コロンビア代表 苦しみの先の栄光を目指して

コロンビア代表 苦しみの先の栄光を目指して

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 サッカーワールドカップロシア大会、南米代表コロンビアは初戦の日本戦に敗れたものの、2・3戦目で勝利し、グループHを首位で突破した。強豪と叫ばれながらも過去、栄光には届いていないコロンビアは今大会でも苦戦を強いられた。

■過去の悪夢と重なる敗戦
 ともすればチームが混乱に陥りかねない状況だったかもしれない。
衝撃の幕開けとなった日本とのゲーム。開始3分でMFカルロス・サンチェスがペナルティエリア内でのハンドによる退場、さらに、PKでの失点で序盤からビハインドを負う。一時、同点に追いつくも後半、セットプレーからの失点を許し再び突き放された。
チームの顔、ハメス・ロドリゲスを中心とした攻撃陣もほとんど形を作れず、南米の強豪とはいえ、一人少ない中での敗戦は体力的にも、そして、精神的にも厳しいシチュエーションだった。

 コロンビア代表にとって、そしてサッカーファンにとっても消えない記憶。
1994年アメリカーワールドカップ。一次リーグ初戦ルーマニアに敗れ、続くアメリカ戦でもオウンゴールによる敗戦。当時世界最高レベルのMFバルデラマ等、大会屈指の選手を擁しながらも、最後まで狂った歯車は噛み合うことはなかった。ブラジル、ドイツと並び優勝候補にも目されていたコロンビアは、何一つインパクトを残すことなく、アメリカの地を去っていった(そして、大会終了後にはさらなる悲劇に見舞われる)。

■エースと共に勢いをとりもどす
 24年後の今大会でも、初戦をショッキングな形で落としたコロンビア代表。
「人生を懸ける」。今大会が初出場となる主将ファルカオがそう語り挑んだポーランド戦。
チーム全員が初戦での敗戦に捉われず、前を向く力強さが伝わるゲームだった。

 日本戦、開始直前の国歌演奏ではベンチ前に立ち笑顔で国歌を口ずさんでいたハメス・ロドリゲスも、ポーランドとの試合では険しい表情でスタメンのピッチに立った。敗北が許されない状況の中、研ぎ澄まされたエースはこの試合では本来の動きを取り戻し、左サイドを中心に躍動。好パスを次々と放ち2アシストを記録、3−0での快勝を演出する。前半25分には得点には繋がらなかったものの、センターサークル付近で相手と激しく衝突しながらも、ワンタッチでのパスを味方に送るなど、従来の鋭さに加え屈強さも前面に表現しフルタイム出場、窮地のチームを支え続けた。

■ここからコロンビア代表の真価を
 6月28日に行われたセネガルとのグループリーグ最終戦。勝利すれば自力でトーナメント進出が決まる状況に持ち直したものの、この試合ではスコアレスの展開に。
 前の2試合とも10本を超えたシュート数もこの試合では僅かに4本、さらに、前半31分にハメス・ロドリゲスが負傷退場するなど、セネガルを相手に厳しい局面が続く。
 劣勢とも言える中、迎えた後半29分、コーナーキックから長身DFジェリー・ミナがヘッドで叩き込み、ついにコロンビアが先制。その後もセネガルの点取り屋マネを最後まで自由にさせずに堪え続け、苦しみながら勝利を掴む。これでグループ首位での突破を決めた。
 7月3日にイングランドとの対戦となるノックアウトステージ初戦。崖っぷちから立ち直ったとはいえ、厳しい戦いが予想される。
 それでも2大会連続で指揮を執るぺケルマン監督のもとチームは一つになり、W杯においてこれまで以上に大きな壁を乗り越えたことに間違いはない。そして、今後のカギを握るのはやはりハメス・ロドリゲス。もう一度エースが輝きを取り戻すことが出来れば、同国にとって過去最高成績である前回のベスト8の記録を塗り替える可能性もあるのではないだろうか。チームを上位に導き、今大会のスーパースターへと登り詰める、そんな淡い期待と共に見届けたい。(佐藤文孝)

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