崖っぷちでウルグアイ戦へ 2人のベテラン起用はあるか【コパ・アメリカ 日本代表密着記 #5】

崖っぷちでウルグアイ戦へ 2人のベテラン起用はあるか【コパ・アメリカ 日本代表密着記 #5】

練習でリラックスした表情の久保建英(中央)ら(C)共同通信社

【コパ・アメリカ 日本代表密着記 #5】6月18日 火曜日

 0−4で惨敗した2019年コパアメリカ初戦・チリ戦(サンパウロ)から一夜明けた18日。日本代表は次戦・ウルグアイ戦の地・ポルトアレグレヘチャーター便で移動。夕方から練習を行った。が、前日先発した前田大然(松本山雅)と原輝綺(鳥栖)が負傷で欠席。中2日の強行日程もあり、ウルグアイ戦は主力数人が入れ替わる見通しだ。岡崎慎司(レスター)と川島永嗣(ストラスブール)の両ベテランの出場可能性も高まってきた。

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 ブラジル南部の人口約150万の都市・ポルトアレグレは欧州からの移民が中心となって発展した町。現在も白人が8割を占めており、人種のるつぼのサンパウロとは全く様相が異なる。「陽気な港」という意味を持つ都市名通り、雰囲気が非常に明るく治安もいい。我々も到着後、すぐに大型ショッピングセンターに行ったが、南欧風の建物を見て、久しぶりに開放的な気分になった。

 グレミオとインテルナシオナルという世界的知名度を誇るクラブの本拠地で、かつて2002年日韓W杯で「3R」の一角として大活躍したロナウジーニョの故郷というサッカーの要所でもある。この地で日本は何とか浮上のきっかけをつかみたいところだ。

 森保ジャパンの練習は東部郊外にあるスポーツ複合型施設内グランドで行われたが、久保建英(レアル・マドリード)らチリ戦先発9人は回復に努めた。久保への注目度は依然として高く、この日も複数の外国人カメラマンが熱心に撮影していたが、取材対応はなし。本人は黙って集中を高めている様子だった。

 主力組以外は6対6戦形式で調整。そこで際立った存在感を示していたのが、36歳の守護神・川島永嗣(ストラスブール)だ。U−22主体の代表に合流してまだ1週間だが、全員の名前をしっかりと覚え、的確な指示を与えて、効果的に動かす適応力と統率力はやはりさすが。川島と対峙した攻撃陣が軒並みシュートを外すほどの特別なオーラも放っていた。

「結果を出すために何ができるのかを練習から追求していかないといけない。それは若かろうと年長だろうと変わらない。1人1人が厳しい姿勢でやっていく必要がある」と過去3度のW杯で修羅場をくぐり抜けてきた男はズッシリと重みのある発言をしてみせた。

最前線は上田綺世か岡崎慎司か

 今回の正GKと位置付けられる19歳の大迫敬介(広島)はチリ戦で好セーブを連発したが、川島ほどの影響力や経験値はまだない。1次リーグ敗退の危機に瀕する森保ジャパンが重要なウルグアイ戦でどちらの守護神を抜擢するのかは非常に興味深い点だ。

「彼は日本人GKとしては非常に力強い」と川島自身も絶賛する能力の高さと伸びしろを重視するなら大迫のままで行くだろうが、自信を失いがちなチームにカツを入れ、ピリッとした空気を取り戻したいなら川島が最適。指揮官はどちらを選択するのか。そこがウルグアイ戦の1つのポイントになりそうだ。

「名門・バルセロナが興味」と現地で報じられている前田が負傷したことで、FWの人材も手薄になってしまった。チリ戦で3〜4回の決定機を逃した上田綺世(法政大)をそのまま最前線に据えるか、代表117試合出場50得点の岡崎を起用するか、そこも森保監督の悩みどころだろう。

「チームの苦境を助けられなかった」とチリ戦後に悔やんだ33歳のベテランFWはリベンジに燃えている。昨季限りでレスターを退団し、現在は新天地模索中という事情もあって、結果を残してアピールしたいという思いも強いはず。彼自身も代表では2017年3月のタイ戦から2年以上ゴールがなく、レスターでも18−19シーズンは無得点に終わった。「ストライカーとしてもう一花咲かせたい」と熱望する男にとってコパでの得点は必要不可欠だ。

 10年超の代表経験値を持つ2人の30代パワーを今こそ活用すべき。ミラクルを起こすためにも指揮官の決断が待たれる。

(元川悦子/サッカージャーナリスト)

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