渋野日向子は今のスイングではこの先も米ツアーでは戦えない(菅野徳雄)

渋野日向子は今のスイングではこの先も米ツアーでは戦えない(菅野徳雄)

フィニッシュは大きくとる渋野(C)共同通信社

【プロツアー激辛情報】

 笹生優花が、大会最年少記録を更新して勝った今年の「全米女子オープン」。会場はサンフランシスコ郊外のオリンピッククラブ・レイクコースだ。1987年に現地に赴き、「全米オープン」を取材して、試合翌日にプレーした。太平洋に向かって傾斜しているコースでサイプレス(イトスギ)や松の枝葉がフェアウエーに張り出し、ハザードの役割を果たしている。

■右、左へと打ち分けが不可能

 日本の丘陵コースはグリーン方向に上ったり下ったりするのが普通であるが、オリンピッククラブのフェアウエーは右左にも傾斜しているホールが多い。だからストレートなホールでも、地形に応じて右、左と打ち分けなければならない。芝が短く刈り込まれたフェアウエーは非常に硬いのでシャフトを立てて、鋭角にヘッドを入れてダウンブローにボールをとらえないと球が上がらず、グリーンに止まらない。

 今年の初め、渋野日向子がスイングを改造したと聞いたときは、米ツアーへ本格参戦するためにアップライトなスイングプレーンに変えたのだと思った。ところが、逆にとんでもないフラットなバックスイングに変わっていた。そのことについて、「今までのバックスイングではクラブが外から下りてきて左に引っかかることがある」(渋野)と答えた記事を読んだ。


 一般アマチュアはアウトサイドインの軌道になるとドライバーはカットしてスライスするが、渋野の場合はヘッドがよく振れているので、ドライバーもアイアンも外から来ると左に曲がることがあるというのだ。

 しかし今の、肩より低いトップスイングではフェードボールを打つのは絶対無理で、フックしか打てない。それなのに渋野は「左に曲げないためにトップを低くした」と言い、以前より方向性が安定していると満足しているようだ。

 確かに全米女子オープン初日はフェアウエーキープ率78・57%(ランク10位タイ)と申し分のない数字だった。しかし、ドライバー飛距離は236・4ヤード(同103位)と、以前よりかなり落ちている。

 ティーショットが安定しているのに、どうして予選落ちしたのか? というと、初日のパーオン率が44・44%(同102位)とアイアンショットが悪かったからだ。

 日本のコーライ芝のフェアウエーと違い、米国の洋芝はボールの重さで微妙に沈む。

 渋野はバックスイングを低く上げて、なおかつシャフトを寝かせて、フィニッシュを大きくとって球を上げようとしている。アイアンもシャフトを寝かせて払うようなスイングをしているが、これでは米国のフェアウエーでは絶対に戦えない。

 バックスイングで左腕が地面と水平になるあたりでグリップエンドを飛球線に向けてシャフトを立てて、スイングプレーンを守らないと正確にボールをとらえることはできない。

(菅野徳雄/日本ゴルフジャーナリスト協会顧問)

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