【ACLグループF展望|上海申花】FC東京との2連戦は普段より攻撃的な姿勢か

【ACLグループF展望|上海申花】FC東京との2連戦は普段より攻撃的な姿勢か

FC東京と同じグループFの上海申花 [写真]=Getty Images

“訳あり”でベスト8入りした過去も
 上海申花はこれまで、AFC主催大会に10度出場しており、そのうち8度が2002年に改組されたAFCチャンピオンズリーグだ。2020年大会にも参戦するこのクラブは、記録上、中国代表として最多出場を誇っている。

 ただし過去のアジアの舞台では、中国人ファンに失望を与え続けてきた。AFC主催大会における勝率は3割ほどで、ACLでグループステージを突破したことは一度しかないのだ。

 唯一、決勝トーナメントに進出したのは2006年大会。グループを勝ち抜いて8強に入ったと言えば悪くなかったと思えるが、実際は違う。このシーズンのグループGは、上海申花、ドンタム・ロンアン(ベトナム)、ペルシプラ・ジャヤプラ(インドネシア)、PEA FC(現・ブリーラム・ユナイテッド/タイ)の4チームで争われるはずだったが、後者2チームが選手登録の期限を守れなかったという理由でAFCから除外されたのだ。残る2チームは無条件でベスト8に駒を進めたが(上海申花はドンタムに2勝)、上海申花は準々決勝で、大方の予想通り、全北現代に屈した。

 直近の2018年大会では、7年前のグループと全く同じ3チーム(鹿島アントラーズ、水原三星、シドニーFC)と対戦した。2011年大会で味わった最下位(2分け4敗)の屈辱を晴らすべく、周到な準備をして臨んだはずだったが、引き分けの数を増やしただけで(5分け1敗)、またも1勝も挙げられず、最下位に終わっている。彼らは今シーズン、2009年大会以来の白星を目指す。

大会優勝経験者のフィットネスがカギ
■試合日程(日本時間)
11月18日(水)対 パース・グローリー 2−1
11月21日(土)対 蔚山現代 1−3
11月24日(火)19:00 対 FC東京 
11月27日(金)22:00 対 FC東京 
11月30日(月)22:00 対 パース・グローリー 
12月3日(木)19:00  対 蔚山現代 

 上海申花は過去にJリーグ勢と13度対戦しているが、勝利を収めたのは2003、2004シーズンの2度のみ。FC東京とはこれが初対戦となるが、近年の歴史と今シーズンの国内での戦いぶりをふまえると、苦戦は免れないだろう。

 彼らは今シーズンの中国スーパーリーグを7位で終了している。終盤戦に負傷者が増えたことが、苦しんだ要因の一つだった。ただし、チームにはACL優勝を経験している元広州恒大のGKゼン・チェンとFWユー・ハンチャオ、元全北現代のFWキム・シンウクがおり、ACLでは彼らのフィットネスがカギを握るかもしれない(ユーのみ、すでに復帰)。なかでも長身ストライカーのキム・シンウクは、同胞でACLを2度制しているチェ・ガンヒ監督が統率するチームの戦術的なキーマンだ。守備組織の構築に定評がある韓国人指揮官のもとでは、堅守からカウンターに転じる際、この32歳のベテランFWがいるといないとでは、大きな違いとなる。

 上海申花は再開後、パース・グローリーに2−1で勝ち、蔚山現代に1−3と敗れており、どちらの試合にもキーマンのキム・シンウクとMFジョヴァンニ・モレノが不在だった。現在3位につける彼らの行方は、FC東京との2連戦に委ねられている。その状況を考慮すると、戦力が整わなくても普段より攻撃的な姿勢を打ち出してくるかもしれない。

【KEY PLAYER】MF 10 ジョヴァンニ・モレノ & MF 30 ステファーヌ・エムビア

 前述した元コロンビア代表MFモレノは、万全の状態なら腕章を巻くリーダー兼エースだが、中国スーパーリーグ・チャンピオンシップステージの重慶斯威戦で負傷し、まだ戦列に復帰できていない。

 母国のアトレティコ・ナシオナル、アルゼンチンのラシン・クラブを経て、2012年に上海申花に加入した長身MFは、今季で9シーズン目を数えるチームのアイコン的存在だ。ボールコントロールと創造性に優れ、戦況を見極める知性も備える34歳のベテランは昨年、クラブ史上通算最多得点を記録。中盤より前ならどこでもプレーできる汎用性も魅力だ。

 モレノが中盤の攻撃の核なら、守備の軸はこちらも34歳のステファーヌ・エムビアだ。元カメルーン代表のセントラルMFは、豊かな経験と強靭な肉体を利して、最終ラインの前に防波堤を築く。

【MANAGER】チェ・ガンヒ

 今シーズンの上海申花のACLでの冒険は、この韓国人指揮官の腕に委ねられている――大方の中国メディアは、そう報じている。全北現代でACLを2度制したことから、上海のファンに“皇帝”と崇められるチェ監督は、2019年途中に就任すると、同シーズンに中国FAカップを獲得し、その実績に偽りがないことを証明。今シーズンのリーグ戦では、チャンピオンシップステージで早期敗退し、7位でフィニッシュしたが、総失点は20と堅実な守備を維持した。

文=超明
翻訳=井川洋一

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