DF冨安の異名は“20歳のおじいちゃん” タイプ瞬時に見極め

DF冨安の異名は“20歳のおじいちゃん” タイプ瞬時に見極め

代表合宿中にMF南野(右)、MF柴崎(左)と笑顔で会話を交わすDF冨安(C)Norio ROKUKAWA/office La Strada

【代表欧州組 直撃行脚】(10)

 吉田麻也(サウサンプトンDF)不在の中で日本代表の3月2連戦は、アジア杯で守備の要に君臨した冨安健洋に期待が寄せられた。「20歳のおじいちゃん」の異名通り、落ち着きと安定感は相変わらずだったが、22日のコロンビア戦(日産)で痛恨のハンドを犯してしまった。「最終的に手が出たのでスキを見せてしまったかな」と残念がる大型DFは、屈辱感を糧に一層の進化を期して欧州へ戻った。

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 ロシアW杯16強戦士の昌子源(トゥールーズDF)とCBのコンビを組むのは、今回の代表2連戦が初めて。ロシアW杯以来9カ月ぶりの代表復帰となった昌子も「あのデカさ(187センチ)でスピードもあるし、すごく良い選手。一緒にやるのが楽しみ」と共演を心待ちにしていた。実際、コロンビア戦での2人は好連係を披露し、相手エースFWのファルカオ(モナコ)を何度も止めていた。それだけに不運なPKは悔やまれる。

「(昌子)源君はリーダーシップを取って90分間声を切らさずにやってくれたし、試合中も気になったことを話しながらやることができた。積み重ねることで感覚的なものはどんどん良くなっていく。練習からもっと意思疎通を図りたい」

■タイプを瞬時に見極め

 20歳DFのクレバーなところは、組む選手によって「自身の動きを微妙に変化させる」点だ。

「源君は鹿島でやっていた経験なのか、中(ゴール前)に対して強い意識を持っている。それを感じたので僕は(両サイドなど)外に出るのを少し遅らせ、早く出過ぎないように心がけた。そこは麻也君とやる時とは変えた点です」と冨安は神妙な面持ちで話したが、昌子と吉田のタイプの違いを瞬時に見極め、守り方を変えられる柔軟性をこの年齢で身に付けていることは驚きに値する。

 昌子が「トミは本当に良い選手。これまでは見ているだけだったけど、実際に隣に来るとそう強く感じました」と太鼓判を押すのも当然だろう。

 冨安自身は新コンビの手ごたえのみならず、ベルギーでは対峙することのないファルカオ、FWハメス・ロドリゲス(バイエルン・ミュンヘン)ら世界最高峰アタッカーを相手にしても、十分に戦える自信も手にした。

 非常に大きな収穫だ。

「互角に戦えたかどうかは僕が決めることではないけど、完全にお手上げ状態ではなかった。コロンビアのような強豪に対して、GKから攻撃を組み立てることにもチャレンジできた。その姿勢は見せられたと思います」

 と森保ジャパンの看板的存在と位置付けられる堂安律(フローニンゲンMF)、南野拓実(ザルツブルクMF)が、アジア杯から停滞気味だっただけに冨安には指揮官も目を細めているはず。

 6月にブラジルで開催されるコパ・アメリカ(南米選手権)では、日本代表DFの第一人者になっていてもおかしくなさそうだ。

(元川悦子/サッカージャーナリスト)

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