・特別編】渦巻くラフ、難コースで求められるのは「ボギーを受け入れる“力”」

【辻にぃ見聞・特別編】渦巻くラフ、難コースで求められるのは「ボギーを受け入れる“力”」

辻村氏が警戒する深いラフ いかにフェアウェイをキープできるかが勝負のカギをにぎる(撮影:小路友博)

<日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 事前情報◇7日◇登別カントリー倶楽部 (6,750ヤード・パー72)>

 女子プロ日本一を決める大舞台「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」が、北海道の登別カントリー倶楽部を舞台に8日(木)、開幕を迎える。国内女子ツアー史上最長の距離の6,750ヤード、5番パー5は日本最長を更新する605ヤードに設定されるなどセッティングに注目が集まっているが、弊サイトで『辻にぃ見聞』を連載するプロコーチ辻村明志氏に、このコースについて語ってもらった。


 距離もさることながら、「このコースで最も注意すべき点は、ラフですね。場所によっては長さが25センチはありました」と辻村氏。「選手たちにキツい長さでしょう。基本的にこの長さのラフで練習できる環境は、普段はありませんから。試合でどのように対応するか、悩まされるはずです。長いだけでなく逆目、順目が渦を巻いている場所もあるので、これも未経験な選手が多い。予測が立たず、ラッキー、アンラッキーも絶対に出てくると思います」。このラフにいかに入れずにプレーできるかがカギであり、「まずはフェアウェイキープ率が大事です」。

 しかし、「どれだけドライバーが良くても距離があるので、セカンドショットも長い番手を握ることになり、グリーンに乗らない場面が必ず出てきます。どの選手も必ずラフの“お世話”になりますね。結局、ラフへの対処が重要になってくるのです」。となれば技術力とともに、“ザ・メジャー”の難セッティングに挑む精神力も求められそうだ。

 「ダブルボギーは避けたいところですが、ボギーを受け入れる力が求められます。自分がピンチになったときに、どれだけ冷静に対処できるか。またボギーが来ても、それを受け入れて“まだガマンできているんだ”と思わなければ、このコースで最後まで戦いきるのは難しいでしょう」。

 さらに辻村氏が続ける。

 「いけそうだなと思っても、実はいけないのがこのラフ。ラフからラフへが一番ダボにつながってしまうので、きっちりフェアウェイに置いてリセットしていかないといけない。そうなると100ヤード以内のウェッジショットが大切になってくる。やはり、実力者たちが上位に来ると思います」。

 ドライバーからウェッジまですべての番手で高い精度が求められ、なおかつピンチの時に動揺しない心の強さも求められる。女子プロ日本一を決定するのにふさわしい舞台が整ったが、スコアを伸ばすポイントはないのか。

 「グリーンのアンジュレーションは少ないので、そこが伸ばすためには重要かと思います。最後はやはりパッティング勝負です。このコースでは1ピンぐらいのしびれるパーパットをいかに決めていくかも重要です」。連日の雨の影響もあり、グリーンのスピード自体が上がらない可能性も。現時点ではグリーンの難易度が低いだけに、チャンスやしびれるパーパットは確実に決めたいところだ。

 勝つためにもっとも大事なのは「初日のプレー」と、辻村氏。その理由は「ラフは人の移動と共に寝てきます。日がたつにつれて難易度は下がってくるので、初日にどれだけスコアを崩さずにいられるかですね」。予選ラウンド2日は耐え決勝ラウンドに入ったら勝負、という4日間を見据えた戦いも必要になってくる。

 辻村氏に上位に来る選手を予想してもらうと、「やはりイ・ボミ選手や申ジエ選手が真っ先に思い浮かびました。2年連続でこの大会で最終組を回っている上田桃子も状態はいいですし、メジャーに対する思いの強さもあります。あとは笠りつ子選手も注目しています」。なお、「4日間でトータルアンダーパーで回れるのは5名いるかいないかではないでしょうか。優勝スコアは1日1アンダーで4アンダーぐらいではないでしょうか。天候しだいではイーブンパーという可能性もあります」。この難コースでのガマン比べを制し“女子プロ日本一”の称号を手にするのは誰か――。


解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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