山下和宏は地元Vならずも周囲の支えで華麗な復活

山下和宏は地元Vならずも周囲の支えで華麗な復活

山下、悲願のツアー初優勝はならずも周囲の助けで復調(撮影:赤澤亮丈)

<アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 最終日◇25日◇茨木カンツリー倶楽部・西コース(7,320ヤード・パー70)>

 「地元大阪府出身」のアナウンスにひときわ大きな歓声が巻き起こる。自宅から15分の“ホーム”で戦った山下和宏の悲願達成はまたもお預けとなった。だが、戦い終えた42歳に悲壮感はなし。「いつもはこれが最後の優勝争いかと思っていたけど、今回はこれからもチャンスはあるかもという思いの方が強くなった」と単独3位フィニッシュに確信を強めた。


 2番から3連続バーディを奪うなど序盤からエンジンを全開にした。6番ではフェアウェイからセカンドをピンに絡めて4つ目。この時点で単独首位に立って地元でのツアー初優勝というドラマはあと少しで現実になるところまで自らを押し上げた。しかし、中盤は2つのボギーで停滞。16番でセカンドをグリーン奥の池に落としてダブルボギーを叩いて、6打差からおおまくりを見せたセン・セショウ(台湾)にツアー初勝利を譲る結果となった。

 それでも、前週は2日目に“82”を叩いて予選落ちを味わっていたことを思えば、この日の結果に満足しないわけにもいかない。「先週は帰ってきて家族には何も言えず。練習をこれだけやっても思うようにいかないと、一番つらかった」。妻には見えない先行きに「覚悟しておけよ」と冗談とも本気ともつかない一言を漏らしていた。

 一足先に帰って地元ではクラブも握らず土日を過ごし、月曜からハーフの練習ラウンドを開始。水曜には「普段とは違ったメンバーと回ろうと思った」と武藤俊憲に直接電話をかけてスパーリングパートナーとなってもらった。武藤の組には直前で谷口徹が加わろうとしたが、ご近所さんの武藤が先輩を断ってまで山下を迎え入れてくれた。「ランキング上の人と回って、武藤ちゃんも“(調子)いいじゃないですか”と言ってくれたり気を使ってくれた」。応援に駆け付けた家族はもちろん急激な復調は多くの人間に支えられた。

 今大会で獲得賞金を1,860万あまりとし、賞金ランキングは29位に浮上して来季のシードに大きく近づいた。「16番で1,000万円ドブに捨てたと思ったけど、最後はバーディを獲ることしか考えていなかった」と攻めた結果、思わぬ最多バーディ賞の100万円もついてきた。「ご褒美ですね」。ゴルフ界一のさわやかスマイルがホームで輝いた。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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