ミッチェルとグエイも続けるか…クリスタル・パレスが輩出したイングランド代表戦士たち

ミッチェルとグエイも続けるか…クリスタル・パレスが輩出したイングランド代表戦士たち

クリスタル・パレスに所属するミッチェル(左)とグエイ(右) [写真]=Getty Images

3月の代表ウィークに行われる親善試合2試合に向けて、クリスタル・パレスのDFタイリック・ミッチェルがイングランド代表から初招集を受けた。

 26日にスイス代表、29日にコートジボワール代表とウェンブリー・スタジアムで対戦するイングランド代表は、17日に発表された招集メンバーから、GKアーロン・ラムズデール、DFトレント・アレクサンダー・アーノルド、DFリース・ジェームズ、FWタミー・アブラハムが離脱。これを受け、同代表のギャレス・サウスゲート監督は、GKサム・ジョンストン、FWオリー・ワトキンス、DFカイル・ウォーカー・ピータースとともに、ミッチェルを追加招集した。

 昨シーズンの終盤からクリスタル・パレスで左サイドバックの定位置を獲得した22歳のミッチェル。世代別代表でもプレーをした経験がなく、正真正銘、今回がイングランド代表への初参加となる。なお、クリスタル・パレスからは11月に代表デビューを果たした22歳のMFコナー・ギャラガーに加え、21歳のDFマーク・グエイも招集されている。

 コートジボワールのアビジャンで生まれたグエイは、ユースから所属していたチェルシーのトップチームで出場機会に恵まれず、昨年夏にクリスタル・パレスに加入した。A代表参加は今回が初めてだが、世代別代表での経験は豊富。2017年に開催されたU−17ワールドカップでは全7試合に先発出場。決勝スペイン戦ではゴールも決めて、イングランドの大会制覇に貢献した。

 若手3選手の出場に期待がかかるクリスタル・パレスだが、21世紀になってから同クラブの選手としてイングランド代表でプレーをした選手はわずか5人しかいない。そこで今回は、2001年以降にクリスタル・パレスが“スリーライオンズ”に輩出した全5選手を紹介する。グエイとミッチェルもリストに名前を加え、クリスタル・パレスの歴史に色を添えることができるだろうか。

※カッコ内は(ポジション/年齢/イングランド代表キャップ数)

■FWアンディ・ジョンソン(FW/41歳/8)

 クリスタル・パレスが輩出した今世紀初のイングランド代表戦士は、アンディ・ジョンソンだった。2002年夏にプレミアリーグに昇格したバーミンガムから、当時2部のクリスタル・パレスへ放出されたジョンソン。1シーズン目から二桁得点を達成すると、翌2003−04シーズンは2部リーグの得点王に輝き、クラブをプレミアリーグの舞台に導いた。チームが7年ぶりのトップリーグに苦戦する中、孤軍奮闘を続けたジョンソン。2005年2月にスヴェン・ゴラン・エリクソン当時代表監督から招集を受け、オランダとの親善試合で代表デビュー。同年5月の親善試合アメリカ戦で初スタメンを飾った。

 2004−05シーズンのクリスタル・パレスは降格を免れることはできなかったが、ジョンソンはイングランド人最多の21ゴールを記録。翌年のワールドカップでは、2部リーグの選手ながら予備メンバーに登録された。その後、移籍先のエヴァートンの選手として6キャップを追加したジョンソン。キャリアの晩年はフルアム、QPRとロンドンのクラブを渡り歩き、2014年に短期契約でクリスタル・パレスに復帰。翌年1月に現役を退いている。

■ウィルフレッド・ザハ(FW/29歳/2)

 現在はコートジボワール代表としてプレーをするウィルフレッド・ザハだが、10年前まではイングランド代表選手だった。グエイと同じくコートジボワールのアビジャンで生まれ、幼少期にロンドンに移住。12歳でクリスタル・パレスの下部組織に加入したザハは、17歳の時にトップチームでデビューを飾った。2012年11月、2部リーグの選手ながら負傷離脱したウェイン・ルーニーの代わりに追加招集されたザハ。スウェーデンとの親善試合でイングランド代表初キャップを取得した2カ月後にはマンチェスター・Uに移籍した。アレックス・ファーガソン政権が最後に獲得した選手として期待され、2013年8月にはマンチェスター・Uの選手としてイングランド代表で2度目のプレーを果たしたが、その後はイングランド代表から声がかからなかった。

