チアゴ・シウヴァがプレミアリーグ史上最高? フリー移籍で活躍した選手たち

チアゴ・シウヴァがプレミアリーグ史上最高? フリー移籍で活躍した選手たち

フリートランスファーで活躍した選手たち [写真]=Getty Images

年明け早々の1月3日、チェルシーはブラジル代表DFチアゴ・シウヴァとの契約を1年延長したことを発表した。パリ・サンジェルマン(PSG)との契約が満了した2020年夏にチェルシーに加入したT・シウヴァ。プレミアリーグ史上最高のフリートランスファー選手ではないかという呼び声も高く、37歳になった現在も、チェルシーの最終ラインの要として活躍している。

 そこで今回は、過去にフリートランスファーでプレミアリーグのクラブに加入し、結果を残した選手たちをピックアップ。T・シウヴァは評判通り、“史上最高”に認定されるだろうか。

[写真]=Getty Images

■ソル・キャンベル(2001年、トッテナム→アーセナル)



 “禁断の移籍”の代表例として常に名前が挙がるのがソル・キャンベルだ。トッテナムのアカデミーで育ち、イングランド代表のレギュラーにまで成長したセンターバック。初めての移籍先に選んだのが、ノースロンドンのライバルであるアーセナルだった。育ててくれた古巣に移籍金も残さずに“裏切り者”というレッテルを貼られながらも、アーセナルで最盛期を過ごしたキャンベル。無敗優勝を成し遂げた2003−04シーズンにはコロ・トゥレと共に最終ラインを支えた。

 アーセナルとの契約が満了した2006年にはポーツマスへ移籍したキャンベル。現役時代に4度の移籍を経験したが、移籍金は一度も発生しなかった。史上最高かどうかの議論は別にして、“ミスター・フリートランスファー”はキャンベルで差し支えないだろう。

■ジェイ・ジェイ・オコチャ(2002年、パリ・サンジェルマン→ボルトン)



 1998年にフランクフルトからPSGに、当時アフリカ人史上最高額で移籍したジェイ・ジェイ・オコチャ。その4年後、フリートランスファーで加わったのは、プレミアリーグに初残留を果たしたばかりのボルトンだった。サム・アラダイス氏の下、オコチャを加えたボルトンはここから黄金期を築くことに。イブラヒム・バやケヴィン・デイヴィスもフリーランスファーで加わった翌シーズンはプレミアリーグで8位に入り、リーグ・カップの決勝に進出した。

 2004−05シーズンはクラブ史上最高位である6位フィニッシュを飾り、同年のクラブ年間最優秀選手に選ばれたオコチャ。中田英寿がフィオレンティーナからローン加入した2005−06シーズンも8位の好順位で終えると、カタールSCへ移籍した。現在は3部で戦うボルトンが、最も輝いた時代の中心選手の一人として語り継がれている。

■ミヒャエル・バラック(2006年、バイエルン→チェルシー)



 2006年ワールドカップの直前、チェルシーはバイエルンとの契約が満了となるミヒャエル・バラックの獲得を発表した。29歳だった当時、最も完成されたMFと評価されていたドイツ代表の加入は、フランク・ランパードの得点力を抑制するのではという懸念の声も出ていた。しかしバイエルンに所属した4年間でブンデスリーガを3度制し、ドイツ年間最優秀選手にも3度輝いたバラックは、ランパードと完璧に共存。4年間で142試合も同時にピッチに立ち、チームに5つの主要タイトルをもたらした。

 チェルシーに加入する前は、マンチェスター・Uからも誘いがあったと報じられていたバラック。2020年のインタビューで「あの時のマンチェスター・Uは以前ほどのチームではなかった。彼らは歴史ある素晴らしいクラブだけど、チェルシーには大きな野心があった」とチェルシーを選んだ理由を明かしている

■ジェイムズ・ミルナー(2015年、マンチェスター・C→リヴァプール)



 今季限りでリヴァプールとの契約が満了となるジェイムズ・ミルナーがアンフィールドにやって来たのは2015年の夏。当時29歳のミルナーは、マンチェスター・Cから新契約を提示されながら、「レギュラーの座」と「セントラルMFでのプレー」を求めて移籍を決断。ブレンダン・ロジャーズ当時監督からすぐに副キャプテンに任命され、クロップ監督からも絶大な信頼を勝ち取った。今ではセントラルMFへのこだわりも捨て、サイドバックとして起用されることもある“ミスター・リライアブル”。

 2019年12月にはクロップ監督と同日に新契約を結ぶと、「監督は僕がサインをするかどうかを待ってから自分の契約書にサインをしたかったんじゃないかな!」と茶目っ気たっぷりに答えていたが、その可能性もなきにしもあらず。先月のマッチデープログラムで、クロップ監督は「彼は私が就任して以来、ずっとここにいた。彼がいない状況を想像できない」とミルナーへの思いを綴っている。2月16日のCLインテル戦でキャリア通算800試合出場という偉業を達成したミルナーの姿は、来季もアンフィールドで見ることができるだろうか。

■ズラタン・イブラヒモヴィッチ(2016年、パリ・サンジェルマン→マンチェスター・U)



 2016年の夏、PSGとの契約満了を迎えるズラタン・イブラヒモヴィッチの去就は注目の的だった。当時34歳のスウェーデン代表FWは、インテル時代にも師弟関係にあったジョゼ・モウリーニョ氏の率いるマンチェスター・Uを選択。デビュー戦となったコミュニティー・シールドのレスター戦で挨拶代わりの決勝点を決め、健在ぶりをアピールした。1年目の公式戦で決めたゴールの数は、チーム最多の「28」。翌シーズンはケガで離脱期間が続いたイブラヒモヴィッチは、シーズン途中に契約を解除し、LAギャラクシーへ移籍した

 MLS(アメリカ1部)でも2年間で58試合に出場し、53ゴールという驚異的な数字を残したイブラヒモヴィッチは、2020年1月に古巣の一つであるミランに復帰。現在はアキレス腱の問題で戦列を離れているが、40歳になった現在も第一線から退くことは頭にないようだ。

■チアゴ・シウヴァ(2020年、パリ・サンジェルマン→チェルシー)



 “史上最高のフリーエージェント”という称号には異論が出るかもしれないが、期待値を遥かに上回っていることを否定する声はないだろう。2020年8月にPSGを退団したチアゴ・シウヴァをチェルシーが獲得したと発表した時、同選手がCL優勝チームの最終ラインの要になると予想した人は少なかったはずだ。フランク・ランパード前監督の下ではクル・ズマとCBでコンビを組み、トーマス・トゥヘル監督が就任した後はスリーバックの一角、あるいはアントニオ・リュディガーと4バックの中を固めるT・シウヴァ。今シーズンは昨季以上の安定感を見せ、ここまで公式戦31試合に出場。1月にクラブとの契約を1年延長した。

 37歳にしてさらなる進化を見せるT・シウヴァを、トゥヘル監督は映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の主人公で、年齢を重ねるほどに若返るベンジャミン・バトンになぞらえ、“チアゴ・バトン”と称賛。「彼のコンディション維持、リカバリー、睡眠、栄養管理の努力は際立っている。新契約はこうした努力がなければあり得なかった」と本人の努力が契約につながったことを高く評価した。昨年10月にはブラジル代表100キャップを達成したT・シウヴァ。若手選手に与える影響力を考えても、“お得すぎる”補強であったことは間違いないだろう。

(記事/Footmedia)

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