腰痛に耐えながら1アップで勝利 高山忠洋が日本人の意地を見せる

腰痛に耐えながら1アップで勝利 高山忠洋が日本人の意地を見せる

高山、腰痛に苦しみながらもヘンドリーに競り勝った(撮影:佐々木啓)

<ISPSハンダマッチプレー選手権 準々決勝◇8日◇浜野ゴルフクラブ(7,217ヤード・パー72)>

高山忠洋にとって、まさにここ一番の勝負だった。


マイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)との準々決勝は15番を終えてオールスクエア。残り3ホールで勝ち切らなければいけない。この日の高山は、カップの中からボールを拾い上げることすら辛い腰痛に悩まされていた。試合前から、「今日はとてもじゃないがピンに寄せるようなショットを放つことは難しい。パッティングで勝負するしかない」と決めていた。スタート前の練習グリーンでは、徹底的にタッチの練習に励み、グリーンに乗ったボールはすべてカップに放り込むぐらいの気持ちでフィーリングを研ぎ澄ませる。

その甲斐あって、15番までに4つのバーディを奪うことができた。実力者のヘンドリーに一度もリードさせなかった大きな理由だ。しかし、高山の腰はもう限界に近かった。16番パー5のティグラウンドに立ったとき、ある決心をした。

「ここでリードしないと自分に勝つチャンスはない。力を残すことは考えず、自分の腰がちぎれてもいいから、思い切って打とう」。気迫の1打はフェアウエーをとらえ、そこから残り197ヤードを5番アイアンで打ち、見事ピンの右奥4メートルにつける。そのパットを沈めてイーグルを奪い、バーディのヘンドリーからようやく1アップリードした。

そのまま残り2ホールをパーセーブし、1アップでヘンドリーを下した高山。マッチプレー未勝利だった男が、ついに5連勝を飾った。「大会主催者としては、契約プロのヘンドリーに勝ってほしかったと思いますが、日本ツアーのことを考えると、簡単に外国選手を勝たせるわけにはいきませんからね。なんとか残ってやろうという気持ちで一杯でした」と高山。とりあえず、優勝確率が4分の1のところまでたどり着いた。あと2試合、腰の痛みに耐えて勝ち抜くつもりだ。

文・山西英希

<ゴルフ情報ALBA.Net>