上がり2ホールで「運が味方」福島から世界に飛び出した秋吉翔太がツアー2勝目

上がり2ホールで「運が味方」福島から世界に飛び出した秋吉翔太がツアー2勝目

運も味方につけて、池だってバンカーだって気にしない!(撮影:鈴木祥)

<ダンロップ・スリクソン福島オープン 最終目◇24日◇グランディ那須白河ゴルフクラブ(6,961ヤード・パー72)>

首位と2打差の5位タイからスタートした秋吉翔太が、9バーディ・1ボギーの「64」をマーク。トータル20アンダーで逆転優勝を果たした。5月の「〜全英への道〜ミズノオープン」からわずか28日後の今季2勝目に、「こんなに早く勝てるとは思わなかった。正直うれしいです」と喜びを語った。


最終18番でバーディを奪い、先に単独トップでホールアウトした秋吉。最終組で2位の山岡成稔とは1打差と気の抜けない状況が続いた。プレーオフの準備も整えながら、後続の様子を固唾をのみながら見守る。そして、山岡が最後にバーディパットを外したことを確認すると、キャディと抱き合い、喜びの感情を爆発させた。

「上がり2ホールで運が僕に味方した」

2勝目の要因を秋吉はこう表現した。前半から4つ伸ばし、トップを追いかけた秋吉だが、山岡も前半4バーディとその差は縮まらない。しかし後半になるとパーを並べる展開となった山岡に対し、秋吉の勢いは衰えなかった。11、12番の連続バーディで、ずっと追いかけていた背中を捕まえることに成功。「最終組の順位を確認して、19アンダーで並んでいる」ということを知った15番で、きっちりバーディを奪い、ここで逆転に成功した。

そのまま逃げ切りを図ったが、16番はセカンドショットがハーフトップ気味になり、グリーン奥のバンカーへ。結局ボギーをたたき、再びトップの座を分け合うことになったが、ここから秋吉に「運」が舞い込んでくる。17番のティショットは「ダメだっ!」と思わずいってしまうほどの“ダフリ”。ミスショットでボールは池の方向へ飛んで行った。しかし、「運よく」ギリギリで池は回避。ナイスパーセーブでピンチをしのいだ。

強運はさらに続く、18番でセカンドショットがバンカー方向へ飛んでいく。「最終のパー5は、バーディを獲らないと絶対にダメだと思っていた」という状況で、またしてもミスが出てしまったが、この球もバンカーを転がり何とフェアウェイへ。“辛くも”バーディを奪い、再び単独首位となった状態で18ホールを終えることができた。そして直後、ツアー2勝目をその手につかむことになった。

ダンロップと用品使用契約を結ぶ秋吉は、ホストプロという立場で今大会に臨んだ。「ダンロップという看板を背負っている」という強い気持ちで、4日間を戦い抜いた。開幕前日の水曜日には「使ってみて、感触がよかった」と、 急きょ、『スリクソンZシリーズ』の新たなアイアン投入を決定。その結果の優勝に「新しいクラブを使って優勝できて、いい宣伝になりますよね」と笑ったが、何よりの恩返しとなったことは間違いがない。

前週には、海外メジャーの「全米オープン」に出場。しかしトータル19オーバーと、世界との実力の差を思い知らされた。「全然通用しなかった」と失意の帰国となったが、きっちりとお土産も手にして帰ってきた。「向こうの練習場で見ていると、海外の選手はアプローチで球をフワッと上げるときに、ハンドレートの選手が多かった。日本人はハンドファーストが多いけど、それを研究して、実際に試合でやってみたらいい方向にいった」と新たな試みが、見事にハマった。「今までで一番楽しくないゴルフ」といった世界舞台での苦い思いを福島の地で喜びに変えた。

昨年は6位タイに入り、その後のシード権獲得につなげた今大会を秋吉は「思い入れの強い試合」と語る。そして今年は優勝と、福島の地はさらに特別な場所となった。この後には再び海外メジャー「全英オープン」を戦う。さらに、今回の結果で「全米プロ」の出場も視界に捉える。「何もなかった僕が、1年で3つ海外メジャーに出たら、自分でも驚きですよね」とつぶやいたが、すべてはこの福島から始まった。福島から世界へ飛び出した男が、さらに男子ツアーを熱く盛り上げる。(文・間宮輝憲)

<ゴルフ情報ALBA.Net>

関連記事(外部サイト)