 2014年にクリスタル・パレスに戻って来たザハは、2016年11月に、コートジボワール代表でプレーをすることを決断。サウスゲート監督は、代表変更を思いとどまるように説得を試みたというが、クラブのオーナー、スティーヴ・パリシュ氏は「イングランド代表全体がウィルフレッドに愛を与えなかった。彼は声がかかるのを待ち望んでいた」とFAを非難した。奇しくもイングランド代表の時と同じくスウェーデンとの親善試合で生まれ故郷の代表として2017年1月に初キャップを取得したザハ。コートジボワール代表キャップは既に20を超えている。

■アンドロス・タウンゼント(FW/30歳/13)

 クリスタル・パレスで名を上げ、ステップアップをした他の選手たちとは異なり、アンドロス・タウンゼントはイングランド代表選手としてセルハースト・パークにやって来た。トッテナムのトップチームでレギュラーの座を獲得していた2013年10月に、ワールドカップ予選モンテネグロ戦でイングランド代表デビューを果たし、初ゴールも記録したタウンゼント。2014年のワールドカップ本戦は負傷で参加を逃すと、同年にトッテナムの監督に就任したマウリシオ・ポチェッティーノ氏の下で構想外に。イングランド代表からも遠ざかることになった。

 2016年1月にニューカッスルへ移籍し、出場機会を得ることでコンディションを取り戻したタウンゼント。マグパイズを降格から救うことはできなかったが、シーズン終了後にはイングランド代表復帰と、クリスタル・パレスへの移籍を入手。イーグルスの選手として、2016年10月のワールドカップ予選スロベニア戦と、同11月の親善試合スペイン戦に出場し、キャップ数を増やすことに成功した。昨年夏に移籍したエヴァートンでは、フランク・ランパード監督の就任後ベンチを温める時間が増えている。30歳の“元イングランド代表”はキャリアを再上昇させることができるだろうか。

■ルベン・ロフタス・チーク(MF/26歳/10)

 クリスタル・パレスで過ごした1年間が、ルベン・ロフタス・チークの人生を変えたと言っても過言ではないだろう。8歳から所属するチェルシーで、2014年にトップチームでデビューを飾り、翌シーズンはプレミアリーグで13試合に出場したロフタス・チーク。アントニオ・コンテ氏が監督に就任した2016−17シーズンは出場機会が減少し、翌年はクリスタル・パレスへローン移籍。ロイ・ホジソン当時監督の手引きで真骨頂を発揮すると、2017年11月にクリスタル・パレスの選手として、サウスゲート監督から初招集を受けた。元イングランド代表監督でもあるホジソン氏からは「楽しんで来い。そしてなぜ代表に呼ばれたかを見せつけろ」という温かいエールで送り出されたそうだ。

 代表デビューとなった親善試合ドイツ戦でマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれたロフタス・チークは、ローン先での活躍が評価されて2018年ワールドカップにも参加。3位決定戦を含めて4試合でピッチに立った。その後はアキレス腱断裂による長期離脱もあり、3年以上もイングランド代表から遠ざかっている大型MFだが、今季はチェルシーで中盤だけでなく最終ラインでも起用されるなど、プレーの幅を広げている。26歳という年齢を考えても、代表復帰の可能性は十分に残されているはずだ。

■MFコナー・ギャラガー(MF/22歳/1)

 ロフタス・チークと同様に、チェルシーからクリスタル・パレスへローン移籍中にイングランド代表でデビューしたのがコナー・ギャラガーだ。8歳から所属するチェルシーのトップチームではまだ一度もピッチに立ったことさえない。しかし2019−20シーズンはチャンピオンシップのチャールトンとスウォンジー、翌シーズンは当時プレミアリーグのウェスト・ブロムウィッチへのローン移籍で経験を積み重ねた。今季は4つ目のローン移籍先となるクリスタル・パレスですぐにパトリック・ヴィエラ監督の信頼を掴んだギャラガー。昨年11月11日にU−21代表としてチェコとのU−21欧州選手権予選を戦った3日後に急遽、離脱選手が続出したA代表に加わることに。その翌日に適地で行われたサン・マリノ戦で後半45分間プレーをしたギャラガーは、イングランド代表が10−0で勝利を収め、ワールドカップ出場権を獲得した瞬間をピッチで迎えた。

 今回も招集メンバー入りを果たしたギャラガーを、チェルシーは将来の主力候補として期待している。今季はトップチーム入り目前だったが、「テクニカル&パフォーマンスアドバイザー」のペトル・ツェフ氏によれば、「チェルシーの核となる選手になってもらいたいと思っているからローンに出てプレーをする方が良いと考えた」とのこと。またツェフ氏は、代表デビューは「クリスタル・パレスに行って試合に出ていなければ起こらなかっただろう」と分析しており、ローン移籍のプラス効果を実感しているようだ。

(記事/Footmedia)

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