痛恨の2失点目。日本のU−20W杯決勝トーナメント進出のための条件は?

痛恨の2失点目。日本のU−20W杯決勝トーナメント進出のための条件は?

途中出場の久保建英ら、攻撃陣がウルグアイゴールに迫ったが…

韓国で開催されているU−20W杯のグループリーグ第2戦が行なわれ、日本はウルグアイに0−2で敗れた。日本はこれで1勝1敗の勝ち点3となり、グループDの3位につけている。

敗れはしたが、試合内容は決して悪くなかった。初戦の南アフリカ戦ではバタバタとした展開のなかで何度もピンチを招いた日本も、このウルグアイ戦では落ち着いて試合に入れていた。

日本と同様、初戦で勝利(1−0イタリア)していたウルグアイが比較的慎重な戦いを選んできたことも、その一因ではあっただろう。だとしても、日本はウルグアイの攻撃をうまく抑えながら、奪ったボールをテンポよく動かして、敵陣に攻め入ることができていた。

U−20日本代表の内山篤監督も「(初戦の)南アフリカ戦では立ち上がりに失点したので、そこを修正した。そんなに(前半の出来は)悪くなかった」と振り返る。

ところが、「縦1本(のパス)で安易に失点してしまった」と指揮官。前半38分に、最終ラインから放たれたロングパスを右サイドでキープされ、最後はFWスキアッパカッセに落ち着いてシュートを決められた。カウンターのリスクを避け、少ない人数で手数をかけずに(日本の守備の対応の軽さはあったにしても)易々とゴールを陥れるあたりは、さすが南米予選の優勝チームというしかない。

こうなると、「試合巧者」として名高いウルグアイのペースである。

カウンターをちらつかせながら、ガッチリと守備を固めるウルグアイに対し、日本は攻撃機会こそ増やすものの、なかなかシュートまでは至らない。前半なかばを待たずして、FW小川航基を左ヒザの負傷で失うアクシデントがあったとはいえ、パスはつなげるものの最後の決め手に欠いた。

FW岩崎悠人は「前半は(ボールを保持していても)なかなかゴール前まで行けず、苦しい感じだったが、後半はチャンスが増えた」と、試合展開の変化を口にしながらも、苦々し気にこう続けた。

「いい状況はあったと思うが、やっぱり最後……、(自分たちのプレーの)精度が低くてシュートまで行けなかった」

実際、日本の決定機と言えるシュートチャンスは、2回程度しかなかった。

なかでも最大のチャンスは、58分。FW久保建英が左サイドを突破して放ったシュートはGKにセーブされたが、GKに当たって浮いたボールをMF堂安律が頭で押し込んだはずだった。しかし、ゴールへ向かって飛んだボールは、必死でカバーに戻った相手DFにはじき出されてしまった。

集中を切らさず、ボールにプレッシャーをかけ続けるウルグアイの前に、日本はそれなりに見応えのある攻撃を展開したが、どうにもゴールは遠かった。

だが、ウルグアイを相手に0−1の敗戦なら、最悪というほどの結果ではなかった。なぜなら、24カ国が4カ国ずつ6組に分かれてグループリーグを行なうこの大会は、各組2位以上に加え、3位のうち成績上位の4カ国が決勝トーナメント(ベスト16)に進出できる。日本はすでに初戦で勝ち点3を手にしており、仮に残り2試合を連敗しても失点数を抑えれば(得失点差のマイナスを小さくすれば)、決勝トーナメント進出の可能性は十分にあるからだ。

同じ大会方式で行なわれているU−17ワールドカップも含め、過去の大会を参考にすれば、3位でグループリーグを突破できるおおよそのボーダーラインは、勝ち点3で得失点差マイナス1。得失点差0ならかなり高い確率で通過できるが、マイナスが2よりも大きくなると厳しくなる、といったところだ。

それを考えれば、日本は同点に追いつければベターだったが、同時に、2点目を絶対に失ってはいけなかった。

にもかかわらず、終了間際に痛恨の失点を喫した。日本は後半、チャンスを増やしはしたが、その一方で強引な攻撃が裏目に出て、カウンターを受ける場面も少なくなかった。行ったり来たりの展開は、日本にとってはかなりの危うさをはらんでいた。センターバックのDF中山雄太が語る。

「ウルグアイが自分たちにボールを持たせているという感覚はあった。そこで一発(のカウンター)があるのが、相手の特徴。それだけが怖かったので、ボールを持ちながらもトミ(DF冨安健洋)などとコミュニケーションを取りながらやっていたが、結局、失点してしまった」

中山とセンターバックのコンビを組む冨安は、「2失点目はいらなかった」と悔しそうに語り、こう続ける。

「最悪0−1でもいいと自分のなかでは考えていたので、2失点目はかなりショック。自分たちが甘かった」

中山はまた、「1点を取りたいという感情だけでプレーをしてしまうのは、避けなければいけなかった」と悔やむ。

1点を失った後の日本は、グループリーグ3試合をトータルでマネージメントするという意味では、拙い試合運びだったと言わざるをえない。目の前の1勝、あるいは勝ち点1を目指すひたむきさは大事だが、愚直なだけではこうした大会は勝ち上がれない。

この結果、日本の得失点差はマイナス1となった。もちろん、グループリーグ第3戦に勝利すれば問題はなく、自力で2位以上を確定することができる。しかし、もしも敗れれば、得失点差は少なくともマイナス2までは落ちることになり、3位でのグループリーグ通過は微妙なラインになってくる。

しかも、第3戦の相手はイタリア。初戦ではウルグアイに0−1で敗れはしたものの、今大会屈指のハイレベルな攻防を展開しており、実力的に言えば日本よりも上。第2戦では、日本が苦しんだ南アフリカを2−0で一蹴している。そんな相手に勝利する、あるいは引き分けなければいけないという状況は、かなり厳しい。

この状況に思い出されるのは、奇しくも同じ韓国で開かれた2007年のU−17W杯である。

柿谷曜一朗(セレッソ大阪)、齋藤学(横浜F・マリノス)らを擁した、当時のU−17日本代表は、初戦でハイチに先制を許しながら、3点を奪い返して3−1の逆転勝ち。だが、第2戦でナイジェリアに0−3の完敗を喫すると、引き分けでも2位通過が決まる第3戦でフランスに1−2の逆転負け。勝ち点3の得失点差マイナス2でグループ3位となり、わずか得失点差1の差で決勝トーナメント進出を逃している。

試合ごとの展開や2試合を終えた時点での状況が、10年前の大会と非常に似ている今大会。なにやら悪い予感もしてしまう。

ただし、10年前と違うのは、相手のイタリアが日本と引き分けても2位通過を決められることだ(勝ち点4で日本と並ぶが、得失点差で上回る)。

引き分けなら、日本も勝ち点を4に伸ばし、3位での通過をほぼ確実にできるだけに、お互いにとって悪い結果ではない。イタリアが手堅く守備を固め、世界屈指のリアリストらしく最大限にリスクを排除した戦いに徹してくれれば、日本にとっても(引き分ければいいという意味では)戦いやすくなるだろう。

今大会に出場している20歳以下の選手たちは、3年後に控えた東京五輪での中心となる世代だけに、世界レベルの試合をひとつでも多く経験してもらいたいところだが、果たして、日本は決勝トーナメントに進出することができるのだろうか。

ウルグアイ戦の2点目がなければ……。そんな結末にならなければいいのだが。

勝負のイタリア戦は5月27日、現地20時キックオフである。

(取材・文/浅田真樹 撮影/佐野美樹)

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