松山英樹に王者の貫禄 2カ月ぶりの実戦に不安要素は見当たらない(羽川豊)

松山英樹に王者の貫禄 2カ月ぶりの実戦に不安要素は見当たらない(羽川豊)

松山にメジャーチャンピオンの風格(C)ロイター/USA TODAY Sports

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 PGAツアーの2022年が早くも米ハワイ州で開催された「セントリートーナメント・オブ・チャンピオンズ」から始まりました。

 先週は首位タイ発進のキャメロン・スミス(豪州)とジョン・ラーム(スペイン)の2人が最終18番ホールまで一打のせめぎ合いを演じ、画面に引き込まれるすごい試合でした。

 今年は例年に比べて風が吹かずスコアの伸ばし合いになりました。

 スミスは目の前でプレーする世界ランク1位のラームにひたひたと追い詰められてもバーディーを手堅く奪い、コースを攻め続けたのが勝利につながったといえます。

 シーズンはすでに昨年9月からスタートしており12試合目です。1カ月間のオフを挟み、年を明けての初戦でしたが、各選手とも仕上がりのすごさに目を見張りました。

 勝ったスミスは通算34アンダー。2位のラームが通算33アンダー、3位のM・ジョーンズは通算32アンダーとトップ3がコース記録(通算31アンダー)を更新。改めてPGAツアーのレベルの高さを痛感し、それが世界トップツアーの面白さであり、魅力なのです。

 ドライバー飛距離は300ヤードを超え、ひとつのミスも許されない状況でリスクを伴う狭いポジションを攻める自信と勇気、それにショット精度の高さがなければ勝てないことがよくわかります。パー5では2打でグリーンをとらえ、ウエッジを手にした100ヤード以内は必ずバーディーを奪わなければPGAツアーでは戦えないといえるでしょう。

 松山英樹は昨年10月に勝った「ZOZO選手権」以来、2カ月ぶりの実戦でした。通算21アンダーの13位とトップ10入りは逃しましたが、初日はアイアンの良さが光っており、最終日はティーショットに安定感が戻ってくるなど落ち着いていました。昨年のマスターズでメジャータイトルを手にしているだけに、堂々として見えました。

 今年を占う意味でも、いい戦いができたといえるでしょう。

 ファンは常に優勝争いに絡んで、最終日に30アンダーを超す猛チャージを期待しますが、さすがにトッププロが多数出場しフィールドが厚く、毎週できるわけではありません。最終日はもったいないパットがありましたが、4日間を振り返ってみればスイングには違和感がなく、アプローチやパットに不安要素は見当たりません。これから4月のマスターズ連覇に向けて徐々に調子を上げていくはずです。今週の「ソニーオープン」会場のワイアラエCCはフラットな林間コースですが、ドッグレッグホールなど圧迫感があり、ポイントに打つことが求められます。

■世界で戦うには「振れる力」が必要

 そこで4日間ドライバーを狙い通りに振れるかどうかが見どころになります。

 PGAツアーは進化し続けており、これから海外挑戦を目指す日本人選手は「振れる力」を常につくっておくことが必要です。ティーショットで20、30ヤードもオーバードライブされるのは仕方ありません。ただドライバーを真っすぐ打てる精度があれば十分にスコアをつくることはできます。

 世界で戦うには刻むのではなく、ドライバーを振って曲げない自信を身につけるべきです。

(羽川豊/プロゴルファー)

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