松井大輔が胸中語る「公式戦をすぐに再開するのは難しい」

松井大輔が胸中語る「公式戦をすぐに再開するのは難しい」

チームメートのカズとのツーショット(松井大輔=左)/(C)Norio ROKUKAWA/office La Strada

【コロナ禍 日欧サッカー界の現在と未来】

 松井大輔(39歳 横浜FC・MF)

 2月25日の中断決定から2カ月半が経過したJリーグ。再開のメドは依然として立たない状況だ。2月11日から一般、報道陣をシャットアウトしていち早く非公開練習に取り組んできた横浜FCも3月下旬から活動休止に入り、現在に至っている。その渦中にいる元日本代表の松井大輔(39)が、近況とともに長年過ごしたフランスなど欧州の様子、経験豊富なサッカー選手として胸中を語ってくれた。(取材・文=サッカージャーナリスト・元川悦子)

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 2〜3月にかけてのコロナ拡大には敏感になっていました。横浜FCは3月中旬から全体練習を少人数での自主トレに切り替えましたが、カズ(三浦知良)さんとも「3密は避けられないね」と話していた。

 3月28日に名古屋と練習試合があり、僕は足首のケガがあって行かなかったのですが、「やらない方がいいんじゃないか」という意見も出ていた。その直後に活動休止になりましたが、感染リスクがあるうちは安心してプレーできない。判断は正しいと思いました。

 今は自宅で体幹強化をしたり、近所を走ったりしていますが、ボールを使った練習はできないですね。この状況だと公式戦をすぐに再開するのは難しいと感じます。

 家では2人の息子に小学校へ通っている時と同じような生活を送らせています。朝食の後、午前と午後に勉強時間を設けていますが、僕も算数を一からやってますし、体育の時間と称して公園で遊んだりすることもある。買い物も自分が代表して行って好物のたこ焼きを作ったりと、今は子育てに参加できてうれしいですし、家族と一緒にできることをする時間だとポジティブに捉えています。

「セルフ・ロックダウン」で終息が理想

 そんな中、カズさんが4月10日に「『都市封鎖をしなくたって被害を小さく食い止められた。やはり日本人は素晴らしい』と記憶されるように『セルフ・ロックダウンで行くよ』」とメッセージを出しました。僕はそれを読んで本当にその通りだと感じました。

 自分が8年間暮らしたフランスは、長期外出禁止規制のさなかにいます(掲載情報は取材時点)。永嗣(川島=ストラスブールGK)とも話したけど、警察や軍が強力な取り締まりを行い、違反した場合は高額な罰金を科せられる。そういう強い力で抑え込んでいます。それができるのも、国が手厚い補償をしているから。フランスは国が家賃や光熱費を支払ってくれているようですし、スペインも8割負担だと聞いています。

 国によってコロナ対策や補償の方法は違いますけど、日本人がやるべきなのは「セルフ・ロックダウン」。自らの意思で終息に向かっていくのが、理想だと思います。

 カズさんのメッセージの後、僕も野球の練習着を着て、手洗いソング「PPAP〜2020〜」の動画をSNSにアップしました。嘉人(大久保=東京V・FW)からバトンが回ってきた形ですけど、「僕ら日本人は感染を食い止められる国民性を持っている」という意識を高めたかった。僕はSNS発信のクオリティーが高くないから、あのくらいになっちゃいますけど、今後はユーチューブも始めてみようかな(笑い)。そうやってサッカー選手としてできることを探しながら毎日を過ごしていくつもりです。(つづく)

∇まつい・だいすけ 1981年5月11日生まれ。京都市出身。鹿児島実高から2000年に京都入り。03年に天皇杯優勝。04年に仏2部ル・マンに移籍。1部昇格の原動力となった。08年に仏1部の強豪サンテティエンヌに移籍。10年からはロシア、ブルガリア、ポーランドでもプレー。14年に磐田入り。18年に横浜FCに移籍した。03年6月にA代表デビュー。04年アテネ五輪では背番号10を背負った。10年南アW杯では全4試合に先発出場。ベスト16入りを主軸として支えた。

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