J1清水が何かやってくれる予感…両サイドバックのポテンシャルは代表級の魅力!

J1清水が何かやってくれる予感…両サイドバックのポテンシャルは代表級の魅力!

今シーズン注目しているクラブの清水エスパルスについて語った宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第45回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、混戦模様の今シーズンのJ1で注目クラブのひとつである清水エスパルスについて。新監督を迎えて新たな体制で戦っている今季、もっとも楽しみなのはどのポジションのどの選手なのか?

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今季のJリーグでもっとも面白いチームはどこかと訊ねられたら、即答するーー清水エスパルス、と。それくらい清水には注目している。

第7節でV・ファーレン長崎に0−1、第8節では大槻毅監督代行が率いた浦和レッズに1−2、第9節でFC東京に0−1とリーグ戦3連敗。その後もちょっと苦しんでいるけれど、第4節まで2勝2分けと好スタートを切った開幕時の勢いが戻ってくれば、間違いなくもう1度、リーグをかき回す存在になる。

第13節を終えて、現在11位の清水の何がいいかというと、両サイドバックのスケールの大きさ!

右サイドバックが立田悠悟(たつた・ゆうご)で、1998年6月21日生まれの今年20歳。身長が189cmもある。本職はセンターバックだけど、サイドバックに故障者が出たことで急遽、開幕戦の鹿島アントラーズ戦に右SBで起用されてJリーグデビュー。

そうしたら、最初はポジション的に不慣れだったと思うんだけど、使われているうちに順応し、攻撃参加も一定レベルでできるようになってガンガン動けるようになってきているんだよ。13節に出場した23歳の飯田貴敬(たかひろ)も179cmとサイズはあるので、このふたりのポジション争いも楽しみだね。

左右どちらか一方のSBがデカイだけならここまで大騒ぎしないけれど、今年の清水は左SBも大きい。左は1996年8月30日生まれで22歳の松原后(こう)がつとめているんだけど、この松原はもうちょっとしたら間違いなく日本代表に名を連ねる!と思わせるスケールの大きさがある。

左利きの左サイドバックが少ない日本サッカーにあって、生粋の左利きの松原は相手DFから離れた場所にボールを置いて、巻き込むようにしてクロスを上げる左利き特有のキックができる。清水のサイドバックは個の力でオーバーラップしてクロスを上げることが求められるから、リーグ戦でどんどん磨かれている。

それだけでも貴重なんだけれど、やはり182cmあって体のサイズがデカイ! 日本代表の弱点をふたつ同時に埋められる存在だから、大いに注目してもらいたいし、もしかしたら西野朗監督がW杯直前の代表合宿に招集するサプライズがあってもおかしくない。それくらいのポテンシャルを秘めている。

この長身の両サイドバックに挟まれるセンターバックは、ファン・ソッコとフレイレが務めている。この両CBが個の力でやられることは滅多にないし、セットプレーでもDFの4人全員が身長が高いから、失点する気配がほとんどないんだ。

清水は4−4−2が基本フォーメーションで、クリスランかチョン・テセ、北川航也のうち、ふたりが2トップを組んで右MFにミッチェル・デューク、左MFに金子翔太、ボランチ的なセントラルMFに竹内涼と河井陽介が入る。

竹内が体を張って相手を止めて、河井がボールを散らしていくんだけど、守備の時はふたりがDFラインの4人と連携してスライドしながら懸命に守る。

それでボールを奪ったら攻め込むんだけど、攻撃に転じると4−4−2のフォーメーションから状況に応じて1トップ2シャドーのような配置になる。

クリスランが中央で構えて、北川がトップ下のあたりに落ちて、右MFの金子が中央よりにポジショニングを取るーーこの微妙なポジショニングによって相手とのギャップを作り、チャンスを生み出してきた。

今年で23歳になる金子は163cmと小柄だけど、本当によく頑張っている。キープ力はあるしドリブルで切り込めるし、ミドルシュートを決める力もある。元気にピッチを走り回る金子が攻撃のキーマンだ。

ただ、最近は対戦相手もそれを分析しているから、金子のポジショニングに対応されて勝ち点が伸び悩んでいるけど、ここからヤン・ヨンソン監督がどういう次なる手を打つのか楽しみだね。昨年、シーズン途中からサンフレッチェ広島の監督に就任してチームを残留させ、今季は清水で開幕スタートダッシュを成功させている監督だ。引き出しはまだまだ持っていると思うな。

選手層が厚いといえるほどではないけれど、それでも何かやってくれるんじゃないかという期待を抱かせるチーム。それが今年の清水だ。スケールの大きな清水のサッカーを是非チェックしてみてほしいね!

(構成/津金壱郎 撮影/山本雷太)

■宮澤ミシェル







1963年 7月14日生まれ 千葉県出身 身長177cm フランス人の父を持つハーフ。86年にフジタ工業サッカー部に加入し、1992年に移籍したジェフ市原で4年間プレー。93年に日本国籍を取得し、翌年には日本代表に選出。現役引退後は、サッカー解説を始め、情報番組やラジオ番組などで幅広く活躍。出演番組はWOWOW『リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』NHK『Jリーグ中継』『Jリーグタイム』など。

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