成長遂げた地で発進=「ホーム」に戻ってきた久保―サッカー男子〔五輪・サッカー〕

成長遂げた地で発進=「ホーム」に戻ってきた久保―サッカー男子〔五輪・サッカー〕

南アフリカ戦の前半、ドリブルする久保(中央)=22日、東京スタジアム

 かつての「ホーム」に日の丸を背負って戻ってきた。MF久保建英がF東京時代に、15歳でJ1公式戦に初出場したのが東京スタジアム。「緊張もしていない。大事なのは自分たちの今できることを最大限出すこと」。自然体で初戦に臨んだ。

 F東京での恩師との出会いが、人間的な成長を促した。プロ2シーズン目の2018年。自分本位のプレーが目立った久保は出場機会を失った。「(周りの話を)聞き入れる耳を持っていなかった」と振り返るのは長谷川健太監督。当時まだ16歳という年齢を考えれば致し方ない面もあったが、特別扱いはしなかった。

 横浜Mでの武者修行から復帰した19年シーズン前。キャンプ初日から久保の変化を感じ取った長谷川監督は「パフォーマンスが良ければ試合で使う」と声を掛けた。

 久保のすごみは一戦ごとに増し、何より献身的に戦った。主力として結果を残すと、同年夏に名門レアル・マドリードへ。「自分は健太さんに大きくしてもらった」。久保は、挫折とも言えた時間をこう振り返った。

 スペイン移籍に際し、2年前に東京スタジアムで行われた壮行セレモニー。「世界に羽ばたけることを誇らしく思う。自分の決断に誇りを持ちたい」と堂々と話した。白星発進の立役者となり、「今はとても安堵(あんど)している」。今年6月4日に20歳になった逸材は、たくましい「大人」の姿を示した。(了)

【時事通信社】