“勝ちゲーム”を逃した武藤俊憲、敗因は14番より16番【ツアーの深層】

“勝ちゲーム”を逃した武藤俊憲、敗因は14番より16番【ツアーの深層】

武藤、中日クラウンズに続きこの大会でも勝ちきれず(撮影:鈴木祥)

ツアー歴代3番目の総距離7,566ヤードとなった富士桜に多くの選手が苦しんだ、今年の「フジサンケイクラシック」。アンダーパーで4日間を終えたのはわずか6人。そんな難コースを三つ巴のプレーオフを制し勝ち抜いたのは、韓国のH・W・リューだった。


JGTO(日本ゴルフツアー機構)のコースセッティング・アドバイザーの田島創志は「この試合を「今回のセッティングは我慢比べ。バーディを獲るよりもボギーを極力少なくして、できるところでチャンスをしっかり獲っていくゴルフが求められていました」と振り返る。

リューは最終日にノーボギーでラウンド。プレーに派手さはないが、堅実にチャンスは決め、難ホールも着実でパーでしのぎ、プレーオフではセカンドショットを奥のバンカーに入れたが2メートルに寄せパー。最後の最後まで粘りのプレーをみせ、難コースで勝ちきった。「この最終日にノーボギーでプレーしたのは賞賛に値すると思います」と田島もリューの粘りを賞賛していた。

田島が今回残念に思ったのは武藤俊憲のプレーについて。「武藤の勝ちゲームだと思ってました」。武藤は3アンダーで迎えた終盤14番。ワンオン可能なこのホール、武藤が3番ウッドで放ったボールはピンそば2メートルに。イーグルチャンスにつけるがこれを決めきれずバーディ。ここで首位に立ったが、このチャンスを決め切れなかったことでリズムを崩したのか15番パー5でボギー、16番パー3でもティショットをピンにつけられず3パットで連続ボギーとした。


「昔の武藤だったらボギーの後でもショットでバーディを獲れる力があったのですが、やはり歳をとったせいもあるのか勝ちきれなかった。16番のティショットで流れを変え切れなかったのが敗因だと思います」。4アンダーまで伸ばしながら、終盤にスコアを落とし4位に終わった武藤。本人は小平智の猛チャージにも少し動揺したそうで「「もうちょっと自分の世界に入ってプレーすればよかったかなぁ、もう優勝から2年以上遠のいていますからね。もっと試合で優勝争いしていないと、今日のような展開で勝つことはできませんね」(武藤)と話していた。

田島は「良いゴルフはしていたので今回は残念だったが、本人も言うように次にこのような展開になった時には勝ち切ってくれると思うのでまた期待出来るはず。スカッと勝ってほしい」と、同郷の後輩の思いを汲みエールを送っていた。

プレーオフには残ったが、優勝には手が届かなかった小平智に関しては「意識の高さが感じられた」と賞賛。「今、日本ツアーに必要なものは選手たちの意識の高さじゃないですか。今は米国ツアーと比較されますからね。どれだけ視点を高く持っていけるかが、日本人選手の優劣につながっていると思う」。小平は「アメリカの選手ならどれくらいのスコアが出るか、頭に入れながら戦っているんじゃないかと感じます。そのくらいの想像をさせてくれるのが素晴らしい」。海外メジャーなどにも積極的に出場する若武者の未来に期待を寄せていた。

また、「伊藤有志もそうだけど、最終日に伸ばした今平周吾や20代の選手たちがああいうタフなセッティングでトップ20に入ってきたのは明るい傾向」。田島としては残念な点と明るい兆しの2つが見えた大会となった。


解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

<ゴルフ情報ALBA.Net>

関連記事(外部サイト)