マルセイユ・酒井宏樹がハリル解任とロシアW杯を語る 「結果が出なくて批判を受けるなら、チーム全体だと思う」

マルセイユ・酒井宏樹がハリル解任とロシアW杯を語る 「結果が出なくて批判を受けるなら、チーム全体だと思う」

フランス屈指の人気クラブ、マルセイユで移籍1年目からレギュラーとして活躍する酒井宏樹。昨年はフィールドプレーヤーで出場時間チーム最長となる35試合(計3012分)に出場

世界トップレベルの猛者たちと日常的にしのぎを削る日本代表のキーマン、酒井宏樹(ひろき)。4月下旬に負傷したがW杯には間に合わせてくれるはずだ!

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今季、フランス1部リーグで好調を維持するオリンピック・マルセイユ。リーグでは、第36節を終えて2位オリンピック・リヨンと勝ち点2差の4位。リーグ3位以内に与えられる来季のチャンピオンズリーグ(以下、CL)出場権争いを続け、ヨーロッパリーグ(以下、EL)では準決勝でレッドブル・ザルツブルクに競り勝ち、2004年以来となる欧州カップ戦での決勝進出を決めた。

そんなチームに欠かせないのが、今や日本代表で右サイドバックとして不動の地位を築いた酒井宏樹だ。ここまでリーグ戦31試合に出場し、撃ち合いとなったライプツィヒとのEL準々決勝第2戦では試合を決定づける5点目のゴールを決めるなど、チームの信頼に結果で応えている。

―ライプツィヒ戦では終了間際にマルセイユ移籍後初、しかも“バースデー弾”で試合を決定づけました。

酒井 誕生日に試合だったのは初めてでした。試合に集中できないんじゃないかという心配もあったのですが、まさか最後に僕がゴールを決めることになるとは(苦笑)。観衆も6万人以上でスタジアムの雰囲気はすごかったですし、ファンを喜ばせることができてよかったです。チームとしていいシーズンが送れていて、そのなかに自分がいられることを幸せに感じています。

―マルセイユで2シーズン目。今シーズンをふり返って、いかがですか?

酒井 順調以上ですね。プレーの波は1年目と比べて少なくなったと思います。相手がどんなに強くても、どんなに難しい状況でも、自分なりの解決策を見つけることができるようになってきたのは、ポジティブな点ですね。

この街の人は、本当にOM(オリンピック・マルセイユの略称)のことを見ていますから。サポーターの熱気はフランスで一番として知られていますし、毎週、試合の日はちょっと街が殺気立っているというか。プレッシャーはすごくありますが、それがいい意味での緊張感になっています。

―来季に向けて目標はありますか。

酒井 もちろん、CL出場です。ELで勝てれば、CLの本戦への出場権もついてくるので、そうなれば一番。欧州に来るときに、まず思ったのがいつかはCLに出たいということでしたから。それが果たせたら、自分にとってはすごく幸せなこと。出るまでは帰れないですよ。逆に、来季それが果たせたら僕の欧州での挑戦は終わったと言ってもいいかも(笑)。

正直、ハノーファー時代は難しいと思っていたので、せっかくマルセイユというチームに巡り合えて、チャンスが目の前にあるんだったら何がなんでも出たい。そこだけはブレようがないです。

―ドイツでの4年間とは違った挑戦になっている?

酒井 でも、あの時代があったから今がある。ハノーファー時代は「引き分けでOK」みたいな試合もありましたが、マルセイユでは常に勝ち点3が求められます。簡単な試合ばかりじゃないし、難しい時間も多いですが、そういうときに耐える力はハノーファー時代に培ったもの。そう考えると、無駄なことはひとつもなかったと思います。

―マルセイユでの生活はどうですか。

酒井 最初からここに来ていたら大変だったかもしれないですが、ドイツに4年いたのがやっぱり大きかったですね。すべてが日本のようにうまくいくとは思っていなかったし、それほどストレスを感じることもないです。

それにしても、よくドイツ人はまじめで規律があって日本人に似ているとかいわれますが、ここにきてその意味をようやく理解しました。悪い意味じゃなく、フランスの人は本当に自由だから。日曜日はどこも店が閉まっているし、正直、金・土・日は物事が動かないです(笑)。

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マリ(1−1)、ウクライナ(1−2)と対戦した3月の日本代表のベルギー遠征は、右臀部(でんぶ)を負傷したため参加しなかった酒井だが、その10日後にはハリルホジッチ前監督が解任されるというニュースも飛び込んできた。後任は西野朗(あきら)監督となったが、酒井は日本代表の現状をどう見ているのだろうか。

また、ドイツ、フランスで6シーズンを過ごしてきた酒井は、ロシアW杯で対戦する国のエースたちとクラブでの試合を通じて日常的に対峙してきた選手だ。経験豊富な酒井の頭には、どのような“対策”が浮かんでいるのだろうか。

―突然のハリル前監督の解任をどう受け止めましたか。

酒井 正直、何が起こったのか全くわからないです…。もちろん、こうなった以上はいろいろな思いはありますが、現場の人間は何も言わずにプレーに徹するだけ。もし結果が出なくて批判を受けるなら、日本代表チーム全体だと思うし、西野さんに決まった以上は信じてやるだけです。

―3月のマリ、ウクライナとのベルギー遠征の結果には厳しい声もありました。

酒井 確かに難しかったですけど、ポジティブにとらえれば本大会ではなかったのでよかった。僕はピッチで体感していないので何も言うことはないですけど、国際試合に簡単な試合なんてないですし、やっぱりチームとしてまとまっていなければうまくいかないこともある。そういう意味では、この時期に課題が出たことはネガティブな面ばかりではなかった。ウクライナは普通に強かったとは思いますね。

―さて、ロシアW杯に話を向けたいのですが、対戦国についてはどんな印象を持っていますか。

酒井 コロンビアはもちろん、ポーランドもセネガルも強い。ただ、サッカーは強いチームが必ず勝つわけでもないし、やってみないとわからない。アジア予選で日本が苦戦したように、サッカーでは格下のチームが格上のチームを脅かすことはありますし、本大会で日本がそれと同様のスタイルでいけば面白いことにはなるんじゃないかと思います。本当は「勝てる」と自信を持って言いたいですけどね(苦笑)。

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(取材・文・撮影/栗原正夫)

●酒井宏樹(さかい・ひろき)







1990年4月12日生まれ、千葉県出身。フランス1部のオリンピック・マルセイユ所属。2008年、17歳で柏レイソルのトップチームに昇格。10年にJ2の甲府戦でJリーグ初出場を果たし、翌年10月には日本代表メンバーに初選出。12年にドイツ1部のハノーファーに移籍して4シーズンを過ごし、16年にオリンピック・マルセイユへ移籍した

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