もはや原口ジャパン?とセルジオ越後「次のサウジ戦でハリル監督更迭も…」

もはや原口ジャパン?とセルジオ越後「次のサウジ戦でハリル監督更迭も…」

今のメンバーで結果を残すしかないと語るセルジオ越後氏

日本代表がロシアW杯アジア最終予選前半のヤマ場となる2連戦(ホームのイラク戦、アウェーのオーストラリア戦)を1勝1分けで終えた。1敗でもしたら監督解任となっていたかもしれない状況を考えれば、最低限の結果は出した。数字上はまだ挽回可能だ。

でも、残念ながら明るい材料は少ない。前回ブラジルW杯の最終予選では相手を圧倒して勝つ試合があったのに、今は1勝するのにあっぷあっぷの状態。相手にもリスペクトされなくなった。今後も苦しい戦いが続くだろうね。覚悟して見守るしかない。

●イラク戦(○2−1)






試合終了間際の山口の見事なゴールで勝利という結果だけはよかったけど、内容はひどいものだった。ホームで先制したのだから、焦らずに試合をコントロールして2点目を狙えばいいのに、相手のプレッシャーが少し激しくなった途端にミスを連発し、苦手なセットプレーから同点にされた。後半20分過ぎから中心選手の運動量が落ちるのも相変わらず。それまでグループ未勝利のイラク相手に、ホームであれだけ押し込まれるとは思わなかった。

●オーストラリア戦(△1−1)






立ち上がりに高い位置でボールを奪って、いい形で先制したのに、その後は自陣に引いてチャンスを待つ、プライドを捨てたサッカー。岡田監督のときの2010年南アフリカW杯を思い出したよ。

確かに、前線の選手も守備に体を張っていたし、よく我慢して引き分けに持ち込んだと思う。でも、逆に言えば、今の日本はそこまでやらないとオーストラリアから勝ち点を奪えないということ。過去、オーストラリアとの対戦では、たとえアウェーでもがっぷり四つに組んで、お互いが力を出し切っていた。それだけに、試合後にホッとした表情を浮かべる選手を見て寂しくなった。

「引き分けでガッカリした」という声をもっと聞きたかったね。少なくとも、アジアで1位を争うライバル同士の試合じゃなかった。

●気になった選手






所属クラブで試合に出ていない選手は、やっぱり今回も厳しかった。本田はオーストラリア戦で原口の先制点をアシストしたものの、2試合とも後半から足が止まった。いいときと比べれば50%ぐらいのデキ。岡崎はケガもあったけど、最終予選4試合で、まだ点を決めていない。今までは大事なときに必ず決めていたのに、今の彼は“らしく”ない。

そして、深刻なのは香川。オーストラリア戦でのシュートはゼロ。どこにいたの?という感じだ。確かに、ハリルホジッチ監督から守備の役割を多く与えられていたのは気の毒。指揮官は、彼の生かし方を理解しているとは思えない。でも、それにしても、自分の持ち味(=攻撃)を忘れちゃった印象だ。

そんな彼らとは対照的に原口は頼もしかった。運動量が多く、積極的な仕掛けで、相手にとって常に危険な選手になっていた。戦う気持ちも出せる。最終予選で3試合連続ゴールという結果も文句なし。ブンデスリーガ上位のヘルタ・ベルリンでちゃんと試合に出て、評価を得ているというのも納得。ハリルジャパンじゃなくて原口ジャパンといってもいいほど攻撃陣を牽引(けんいん)していた。

PKのシーンは軽率だったけど、あれだけ守備の負担が多いと判断を誤るシーンが出てくるのも仕方ない。今後もヘルタで頑張ってほしいし、日本は彼の勢いをうまく生かしたい。

●ハリルホジッチ監督の采配






試合前の会見でもナーバスな発言が目立っていたけど、とにかく余裕がない。監督就任時に掲げていた縦に速いサッカーとはなんだったのだろう。どういうサッカーをしたいのか、僕にはわからない。

オーストラリア戦では、イラク戦でいいプレーをした清武をベンチに置いて香川をスタメン起用。しかも、彼の持ち味を殺すように守備の役割を多く与えた。

選手交代も遅い。守備に回る時間が長く、選手たちが明らかに疲れているのに後半36分までカードを切らなかった。3人目には、代表デビューとなるDF丸山を、なぜか原口に代えて左の高い位置で起用。試合後、「勝ち点2を失った」と言っていたけど、その采配は勝ち点3を取りにいくものじゃなかった。もっと早く浅野を投入して、彼のスピードを生かすべきだったし、勝ちにいくならDFの丸山ではなく、アタッカーの齋藤を投入すべきだった。

●今後のW杯最終予選






次のサウジアラビア戦(11月15日・埼玉)のノルマはもちろん勝ち点3。相手は現在グループ首位。ホームで勝てないようなら、いよいよW杯出場は難しくなる。引き分け以下なら監督更迭だろう。

勝たなければいけない試合で、どれだけ攻撃的なサッカーができるか。カギを握るのはやっぱり主力選手のコンディション。前から言っているように、試合に出ていない海外組よりコンディションのいい国内組を起用すればよいと思うけど、これまで固定化してきたメンバーを大幅に入れ替えたりすれば混乱が起きかねないし、指揮官にも新たなことを試す余裕はないだろう。今のメンバーでなんとか結果を残すしかない。本田、香川ら各選手の所属クラブでの奮起に期待したいね。

(構成/渡辺達也 撮影/ヤナガワゴーッ! 藤田真郷)

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