勝みなみ4日間60台マークし優勝 ナショナルオープンはプロの総合力が試される(羽川豊)

勝みなみ4日間60台マークし優勝 ナショナルオープンはプロの総合力が試される(羽川豊)

国内四大大会初勝利を挙げ、トロフィーを手に笑顔の勝みなみ(C)共同通信社

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 今年の日本女子オープンは、大会2日目が台風によるコースコンディション不良のため中止になり、最終ラウンドが月曜日に行われました。条件は出場選手みな同じですが、大会期間が1日延びると集中力を保つのが難しくなり、ショットやパットに不安を抱える選手は戸惑いがあったかもしれません。

 ただ雨の影響もありグリーンが止まりやすかったことで、勝みなみが通算14アンダーまで大きくスコアを伸ばして優勝しました。最終日は6バーディー、1ボギーの66。

 ただ一人4日間とも60台をマークし、2位に6打差をつける素晴らしいプレーでした。

 通常のトーナメント競技はギャラリーを盛り上げるプレーも大事ですから、ボギーばかり出て選手が苦しむような難セッティングではありません。

 しかし日本ゴルフ協会が主催するナショナルオープンは、ラフを伸ばしてフェアウエー幅を絞り、グリーンを高速にして、4日間ともピン位置が大きく振られることで知られます。いつもの烏山城CCならグリーンセンターに乗せたらバーディーチャンスですが、JGA設定のピン位置になると、たとえパーオンしても下りのラインを残したらノーチャンスです。

 精度の高いショットで上りのラインに付けることが選手に求められ、コースの隅々まで熟知していることが大事なのです。

 スコアを出させないセッティングはグリーンのコンパクションを引き締めて硬くすれば、プロでもスコアメークにてこずります。硬いグリーン攻略にはピンを攻める番手が小さく、高弾道で止めることが必須です。軟らかいグリーンならラフからでもピンを攻めることができますが、硬いグリーンはフェアウエーからグリーンを狙うことが絶対条件になり、ティーショットからセカンドショット、パットとホールアウトするまで一瞬たりとも気が抜けません。

 大会3日目まで最もタフだったのが17番パー4(490ヤード)でした。打ち下ろしホールで風の影響を受けやすく、右サイドからグリーン手前までクリークが続きます。そして上がり18番パー4(400ヤード)も難易度が高く、上がり2ホールでフェアウエーをとらえることができるか、が勝敗を大きく分けます。ミスした瞬間に勢いにブレーキがかかってしまいます。

 勝の17番、18番のスコアは4日間2バーディー、3ボギーと大きく崩れなかったのが大きい。3日目には5番パー5でチップインイーグル、18番でチップインバーディーを奪っています。たとえグリーンを外しても、しっかりパーを取りに行く姿勢が好結果につながるのです。

 今年の日本女子オープンはショットを大きく曲げなかった勝のゴルフが勝利を呼び込んだといえます。

(羽川豊/プロゴルファー)

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