CLに愛されたクラブと監督の頂上決戦…CL決勝について知っておきたいデータ

CLに愛されたクラブと監督の頂上決戦…CL決勝について知っておきたいデータ

今季のCL決勝はリヴァプールとレアル・マドリードが対戦する [写真]=Getty Images

今月28日にフランスのパリで開かれるチャンピオンズリーグ(CL)決勝まで1週間を切った。というわけで、今シーズンのCL決勝について知っておきたいデータをおさらいしよう。

 今シーズンの決勝のカードはリヴァプール対レアル・マドリード。レアルが13度目の欧州制覇を成し遂げた2018年のファイナルの再現となる。チャンピオンズカップ時代を含め、彼らが対戦するのは9回目。過去8戦の対戦成績はレアルが4勝1分3敗で一歩リードしている。直近の対戦は昨シーズンのCL準々決勝で、その時は2戦合計3−1で“白い巨人”に軍配が上がった。

 両チームが決勝で対戦するのは3度目のこと。4年前のファイナルでは、リヴァプールのGKロリス・カリウスのスローイングをFWカリム・ベンゼマがブロックすると、そのままゴールに吸い込まれて思わぬ形でレアルが先制。リヴァプールもすぐに同点に追いついたが、60分過ぎに投入されたギャレス・ベイルが完璧なバイシクルシュートを含む2ゴールを奪い、3−1でレアルが頂点に立った。その試合では、前半にDFセルヒオ・ラモスが危険な“投げ技”でFWモハメド・サラーの肩を脱臼させたことも物議を醸しだした。

 一方で1981年のファイナルでの対戦では、左サイドバックのアラン・ケネディが試合唯一のゴールを決めてリヴァプールが通算3度目の欧州制覇を果たした。その時の会場がパリのパルク・デ・プランスだった。今年の決勝は、そこから12kmの位置にあるパリ郊外のスタッド・ド・フランスで開かれる。ちなみにスタッド・ド・フランスでのCL決勝は今回で3度目だが、過去に2回はどちらもスペイン勢が頂点に立っている(2000年のレアル、2006年のバルセロナ)。

 レアルは歴代最多17回目のチャンピオンズ決勝に臨む。ファイナルでの成績は13勝3敗で、勝率は実に80%以上を誇る。これは、3回以上の決勝を経験しているクラブの中で最高の勝率だ。3敗のうちの1つが1981年のリヴァプール戦である(他は1962年ベンフィカ戦、1964年インテル戦)。それ以降は決勝で負けておらず、レアルはCL決勝で現在7連勝を誇っているのだ。1992年に大会がチャンピオンズリーグに刷新されて以降、決勝では全勝していることになる!

 ファイナルでレアルに次ぐ勝率を誇るのがリヴァプールだ(決勝進出3回以上のクラブに限る)。過去9回も決勝の舞台に立ち、6勝3敗で勝率は67%(アヤックスと同率)。リヴァプールの3敗は、2018年のレアル戦、2007年のミラン戦、1985年のユヴェントス戦だ。そして2007年のファイナルでミランを率いていたのが、現在レアルの監督を務めるカルロ・アンチェロッティなのだ。

 アンチェロッティは、ミラン時代に2度優勝(2003、2007)し、レアルでも2014年にCLを制して計3度の欧州制覇を誇る。チャンピオンズ優勝3回はジネディーヌ・ジダン(レアルで3連覇)、ボブ・ペイズリー(リヴァプールで3回優勝)に並び歴代最多タイ。今回、頂点に上り詰めれば単独最多記録となる。こうして監督別の優勝回数を見ると、レアルとリヴァプールを率いることが欧州制覇3回以上の条件になっているようだ!

 そのアンチェロッティは、リヴァプールとの因縁が深い。2005年のCL決勝ではミランを率いてリヴァプールを相手に前半のうちに3点のリードを奪うも、後半に追いつかれてPK戦の末に敗れた。歴代最高の決勝とも呼ばれる“イスタンブールの奇跡”だ。その2年後、再び決勝でリヴァプールと対戦し、その時は見事にミランを頂点に導いてリベンジを果たした。それだけではなく、ローマの選手だった1984年にもチャンピオンズ決勝でリヴァプールとぶつかっている。残念ながらアンチェロッティは膝の怪我で出場できず、チームもPK戦の末に惜敗。ピッチの外から決勝を見守ったアンチェロッティは「悲しい思い出しかない」と振り返ったことがある。

 さらにアンチェロッティは、2019年12月から昨年6月までリヴァプールの地元のライバルであるエヴァートンを率いていた。アンチェロッティがイタリア勢以外で最も対戦経験が多いトップ3は、アトレティコ・マドリード(19戦)マンチェスター・U(18戦)、そしてリヴァプール(16戦)なのだ。リヴァプール戦は、16試合で8勝3分5敗と勝ち越している。

 エヴァートンの監督に就任した際も「ファンは私のリヴァプール戦での戦績を知っており、満足しているはずさ」と語っていた。その言葉通り、エヴァートンの指揮官としてもリヴァプール戦で抜群の勝負強さを発揮した。2020年のFAカップでは敗れたが、プレミアリーグで対戦した3試合は「1勝2分0敗」! そこからほとんど戦力が変わっていない今シーズン、エヴァートンはリヴァプールを相手に1−4と0−2で敗れ、チームも残留争いに巻き込まれて下位に低迷。昨季までチームを率いていたアンチェロッティの手腕が改めて評価されている。

 リヴァプールで一時代を築いているクロップも、アンチェロッティとの対戦は分が悪い。クロップは、ペップ・グアルディオラに勝ち越している数少ない監督の一人だが、アンチェロッティとの対戦成績は10試合で3勝3分4敗と負け越している。ドルトムント時代の2013−14シーズンのCL準々決勝ではアンチェロッティのレアルと対戦して計2−3の敗戦。そのシーズン、結局レアルが頂点に上り詰めた。さらにクロップはリヴァプールに来てからも、アンチェロッティが率いるナポリに1勝1分2敗。そして前述通り、アンチェロッティのエヴァートンには1勝2分1敗と苦しんだ。

 クロップは自らを「準決勝の世界記録保持者」と呼ぶように準決勝は素晴らしい成績を残しているが、これまで決勝戦は苦しんできた。ドルトムント時代から数え、クロップが主要大会の決勝に進むのは今回で12回目。ドルトムント時代に2013年のCL決勝でバイエルンに敗れてから、レアルの前に涙をのんだ2018年のCL決勝まで、主要大会のファイナルで「6連敗」という苦い経験をした。しかし、それ以降は2019年のCL決勝のトッテナム戦(2−0勝)を皮切りにファイナルで4連勝中である。

 今シーズンもクロップは、前人未到の「4冠」こそ逃したが、既にリーグカップとFAカップを制しており、CL決勝では“カップ・トレブル”を目指すことになる。対するアンチェロッティは、今季既に前人未到の快挙を達成している。レアルをラ・リーガの頂点に導き、これで欧州5大リーグを全て制した初めての監督となったのだ!

 そしてアンチェロッティは歴代最多5度目のCL決勝に臨む。一方クロップも、アンチェロッティに次いで歴代2位タイとなる4度目のCL決勝に挑むわけだ。

 そう考えると今回のファイナルは、CLに愛されたクラブ同士、監督同士の頂上決戦という構図になるようだ。

(記事/Footmedia)

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