ロッテ50周年で超大型補強

千葉ロッテの半端ない本気度が、広島・丸佳浩外野手(29)の「残留宣言」をためらわせている?

 11月24日、原巨人は、“やっと”丸との初交渉を実現させた。同日の午前中、丸は広島カープの球団行事に参加。「広島〜東京」間を慌ただしく往復させられたのだが、原辰徳監督(60)が満面の笑顔で交渉後の会見に応じたのに対し、丸は顔の前でバッテンを作りノーコメント。眉間に深い皺を寄せていた。

 「前日23日、広島もファン感謝デーのイベントを開催しました。マツダスタジアムに集まったファンは丸に残留を訴えていました。残留の雰囲気もありましたが、子どもの受験の結果がはっきりしないうちは決められないのかも。去就問題は長期化しそうです」(スポーツ紙記者)

 交渉長期化の理由は、それだけではない。ロッテの“本気度”に、丸もグラつき始めたというのだ。

 ロッテといえば、今年7月、スタートトゥデイ社(現ZOZO)による球団買収の話が囁かれた。同社の前澤友作社長の「プロ野球球団を持ちたい」発言を受けてのものだが、疑われるということは、「いつ、身売りされてもおかしくない」と思われていたわけだ。

 しかし、実際は違った。ロッテは来季、「ロッテオリオンズ」から数えて創設50周年のメモリアル。その記念イベントを盛り上げるため、優勝を狙っていた。

 「2年ほど前から地元企業や取引先に『50周年は大々的にやる』と伝えていました。その準備期間である今季、球団売却の話が出たのは屈辱だし、前澤氏と彼を取り巻く起業家たちは、それだけ球界事情に疎かったとも言えます。ロッテ本社が全面的な協力を約束しているので、地元・千葉出身の丸獲得に必要な資金は惜しみません」(球界関係者)

 また、50周年イベントを成功させるため、第2弾の大型補強も狙っている。オリックスからFA宣言した西勇輝(28)、年俸交渉でモメている金子千尋(35)の両右腕の調査も水面下で進めていた。

 「金子に関しては、自由契約になるのを待ってから動くと決めていたようです」(ベテラン記者)

 金子は野球協約が定める減額制限を超えるダウン提示を受け、オリックスとの話し合いを続けていた。

 ’14年オフ、国内FA権を行使し、4年20億円で残留したが、本当の年俸額は6億円だったという(推定)。複数年契約が切れた今年、球団は5億円減額の1億円を打診。確かに今季は4勝(7敗)に終わったが、「やってらんねえよ!」の思いで自由契約を選択した。

 東北楽天も「興味アリ」としているが、こちらもスンナリとはまとまりそうにない。
「楽天は元マリナーズの岩隈久志(37)を帰還させることが内定しています。支配下登録の人数からして、金子を獲るということは、岩隈の他球団流出を容認することになります。岩隈優先です」(同)

 西は郷里・三重県に近い中日への移籍を前提にFA宣言。だが、中日は新監督、コーチを招聘し、FA交渉に必要なカネは残っていない。西サイドが「2周目の交渉」と口にしたのはそのためだ。長期化すれば、こちらもロッテがかっさらう。

 「本命中の本命は丸。巨人に先駆けて22日に交渉していますが、このとき、巨人は同日のロッテの交渉を知らず、大慌てで24日のアポ入れをしたんです」(前出・球界関係者)

 24日、巨人は原監督が現役時代に付けていた背番号「8」を予定通り、丸に提示した。だが、先に交渉したロッテのほうがしたたかだった。巨人の8番提示はバレていたので、同席した井口資仁監督(44)は自身が今季も付けていた背番号6を「継承してくれ!」と差し出した。昔の話と今も付けている背番号︱。どちらが熱く、相手に響いたかは、言うまでもないだろう。

 「’18年の球団別平均年俸(選手会発表)で、ロッテは11位。総年俸で19億円にも満たず、丸にはその4分の1強の年俸を約束したのです。多少の上下はありますが、球団経営は順調。『勝てば払う』の気持ちはあるが、今は高額年俸に相応しい選手がいないだけ。ファンサービスにお金を投じていくつもり」(同)

 丸サイドは「本社を挙げてのラブコール」なる言葉が響いたという。また、地味ながら、ロッテは千葉県内での地域活性化の活動にも参画しており、地元出身の好打者が加入することの意義も訴えた。

 プロ野球の世界では、誠意とはカネだ。その意味では巨人が一番だが、将来的な監督の約束手形、井口からの背番号継承など、有形無形の誠意を丸に示した。丸が広島ファンの前で残留を表明しなかっただけでも、ロッテは「勝機アリ」と確信したそうだ。

 「FAで他球団と交渉するのは、プロ野球人にとって最高の至福。褒められて、口説かれて、『キミが必要だ』とヨイショされ…。私も前年の同時期は練習していました。練習不足が次年度に出るのは闘争心がなくなるからかも」(元選手)

 練習時間が激減した丸も、地獄に落ちなければいいのだが…。ロッテの本気度が高かっただけに、一抹の不安は残る。

丸(左)・金子と投打の柱を獲得へ

ZOZO前澤社長

丸に背番号「6」を提示した井口監督

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