【ACLグループE展望|チェンライ・ユナイテッド】中断前とは指揮官と戦力に変化が

【ACLグループE展望|チェンライ・ユナイテッド】中断前とは指揮官と戦力に変化が

今季ACL本戦に初出場のチェンライ・ユナイテッド [写真]=Getty Images

中断前2戦は日本人監督のもとで連敗
 昨シーズン、タイリーグで初優勝を果たしたチェンライ・ユナイテッドにとって、AFCチャンピオンズリーグ本戦は初の大舞台となった。昨年末に日本人の滝雅美氏を新監督として招聘し、新体制となって1カ月強の準備で大会開幕を迎えた。

 グループステージ初戦を控えた2月2日には、昨シーズンのカップ戦覇者と対戦するタイランドチャンピオンシップで完勝。タイ代表の新星で昨シーズンのリーグ制覇にも貢献した20歳のアタッカー、エカニット・パンヤがケガで離脱中という不安材料はあったが、悪くないチーム状態でACLに臨んだ。

 初戦はアウェイでのメルボルン・ビクトリー戦。25分にPKで与えてしまった1点を守り切られ、0−1の惜敗スタートとなった。続くホームでの北京国安戦では勝ち点がほしいところだったが、初戦と同じような時間帯の23分に失点してしまう。チェンライ・ユナイテッドもシュート14本を放ったがゴールは遠く、2試合続けて0−1のスコアで連敗を喫した。

 いずれの試合でもタイ代表の主力である中盤のピティワット・スクチタマクンとシワコーン・ティアトラクンを中心にボールを動かし、アジアの舞台でも十分にやれる手ごたえを感じさせる時間帯もあった。しかし、あと一歩のところで勝ち点を得ることはできなかった。

堅守速攻で得点機を生かせるか
■試合日程(日本時間)
2月11日(火) 対 メルボルン・ビクトリー 0−1
2月18日(火) 対 北京国安 0−1
11月24日(火)22:00 対 FCソウル
11月27日(金)22:00 対 FCソウル
11月30日(月)22:00 対 メルボルン・ビクトリー
12月3日(木) 22:00 対 北京国安

 新型コロナウイルスの影響によるタイリーグの中断期間はJリーグよりも長く、9月12日にようやく再開した。リーグ連覇を目指すチェンライ・ユナイテッドは現在、8勝2分け4敗の勝ち点26で暫定2位につけているが、チームを率いてきた滝監督は契約満了により10月末で退団。ACLの再開を目前に控えて、新体制でリスタートを切っている。

 滝前監督の退団は条件面で契約が合意に至らなかったためで、決してチーム状態が悪かったわけではない。滝監督の退団後はリーグ戦3試合を戦って2勝1敗という戦績で、カタールへ出発する直前の今月18日に行われたムアントン・ユナイテッド戦は新戦力のブラジル人FWジャジャの2ゴールで2−1と勝利している。

 ACL再開後はFCソウルとの2連戦からスタートし、メルボルン・ビクトリー戦、北京国安戦と続く。経験や実績から見てもいずれも格上の相手であり、チェンライ・ユナイテッドとしては、どこまで勝ち点を積み上げられるかというチャレンジになる。

 チェンライ・ユナイテッドは、タイリーグにおいてもどちらかといえば堅守速攻型のチーム。守備からリズムを作り、ブラジル人FWコンビのジャジャとビル、エカニットといった前線のタレントが得点機を生かせるかがポイントになるだろう。

【KEY PLAYER】FW 50 ジャジャ & MF 37 エカニット

 2月に行われた2試合の時点から、戦力的に大きな変化が2つある。ブラジル人FWジャジャの加入と、タイ代表MFエカニットのケガからの復帰だ。

 ジャジャは2017年にブリーラム・ユナイテッドで34ゴール、2018年にムアントン・ユナイテッドで14ゴールと、タイリーグでの実績が豊かな190センチの大型レフティー。今シーズン、中断期間中にチェンライ・ユナイテッドに加入し、リーグ戦再開後の8試合に出場して3ゴールをマークしている。

 昨シーズンのリーグ制覇に大きく貢献したエカニットは、昨年末に負ったケガから復帰を果たしている。昨年は西野朗監督率いるタイ代表でも鮮烈なデビューを飾り、現在、タイサッカー界で最も才能ある若手の一人として注目されている。まだトップパフォーマンスは取り戻せていないが、ドリブル、パス、得点力と攻撃の才能は一級品で、持ち味を発揮できれば相手にとって脅威となる。

【MANAGER】エメルソン・ペレイラ
 滝前監督が退任し、現在、登録上の監督はアカデミーチームを指導するアロンコーン・トーンアム氏となっている。しかしこれは指導者ライセンスの問題で形式的に登録されているもので、実際にはブラジル人のエメルソン・ペレイラ氏が指揮を執っている。

 エメルソン氏は昨シーズン、リーグ優勝を果たしたチームでコーチを務めており、一度はチームを離れたが、今シーズン途中に復帰して滝監督体制下でも再びコーチとなっていた。現役時代は主に南米のクラブを渡り歩き、1998−99シーズンにプレーしたペルージャでは中田英寿とチームメイトだった。

文=本多辰成

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