申ジエが貫録の今季初V 最難関で魅せた最高のパーセーブ

申ジエが貫録の今季初V 最難関で魅せた最高のパーセーブ

ジエ、16番パーセーブでガッツポーズ!ここで勝利を引き寄せた(撮影:岩本芳弘)

<ニトリレディス 最終日◇27日◇小樽カントリー倶楽部(6,548ヤード・パー72)>

2位につけていた全美貞(韓国)が8番でダブルパーを叩き優勝戦線から脱落するなど波乱の展開となった「ニトリレディス」。首位から出た申ジエ(韓国)も5打差つけていた3位のベイブ・リュウ(台湾)に追いつかれたが上がり3ホールで振り切り、嬉しい今季初勝利を挙げた。


3日目にトーナメントコースレコードを叩きだしたベイブは、勢いそのままに元世界一位を追いつめた。「風のジャッジが上手くできなかった」と前半2つ落としたジエを尻目に、ベイブはイーブンパーでハーフターン。さらに後半12番でジエがボギーを叩く中、ベイブは13番、14番と連続バーディ。ついにトータル9アンダーで並んだ。

首位で並んで迎えた小樽の最難関16番。パー4ながら447ヤードと距離が長くベイブは2打目でレイアップを選択。だが、ジエは残り220ヤードから「池がグリーン手前にあったけど、ここが勝負だと思って。でもさすがにピンは狙えないから左のバンカーを狙おうと。平らなのでラフからよりも寄せやすい」とスプーンで勝負に出た。だが、ボールはバンカー手前のラフでストップ。「難しいと思った」と試練は続く。

だが、そこは日米合わせて23勝を挙げている猛者。一枚上手だった。ボールはラフだが左足はバンカーに入るライ。さらにグリーンはピンに向かって下っており、齋藤優希キャディの言葉を借りれば「激ムズ」の状況。だがジエは冷静だった。

「柔らかい球を打とうと。アーリーコックして大きいスイング。バンカーショットのようなイメージで。このホールはドライバーもスプーンも良かったから自信を持って行きました」と放った球は、ふわりと浮いてピンを超えた2mあたりで狙い通りストップ。返しのフックラインをしっかりと沈めて右こぶしを力強く握るとともに、ベイブがボギーを打ったため再び単独首位に躍り出た。その後も安定したプレーで、18番では「2パットでいい」と思った17mのバーディパットを沈めてバンザイでフィニッシュ。8月も後半にして、ようやく今年最初のカップを手にした。

今年はなかなか勝てなかった。1月中旬から「熱が出て関節も痛くなって」という風邪のような症状が続き、開幕から3試合を欠場。試合には出られるようになるも、春先は「集中力が最後まで持続できなかった」と勝利にあと一歩届かない日々。気が付けば夏も終わりに差し掛かり、1勝もできなかった2011年に続き、人生で2度目となる「優勝ってすごく難しい。今年は勝てないかもしれない」と感じる年となっていた。

だからこそ、今週はあえて「勝ちたい」という思いを口にした。同じように今季苦しんだ同郷で同級生のイ・ボミ(韓国)がようやく先週の「CAT Ladies」で今季初優勝を挙げたことにも刺激を受けて、ひたすらに勝利に向かってクラブを握った。その集中力は相当なもので「北海道でおいしいものをたくさん食べたはずなのに体重が結構落ちてしまいました」というレベル。具体的は数字は「シークレット(笑)」と明かさなかったが、コースの難しさも相まって相当なものだというのは想像に難くない。

今日の勝利で賞金ランクが5位に浮上。トップのキム・ハヌル(韓国)とはまだ4,000万円の差があるが、まだまだ「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」、「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」といった優勝賞金が3,000万円をこえる大会が残っている。韓国、そして米国に続く3か国めの賞金女王の座へ。ここから逆襲が始まる。

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