自分のプレーを「客観視して」成長続ける吉川桃 “不器用女子”がつかんだプロの道【連続インタビュー〜黄金世代と呼ばれて〜】

自分のプレーを「客観視して」成長続ける吉川桃 “不器用女子”がつかんだプロの道【連続インタビュー〜黄金世代と呼ばれて〜】

成長を続ける“不器用女子”吉川桃(撮影:上山敬太)

2018年の女子ツアーを語る上で欠かせないワードとなりつつある“黄金世代”。1998年4月2日から1999年4月1日までに生まれた選手を総称して使われるこの言葉。アマチュア時代からプロの試合で活躍し、プロ転向後も4月に新垣比菜が優勝するなど早くも存在感を示している選手たちだ。


果たして、このように呼ばれている選手たちは、プロとして戦う1年目に何を感じているのか。また、黄金世代と呼ばれることについて、そして活躍を見せる同級生たちに何を思うのか。それぞれに思いを聞いてみた。第7回はレギュラーツアーとステップ・アップ・ツアーで着実に力をつける吉川桃。

Q:ルーキーイヤーを迎えていますが、まずプロテストに合格したときの気持ちを教えてください。
1つの大きな目標を達成できて、すごく自信になりました。ゴルフを続けてきて良かったなって思いました。

Q:これまでにゴルフをやめたいと思ったことはありましたか?
1回だけありました。小学6年でゴルフを始めたんですが、中学生のとき、自分でもどうしたらうまくなるか分からなくなった時期がありました。それで2カ月くらいゴルフから離れたんですけど、そのときにずっと応援してくれていた両親から「ほかの道を探してもいいんじゃない?」っていわれて。

Q:それでもやめなかったんですね。
やっぱり楽しいという気持ちが大きかったです。あと、ゴルフを始めたときに、親から「スポーツをするか、勉強をするか選んで」といわれて、そのときにゴルフをするって決めたんです。だから、それ以外の道はあまり考えていませんでした。
それでも、やめようかなと思ったときには、ゴルフ以外にどんな仕事があるかなとか検索もしました。でも、やっぱりゴルフをやりたいと思って。そこからは調子が悪くても、すぐにやめたいと思わなくなりましたね。

Q:そのころから将来はゴルフ一本と決めていたんですね。ほかとの両立などは考えなかったんですか?
私は何をするにも不器用なんです (笑)。だから、一つのことに向き合うというのが合っています。高校も通信制に入って、両親がゴルフに集中できる環境を整えてくれました。

Q:ではプロとアマチュアの違いはどの辺りに感じますか?
賞金が懸かっていることもあるし、常にランキングもついてくる。そういう部分はアマチュアとの違いを感じますけど、ツアーはとても楽しいです。

Q:初めてのプロの試合のことは覚えていますか?
ステップ・アップ・ツアー(※編集部注:2017年8月「山陰合同銀行 Duoカードレディース」でトータル14オーバーの予選落ち)だったんですけど、 めちゃくちゃ打ちました(笑)。あのときはプロのレベルの高さを痛感しました。でも、その後出場したレギュラーツアーもそうでしたが、ギャラリーがいて、こういう環境でプレーするのはすごく楽しいし、プロゴルファーになれて良かったなって感じました。

Q:ゴルフで変わったところや、成長を感じる部分は、どういった点ですか?
もちろん、その日の調子やコースの難しさによっても変わる部分ですし、今も悩んでいることではあるんですけれど、アマチュア時代は『しっかり守って、ガマンして、チャンスを待つ』というのが私のスタイルでした。でも『自分で攻めて、チャンスを作る』スタイルと、どちらがいいのかなというのは考えています。
プロは、バーディをたくさん獲って、ピンチも耐えていかないと上位には行けないということが分かりました。難しいから避けるのではなく、攻めてチャンスを作って、もしミスをしても、そこをしのげるゴルフが必要なのかなって。色々な人とラウンドして、いいプレーをする人は、攻める姿勢がスゴイ。アマチュアの時とは考え方を変えて、攻めのスタイルに変えていこうかなと思っています。

Q:衝撃を受けた人はいましたか?
鈴木愛さんは(今年の)『サイバーエージェントレディス』の2日目に一緒の組になったんですが、 すごかったですね。その日、鈴木さんは「64」で回っていたんですけど、パットも決めるし、ショットもピンにつけてくる。ピンチもうまくしのいで、またチャンスを作るというのは、すごかったです。

Q:では、同世代の選手の話を聞かせてください。勝みなみ選手がアマチュアでツアー優勝をした時、どんなことを考えていましたか?
みなみちゃんが優勝したときは、私は別の高校生の試合に出ていました。ツアーとジュニアの試合だと、コースコンディションも、ピンポジションも違う。そのときはまだみなみちゃんとは話したことはなかったんですけど、自分と全然違うフィールドで戦っている姿を見て、ただただすごいなと思っていました。

Q:2016年の『日本女子オープンゴルフ選手権』では畑岡奈紗選手が優勝しました。
その年の会場だった烏山城(CC二の丸/三の丸C)は私の所属先で、出場もしていました。同じアマチュアとして、あの難しいコースを4アンダーで回るのは、今の自分には絶対できないと思いました。奈紗ちゃんは、ジュニア時代からプレーのレベルがすごくて、優勝してもおかしくないと思っていたので、そこまで驚きはしませんでした。それよりも、あのコースで自分が4アンダーでプレーするのに何が足りないかということばかりを考えていました。そしたらあまりにも課題が多すぎて、練習しなくちゃ、と思いました。

Q:すごい選手のプレーを見て、自分との差などを感じることは多かったですか?
奈紗ちゃんのときよりも、ジュニアの大会で永井花奈さんと一緒に回ったときにすごく感じました。花奈さんはその大会で優勝したんですけど、そのときが一番「自分は何をしているんだろう」と思いましたね。とにかくやることが多すぎて、気が遠くなりました(笑)。

Q:同世代に強い選手が多い理由はどんなところにあると思いますか?
宮里藍さんの存在はすごく大きいと思います。 ただゴルフがうまいだけではなく、試合後のインタビューも、すごくかっこよくて憧れました。宮里さんから特に大きな影響を受けた世代が、ちょうど私たちなのかなって思います。

Q:吉川選手の話を聞いていると、自分をとても客観視している感じを受けます。
自分の視点ではなく、他人から見て自分には何が足りないのかを客観視することは、意識しています。俯瞰(ふかん)するというか。そうしないと冷静になれないんです。ラウンド中もミスをしてただ悔しがるのではなく、「今は何が足りなかったのか」とか「次はこうしてみよう」と考えるのは、昔からやっています。

Q:同世代には個性的な選手が多いですよね
個性的ですよね(笑)。でもみんな仲がいいし、話しかけづらいという子はいないです。気軽に話しかけて、アドバイスじゃないけど、「今のどう打ったの?」とか聞くことも多いです。気さくな人が多いから仲もいいです。同期の誰かが優勝しても素直におめでとうということができるし、「次は自分も」と刺激を受ける存在です。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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