“ゴールキーパー大国”のブンデスリーガで偉大な記録を生む守護神たち

“ゴールキーパー大国”のブンデスリーガで偉大な記録を生む守護神たち

ブンデスリーガで活躍する守護神たち [写真]=Getty Images

今シーズンのブンデスリーガで最高のゴールキーパーは誰なのか? “キーパー大国”であるドイツで堅守を誇る守護神たちを見てみよう。

 今シーズンのブンデスリーガでは、あるデータが話題となっている。それはボルシアMGのスイス代表GKヤン・ゾマー(33歳)が達成した記録である。ゾマーは8月27日に行われたブンデスリーガ第4節のバイエルン戦でファインセーブを連発。83分にレロイ・サネに同点ゴールを許したものの、それ以外はゴールに鍵をかけて1-1のドローに貢献した。



 ゾマーはバイエルンの猛攻を一人で凌いだのだ。計35本ものシュートの雨を浴び、そのうち20本が枠内に飛んできた。それでもゾマーはわずか1失点に凌いでおり、19本ものシュートを止めたことになる。この19セーブというのは、ブンデスリーガがセーブ数を集計するようになって以降で1試合におけるリーグ記録なのだ。今年1月にGKアレクサンダー・シュヴォロウ(当時ヘルタ・ベルリン)がバイエルン戦で打ち立てた記録(14本)を大幅に更新したのである。

「試合前からたくさんシュートを打たれることは分かっていた。バイエルンを完全に封じることなどできないからね。その時のためにキーパーがいるのさ!」とゾマーは試合後に『bundesliga.com』のインタビューで笑って見せた。一方で、35本もシュートを放ちながら勝ちきれなかったバイエルンの選手たちは当惑。「なぜ勝てなかったのか誰にも説明できない」とドイツ代表MFジョシュア・キミッヒが首を傾げれば、FWトーマス・ミュラーも「この内容で1-1だってさ」と呆れかえった。

 しかし、ゾマーが好セーブを連発するのは今季に始まったことではない。彼はブンデスリーガを代表するGKで、とりわけバイエルン戦ではいつも以上に攻守が光る。昨シーズンも、カップ戦を含めて3度の対戦で「8本」「8本」「5本」とセーブを連発してバイエルンを相手に「2勝1分け0敗」の成績を残した。有名な話だが、近年グラートバッハはバイエルンの“天敵”と呼ばれている。2014-15シーズンから数え、ブンデスリーガでのバイエルン戦は「7勝4分け6敗」。同期間で唯一、バイエルンを相手に勝ち越しているチームなのだ! そして、彼らが王者を相手に好成績を残せている理由の1つが、2014年から所属する守護神の好守であることは言うまでもない。

 チームメイトのアメリカ代表DFジョゼフ・スカリーも、19本ものセーブを披露した正GKについて『bundesliga.com』で力説した。「彼は毎週のようにチームを救ってくれる。DFラインに大きな自信を与えてくれる。信じられない選手さ。彼は世界一のキーパーだよ」

 確かにゾマーは世界的なゴールキーパーだが、ブンデスリーガにはまだまだ一流のGKがいる。例えば、世界一と称賛されたゾマーが「世界有数」と認めるキーパーもいるのだ。それが王者バイエルンのゴールマウスを守るドイツ代表のマヌエル・ノイアー(36歳)である。「何年も、世界No.1の一人という称号をほしいままにしている」と、ゾマーはブンデスリーガ公式HPのインタビューでノイアーについて語ったことがある。「彼は長年、最高峰のレベルに君臨している。質も高く、足元もうまい。そして、ずっと安定感を保っている。それが何より凄いんだ」



 確かにノイアーは“安定感”と“長期政権”という部分では群を抜いている。ノイアーは、現役選手でブンデスリーガ最多となる471試合に出場(歴代18位)。そしてブンデスリーガ歴代最多となる216回のクリーンシート(無失点試合)を誇るのだ。「45.9%」の確率でクリーンシートを達成している計算になる。歴代2位のクリーンシート数を誇るオリヴァー・カーン氏の確率(36.6%)と比較すると、どれだけノイアーが傑出しているか分かるはずだ。

 しかし、ここ数年間に限定すれば、ノイアーの安定感に匹敵するキーパーがいるそうだ。リーグ公式HPによると、2018-19シーズンから昨季までの過去4シーズンに限ると、クリーンシート数で1位に立つのはノイアーではないそうだ。ノイアーは120試合でクリーンシート「45回」。これに対し、ライプツィヒのGKペーテル・グラーチは131試合で「51回」のクリーンシートを達成しているという。さらに同期間でバイエルンが「145失点」を喫したのに対し、ライプツィヒはリーグ最少の「135失点」だったそうだ。2016年からライプツィヒの守護神に君臨する32歳のGKグラーチも、リーグを代表する名キーパーと呼べるのだ。

 また、今季ここまで素晴らしい成績で首位に立っているフライブルクの守護神も高評価に値する。今年3月にオランダ代表デビューを果たしたGKマルク・フレッケン(29歳)は、今季ここまで5試合でリーグ最多タイとなる3回のクリーンシートを達成。昨シーズンは、112本のシュートを防いでセーブ率は「72.7%」でリーグ最高だった。今季も「78%」と高いセーブ率を誇っている。

 そして、もちろんゾマーもいる。セーブ率を見ると、今季ここまで「84.8%」で断トツ1位に立っているのだ。さらにシュートセーブ数を見ると、ゾマーは2019-20シーズンと2021-22シーズンに同部門でリーグ1位に立っており、今シーズンもここまで2位(30本)につけている。

 そのゾマーを抑えて、今シーズンのセーブ数1位に立っているのが、ボーフムのGKマヌエル・リーマンである。ここまで5戦全敗で最下位に沈んでいるボーフムは、当然ながら打たれたシュート数もリーグ1位。そのためセーブ数が1位なのは当然かもしれないが、36本のセーブのうち、実に2本がPKを止めたもの。PKストップ数でも今季リーグ1位に立っているのである。今月9日に34歳の誕生日を迎えるリーマンは、これまでプロキャリアで81本のPKのうち実に28本も止めているという(セーブ率は驚異の35%!)。



 ちなみに、現役選手でブンデスリーガでのPK最多ストップ数を誇るのは、ヴォルフスブルクのベルギー代表GKクーン・カステールス(30歳)で、今季の1本を含めて通算12本もPKを止めている。



 こんな偉大なGKたちがゴールマウスを守るのに、ブンデスリーガは昨季の欧州5大リーグで1試合平均最多ゴールが飛び交ったリーグだという…サッカーとは本当に奥が深いスポーツだ!

(記事/Footmedia)

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