短期決戦のCLはトーナメント戦との“相性”もカギに…? 12クラブのデータを紹介

短期決戦のCLはトーナメント戦との“相性”もカギに…? 12クラブのデータを紹介

CLを戦う12チームの中でトーナメントと“相性”が良いのは…? [写真]=Getty Images

 2019−20シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)が7日から再開する。まずは、延期となっていたラウンド16セカンドレグの4試合を開催。準々決勝以降はポルトガルでの集中開催となり、各ラウンドが一発勝負のシングルレグで行われる。23日の決勝戦まで、わずか17日間で11試合をこなす異例の戦いであり、「ミニ・トーナメント」、あるいは「ファイナル8トーナメント」とも呼ばれている。

 この超短期決戦では、それぞれのチームが持つ実力だけでなく、選手の試合勘やコンディション、あるいは運といった要素も勝敗を大きく左右するだろう。また、トーナメント戦との相性も勝負のカギを握りそうだ。

 そこで今回は、“トーナメントに強い”のはどこなのか、優勝の可能性を残す12チームについて調べてみた。欧州カップ戦の常連とは言えないチームも存在するため、本稿では、直近5シーズン(2015−16〜2019−20)の国内カップ戦の勝率を比較。もちろん、国内カップ戦と欧州カップ戦では対戦相手の格や実力が全く異なるため、この結果をもって「トーナメントに強い(弱い)」と結論づけることはできないが、トーナメント戦との相性を見極める一つの指標として、参考にしていただければ幸いだ。

 なお、延長戦、及びPK戦の末に勝利(敗戦)した場合は、「ラウンドを勝ち抜けた(勝ち抜けなかった)」と考えて、“1勝(1敗)”にカウント。また、2試合合計スコアで決着がつかずにPK戦に突入した場合はPK戦の結果を考慮せず、各試合の勝敗を優先した。

 データ集計の対象とした“国内カップ戦”は以下のとおり。

スペイン/コパ・デル・レイ
イタリア/コッパ・イタリア
ドイツ/DFBポカール
イングランド/FAカップ、リーグカップ(カラバオ・カップ)
フランス/クープ・ドゥ・フランス、クープ・ドゥ・ラ・リーグ

 果たして、1位に輝いたのはどのチームなのか。ランキング形式で紹介する。

※「国内カップ戦成績」と「獲得タイトル」は直近5シーズンのもの

12位 アトレティコ・マドリード 勝率48.0%
国内カップ戦成績:25試合/12勝7分け6敗/53得点26失点
獲得タイトル:なし

どこか一発勝負に強いイメージのあるアトレティコだが、国内カップ戦の勝率は12チームで唯一の50%以下だった。今季のコパ・デル・レイでは、実質3部のクルトゥラル・レオネサに敗れ、ラウンド32で敗退。ディエゴ・シメオネ監督も、この時が「今季、最も難しかった時期」と認めている。ただリーグ戦再開後は本調子を取り戻しており、大一番に向けた準備は整っている。

11位 アタランタ 勝率53.3%
国内カップ戦成績:15試合/8勝1分け6敗/27得点18失点
獲得タイトル:なし

CL初出場でベスト8入りを果たしたアタランタ。ここ5シーズンの国内カップ戦の勝率はそれほど高くないが、昨季はコッパ・イタリアでユヴェントス、フィオレンティーナを下して決勝に進出している。ラツィオに敗れて優勝こそ逃したものの、勢いに乗れば上位進出を成し遂げる力を持っていることは今季のCLでも証明済みだ。一発勝負との相性は決して悪くない。

10位 レアル・マドリード 勝率58.3%
国内カップ戦成績:24試合/14勝5分け5敗/67得点30失点
獲得タイトル:なし

意外にも、第10位がレアル。ただ彼らは「トーナメントに強くない」のではなく、コパ・デル・レイに対するモチベーションがそれほど高くないだけだろう。最後に優勝したのは7シーズン前までさかのぼる。CLでは2015−16シーズンから3連覇を達成。伝説のチームを作り上げたジネディーヌ・ジダン監督は、監督キャリアにおいてCLの“敗退”を味わったことがない。今回も頂点まで走り抜けることができるだろうか。

9位 ライプツィヒ 勝率64.3%
国内カップ戦成績:14試合/9勝5敗(PK勝ち:2回)/31得点18失点
獲得タイトル:なし

アタランタ同様、クラブ史上初のCL決勝トーナメント進出を果たしたライプツィヒ。彼らもまた昨季は、DFBポカールで初の決勝進出を果たした。ファイナルではバイエルンに0−3と完敗したものの、一発勝負が苦手というわけではない。2017−18シーズンには、ヨーロッパリーグ(EL)でベスト8に進出。アトレティコとの準々決勝に勝てば、クラブ初の“欧州4強”入りを果たす。

8位 リヨン 勝率65.5%
国内カップ戦成績:29試合/19勝10敗(PK勝ち:1回、PK負け:2回)/68得点42失点
獲得タイトル:なし

フランスの名門リヨンが8位にランクイン。今季はクープ・ドゥ・ラ・リーグ(リーグカップ)で準優勝。パリ・サンジェルマンと互角の戦いを繰り広げたが、PK戦の末に敗れた。昨季のCLは、ラウンド16でバルセロナと対戦。ホームでのファーストレグをスコアレスドローで終えたものの、敵地でのセカンドレグは1−5と大敗。ユヴェントスに先勝(1−0)した今季は、リードを守りぬいて8強進出となるだろうか。

