一発勝負は審判のジャッジもより重要に…CL準々決勝で主審を務めるのは?(後編)

一発勝負は審判のジャッジもより重要に…CL準々決勝で主審を務めるのは?(後編)

CL準々決勝を担当するダミル・スコミナ氏(左)とダニー・マッケリー氏(右) [写真]=Getty Images

 準々決勝以降、ポルトガルの首都リスボンで集中開催されるチャンピオンズリーグ(CL)。決勝までの全ラウンドがシングルレグの一発勝負で行われる。ホームもアウェイも関係なくなった今大会の残り試合において、担当する主審の存在はこれまで以上に大きな意味を持つことになるだろう。

 今回は、14日のバルセロナ対バイエルンと15日のマンチェスター・C対リヨンをそれぞれ担当する2人の主審について、知っておきたい情報を紹介する。

◆バルセロナ(スペイン)vsバイエルン(ドイツ)
主審:ダミル・スコミナ(スロベニア)

 準々決勝で最も注目を集めるのが、ともに5回の欧州制覇を誇るバルセロナとバイエルンの名門対決だろう。このビッグマッチを裁くのは、44歳のスロベニア人レフェリー、ダミル・スコミナ氏だ。

 同氏は15歳の時に審判キャリアをスタート。FIFA国際主審に認定された2003年には、ポルトガルで行われたU−17欧州選手権のレフェリーに抜擢され、準決勝を含む3試合を担当。以後、様々な国際試合で主審を務めてきた。

 昨シーズンはCL決勝トッテナム対リヴァプール(0−2)で主審を担当。2018 FIFAワールドカップ ロシアでは日本の初戦、コロンビア戦で主審を務めている。両試合に共通するのが、開始早々にPKの笛を吹いたこと。前者は開始25秒、後者は開始3分足らずの出来事だった。また、コロンビアのカルロス・サンチェスをW杯史上2番目の早さとなる2分56秒で退場させている。単なる偶然かもしれないが、バルセロナもバイエルンも立ち上がりには警戒した方がいいかもしれない。

 バルセロナはスコミナ主審の下でCL5試合を戦い、4勝1敗。唯一の敗戦となったのが2012−13シーズンの準決勝セカンドレグ・バイエルン戦だった。バイエルンはその試合を含め、スコミナ主審の担当試合は2戦2勝。相性ではバイエルンに分がありそうだ。

◆マンチェスター・C(イングランド) vs リヨン(フランス)
主審:ダニー・マッケリー(オランダ)

 準々決勝最後のゲームで主審を務めるのは、オランダ人のダニー・マッケリー氏。しかし、この決定がちょっとした波紋を呼んでいる。

 CL優勝チームには来季のグループステージ出場権が与えられるが、今大会のベスト8進出チームのうち、リヨン以外の7チームはすでに国内リーグで出場権を獲得済み。リヨンが敗退すれば、“優勝枠”は不要となり、予選プレーオフから参加予定のオランダ王者(アヤックス)が繰り上がりで本戦出場権を手にする。つまり、マッケリー氏が母国王者のために、リヨンに不利な判定をするのではないかという疑惑が持ち上がっているのだ。

 リヨンがUEFA(欧州サッカー連盟)に抗議する可能性も報じられているが、マッケリー氏自身は今回の大一番を裁くのに相応しいキャリアの持ち主である。16歳でアマチュアレベルの審判資格を取得し、史上最年少の26歳でエールディヴィジの主審デビュー。トップレフェリーに上り詰めた現在(37歳)も、警察官との兼業を続けている。

 2014年からCL本戦で笛を吹いており、準々決勝のゲームを裁くのはこれが3度目。マンチェスター・Cとリヨンの試合を担当したことは過去に1度ずつある。それぞれグループステージの試合で、マンチェスター・CはホームにボルシアMGを迎えた2015年12月の一戦で4−2の勝利。リヨンはホッフェンハイムをホームに迎えた2018年11月の一戦で、2−2の引き分けに終わっている。

 なお、2016年のFIFAクラブワールドカップ準決勝、鹿島アントラーズ対アトレティコ・ナシオナル(コロンビア)は、FIFA主催大会で初めてビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるPKが与えられた試合として記憶されているが、当時VARを担当していたのがマッケリー氏だった。同氏は2018 FIFAワールドカップ ロシアでもVARを担当している。

 コロナ禍の今年4月にはインスタグラムがハッキング被害に遭い、「マスク売ります」と発信されてしまったことも話題となったマッケリー氏。今回も試合が始まる前からメディアを賑わす格好となったが、平和に試合を終えたいと願うのが警察官の性分だろう。

(記事/Footmedia)

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