ツラいけどゴルフはガマンしない“花粉症ゴルファー”にドクターがアドバイス

ツラいけどゴルフはガマンしない“花粉症ゴルファー”にドクターがアドバイス

(写真:Getty Images)

“花粉症ゴルファー”に向けたこの企画ではこれまでプロゴルファー、アマチュアゴルファー、キャディに花粉症の症状や付き合い方などを聞いてきた。今回はドクターに登場してもらい、市販薬の選び方から使い方、プレー中やプレー後の過ごし方などを教えてもらった。


話を聞いたのは神奈川県内の病院に勤務する総合内科医・吉田真徳先生。勤務歴は10年を超え、患者の話にじっくり耳を傾け寄り添う診療スタイルが評判だ。
そもそも花粉症とは季節性アレルギーのことを言う。今の時期はスギやヒノキなどの花粉がくしゃみ、鼻づまり、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こす。治療と予防があり、本来は、医療機関を受診して相談してもらうのが良いという。現在、花粉症シーズン真っただ中ではあるが予防についてふれると、「スギ・ヒノキの場合では地域差はあるものの花粉が飛び始める2月初旬から薬剤の使用を開始することで症状を防いだり、軽減することができます。目のかゆみも“かゆいな”と思ったら、点眼薬をさし始め、定期的に使うと症状を抑えられますよ」。1年中アレルギーに悩まされる人も多いので参考にしてみてほしい。

やはり予防にはアレルギー物質を避けるのが一番となる。避けるとは真逆の状況にあるゴルフ場ではどう過ごせば少しでも快適にプレーできるのだろう。「運動するのでマスクはツラいかもしれませんが、やはりマスクをかけるのが良いです。花粉を防御するメガネもおすすめですね。アレルギーの原因物質をなるべく吸い込まない、体に付着させないのがポイントです。ラウンド後にシャワーを浴びて、髪や肌についた花粉を洗い流すと良いでしょう」。

前回紹介したキャディの橋本さんも、花粉のつきにくいツルツルした素材の服を着たり、家に帰ったらすぐ風呂に入ると言っていた。コースから上がり、頭からシャワーで流して家路に着くのは良さそう。
病院を受診するのが一番…、とはいえ時間が取れなかったり、コロナ禍で足が向きにくい人も多いと思うので、市販薬の選び方を聞いてみた。

まずは飲み薬について。「大事なラウンド中に眠くなってはいけませんよね。車を運転する人もいるでしょうし、眠くなりにくいものですと、クラリチン(一般名:ロラタジン)は1日1回、アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)は1日2回の2種類があります。効き目はクラリチンの方が強いです」。ちなみに、パイロットもこの2種類ならば内服直後の飛行が可能なのだそう。

経験のある人もいるかもしれないが、飲み続けると薬が効かなくなることがある。市販薬で効果を感じられない場合は、医療機関での受診を。「困っている症状や、薬剤の効き目と眠くなりやすさのバランスなどの相談にのってもらえ、その人にあった薬剤がみつかると思います」。

鼻水以外にムズムズ感も抑える効能のある点鼻薬には、点鼻ステロイド薬を使用する。「花粉が鼻腔の粘膜を刺激する花粉症には、鼻腔粘膜の炎症を抑えるステロイドの方が効果的です。鼻づまりに対しては即効性がある血管収縮薬の入ったものが、効果を実感しやすいでしょう」。

プレー当日にどうしても鼻がつまって集中できない人に向けて吉田先生は、「普段使用しているステロイド点鼻薬にくわえてプレーをする日は、点鼻血管収縮薬の併用をおすすめします。しかし、点鼻血管収縮薬の長期使用は逆に鼻づまりを増強し、鼻水が喉へまわるといった鼻漏の原因になり薬剤性鼻炎を引き起こすことがあります。長くても7日以上は使用しないようにしましょう」。

かきむしりたいほどの目のかゆみには、やはり目薬だろう。コンタクトレンズを使用している人は、「防腐剤フリーのアレジオン点眼液(エピナスチン塩酸塩液)なら、レンズを傷めるのを気にせず使えますよ。それと、コンタクトレンズの有無に関わらず花粉症向けの目薬をさす前に、目の渇きなどを補う人工涙液を点眼して目やレンズの表面をきれいにするのもコツです」。

種類によっては使い方にも気を配りたいものがある市販薬。選ぶ際は用法も含めて薬剤師へ相談したり、症状が改善されない場合は専門機関の受診をしてほしい。


これが効くらしいと、花粉症にもいろいろな“情報”が飛び交う。竹内美雪プロも友人から“胃薬と花粉症薬を一緒に飲むと効果がある”と聞いたそうだ。吉田先生に真偽のほどを確かめると、「別のアレルギー性疾患では胃薬のガスター(一般名:ファモチジン)を併用することも確かにありますが、一般的に、花粉症で抗アレルギー薬と胃薬を併用することはありません。また、抗アレルギー薬と胃薬のそれぞれに種類があり、薬剤の組み合わせによっては副作用が強く出るケースもあるため注意が必要です。個人的にはお勧めしませんね…」。メリットと思って飲んだのがデメリットになってしまうこともあるという。胃薬に限らず、薬の飲み合わせは要注意だ。

もうしばらく花粉症の“最盛期”は続くため、症状を抱えながらのラウンドをすることになる。つらいけれどゴルフはガマンしたくない“花粉症”ゴルファーはドクターのアドバイスをぜひ試してみてほしい。

×