7位 ナポリ 勝率66.7%
国内カップ戦成績:15試合/10勝1分け4敗(PK勝ち:1回)/20得点13失点
獲得タイトル:コッパ・イタリア(2019−20)

リーグ戦でも、国内カップ戦でも、上位には顔を出すがタイトルには手が届かない、いうのが近年のナポリだった。だが今季はコッパ・イタリアで6年ぶりに優勝。準決勝でインテル、決勝ではユヴェントスをPK戦の末に下して、王者の称号を手に入れた。“闘将”ジェンナーロ・ガットゥーゾ率いるナポリは全員がハードワークをこなし、チーム一丸となって戦う。たとえバルセロナが相手であっても、その姿勢は変わらないだろう。

6位 バルセロナ 勝率69.2%
国内カップ戦成績:39試合/27勝6分け6敗/102得点27失点
獲得タイトル:コパ・デル・レイ(2015−16、2016−17、2017−18)

バルセロナと国内カップ戦の相性は抜群だ。コパ・デル・レイの優勝回数(30回)、決勝進出回数(41回)は共に大会最多を誇る。しかし昨季は決勝でバレンシアに敗戦。CLでも、前年のローマ戦に続いてリヴァプールに大逆転負けを喫し、勝負弱さを露呈した。ナポリとのラウンド16セカンドレグに勝ち、準々決勝に進んだとしても、そこからはポルトガルでの一発勝負。アウェイで思うように勝てなくなっている彼らにとっては不利な条件かもしれない。

5位 チェルシー 勝率72.7%
国内カップ戦成績:44試合/32勝2分け10敗(PK勝ち:1回、PK負け:2回)/96得点38失点
獲得タイトル:FAカップ(2017−18)

バルセロナを上回る勝率を叩き出したのがチェルシー。今季のFAカップは決勝でアーセナルに敗れたものの、ここ4シーズン連続でカップ戦のファイナリストとなり、2017−18シーズンにはFAカップ、昨季はELで優勝を果たした。今季は大幅な世代交代に踏み切ったこともあり、バイエルンとのラウンド16ファーストレグは0−3の敗戦を喫したが、トーナメント戦は得意としている方だろう。

4位 ユヴェントス 勝率72.7%
国内カップ戦成績:22試合/16勝2分け3敗(PK負け:1回)/41得点15失点
獲得タイトル:コッパ・イタリア(2015−16、2016−17、2017−18)

バルセロナと同じような特徴を持つのがユヴェントスか。コッパ・イタリアでは最多優勝回数を誇り、2014−15シーズンからは4連覇を達成。しかし今季は決勝でナポリに敗れ、セリエAでも9連覇を飾ったものの、シーズン通して7つの黒星を重ねた。そのうち6敗はアウェイで記録したものであり、今大会のラウンド16ファーストレグも敵地でリヨンに完封負け(0−1)を喫している。

3位 マンチェスター・C 勝率83.7%

国内カップ戦成績:49試合/41勝1分け7敗(PK勝ち:5回)/128得点36失点
獲得タイトル:FAカップ(2018−19)、リーグカップ(2015−16、2017−18、2018−19、2019−20)

チェルシーの勝率を10%以上も上回って、勝率8割台を叩き出したのがマンチェスター・Cだ。ここ5シーズンで国内カップ戦のタイトルを5つ獲得。その間、決勝まで勝ち進めば、必ずトロフィーを手にしている。またPK戦に突入した試合もすべて勝利している。ただCLでは、2015−16シーズンのベスト4が過去最高成績。次々と立ちはだかる難敵を退けて、初のファイナル進出を果たせるだろうか。

2位 バイエルン 勝率93.1%

国内カップ戦成績:29試合/27勝2敗(PK勝ち:2回)/80得点30失点
獲得タイトル:DFBポカール(2015−16、2018−19、2019−20)

第2位にランクインしたのは、勝率90%超えを達成したバイエルン。今季はブンデスリーガで8連覇を達成。DFBポカールもここ8大会で5度の優勝を誇るなど、ドイツ国内では“一強時代”が続いている。だからこそ狙うのは、2012−13シーズン以来の欧州制覇。大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』の優勝オッズは4.33倍(日本時間7日正午現在)と、マンチェスター・Cと並ぶ一番人気だ。組み合わせに恵まれたとは言い難いが、周囲の期待は大きい。

1位 パリ・サンジェルマン 勝率95.8%

国内カップ戦成績:48試合/46勝2敗(PK勝ち:1回、PK負け:1回)/145得点27失点
獲得タイトル:クープ・ドゥ・フランス(2015−16、2016−17、2017−18、2019−20)、クープ・ドゥ・ラ・リーグ(2015−16、2016−17、2017−18、2019−20)

栄えある1位に輝いたのは、パリ・サンジェルマン。ここ5シーズンの間、国内カップ戦で敗れたゲームはわずかに2つ。しかも、そのうち1つはPK負けであり、実質的な敗戦は1試合だけと言える。まさにフランスでは敵なしの状況だが、CLになると、過去3シーズン連続でベスト16敗退。その前の4シーズンもすべて準々決勝で敗退しており、欧州制覇への道のりは遠いままだ。ガチンコ勝負の連続となる今大会で悲願達成となるだろうか。

(記事/Footmedia)

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