ハリルJを警戒?楽観?豪州メディアは「侍ブルーをなめるな」の談話を報道

ハリルJを警戒?楽観?豪州メディアは「侍ブルーをなめるな」の談話を報道

過去、幾度も日本代表の前に壁として立ちふさがってきたケーヒル(写真:ロイター/アフロ)

 W杯ロシア大会のアジア最終予選のオーストラリア戦が、明日11日、敵地のメルボルンで行われる。6日のイラク戦は、残り1分に山口蛍の劇的ゴールでイラク戦を勝利したが、まだグループBでは、オーストラリア、サウジアラビア、UAEに次ぐ暫定4位。W杯出場権を得る2位以上(3位の場合、A組の3位とホーム&アウェーでアジア地区プレーオフを戦い、勝者が大陸間プレーオフに出場)を確保するためには、アジア最大のライバル、オーストラリアとのアウェー戦が重要になってくる。

 オーストラリアのメディアも、この試合に大きな関心を寄せ、過去の対戦成績や、日本戦に挑む選手のコメント、展望などの報道を続けている。

 2006年ドイツW杯の日本戦で同点、逆転ゴールを決め、2009年南アW杯アジア最終予選の日本戦でも、2ゴールを決めるなど、“日本キラー”として名高いベテランのティミー・ケイヒルも、シドニーのデイリー・テレグラフ紙に「我々は、グループトップにいるが、日本戦という大きな試合が待っている」とコメント。

 同紙は、ケイヒルの日本との相性の良さから、日本戦では先発になるのではないかと予想しているが、ケイヒルは、「私はアジアのチーム相手に素晴らしい思い出が多くある。彼ら相手に多くのゴールを決める幸運に恵まれた」としただけで「我々は日本戦に向けてしっかりと準備をして臨む。(11日の試合で)スターターであろうが、控えでの出場になろうが戦う準備をするし、他のメンバー誰もがそうでなければならない」と、挑発的な談話は発表しなかった。
 
 また同紙は、攻撃的MFでイングランド2部のハダーズフィールド・タウンでプレーしている要注意の若手、アーロン・ムーイの「我々は自分達のスタイルとゲーム・プランを信じているし、日本に勝てると思っている。(勝てると思っている面では)他のゲームと違いはないが、(日本は)他のチームよりもタフな相手。我々はベストの状態で臨まなければならない」というコメントも掲載した。

 メルボンのヘラルド・サン紙は、「ロビー・クルーズが、同グループ最大のライバルである日本戦は、成否が問われる試合だと明言した」という記事を掲載した。レバークーゼンなどブンデスでプレーしていたストライカーのロビー・クルーズは、「日本戦は大きな試合。もし勝って(グループで)差を付けられればどれほどいいか」と話し、「サムライブルーをなめてはいけない」と日本への警戒心を見せた。

「日本は(同予選で)少し手こずってきたかも知れない。(イラク戦では)終盤になってやっと決勝ゴールを決めた。彼らは、ここぞという時に勝利に繋がるプレーをした」と、イラク戦で劇的勝利を遂げた日本を称賛。ブンデスで、香川真司、長谷部誠、酒井高徳らのクオリティの高いプレーを知っているだけに、「私はブンデスリーガで多くの日本人選手とプレーしてきた。だから日本の選手が、技術的にも戦術的にもどれほど優れているかをよく知っている。(11日の)日本との試合は、激しい試合となるだろう。互いに力を出し尽くすことになる。何とかいい結果に継げて勝ち点3を得たい」と、日本戦への抱負を語った。
   

 シドニー・モーニング・ニュース紙は、「サッカールーズ(オーストラリア代表の愛称)は(ドローで終わった)サウジアラビア戦のわだかまりを振り捨て、難題である日本戦に備える」という記事中に「オーストラリアと日本は、強力なライバルであり、どちらの選手もこの試合が(これまでとは違う)難題となるとわかっている。どちらのチームもフィジカルで機能に長け、戦術力がある」としたが、その一方で、「日本は戦い慣れている敵であり、11日の試合は、正直やりやすいはず」と予想。

 日本は、イエローの累積で酒井宏が出られず、長友が脳震盪で離脱、岡崎も故障とベストメンバーを組めないだけに、楽観論が出るのも、ある意味当然。

 Jリーグのジェフでプレー経験のあるDFのマーク・ミリガンは、同紙に「多くの意味で、ホームで行う日本戦の準備は敵地でサウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)と戦うよりもやや楽」と本音をチラリ。

 それでも「我々は自分達に強い自信を持っているし、チームの心は一つだ。でもそれを火曜日(11日)の試合で出さなければならない。日本がどれほどまとまったチームであるかわかっている」と日本へのリスペクトを忘れていなかった。

 また“ポスト・ケーヒル”として期待の大きい若手FWのトミ・ユーリッチは、「日本には、いい選手がいるし、いつ何時でもゲームの流れを変えることができる質のある選手がいる。ただ、ホームゲームは、いつも特別な集中力を持つことができるし、どの試合も重要性を忘れことなく臨める。日本のようなタフなチーム相手には、そのアドバンテージを使わなくてはならない」とホーム・アドバンテージも武器とするつもりがあることを明かした。
 
 過去のAマッチでの対戦成績は、日本の通算8勝7敗分だが、W杯予選での対戦成績は、2敗4分と勝利がない。ホームで戦い、ここまでの予選でも調子を崩していないオーストラリアが有利であって、現地メディアの一部で楽観視する報道があるのも事実なのだが、選手の多くが警戒心を解かないのが不気味だ。