セルティックの“日本人会”か、それとも“英国キラー”の鎌田大地か…注目の一戦をプレビュー

セルティックの“日本人会”か、それとも“英国キラー”の鎌田大地か…注目の一戦をプレビュー

セルティックの“日本人会”か、それとも“英国キラー”の鎌田大地か…注目の一戦をプレビューの画像

日本のファンにとってチャンピオンズリーグ(CL)第2節の注目カードと言えば、やはり日本人対決が予想される一戦だろう。それでは、現地時間の4日(水)20時キックオフの『セルティック対ラツィオ』の試合をプレビューしよう。

[写真]=Getty Images
 
■日本人対決



 CLの舞台で初めて日本人対決が実現したのは今から12年前の2011年4月。長友佑都を擁するインテルと内田篤人のシャルケが準々決勝で対戦し、日本代表サイドバック同士のマッチアップに注目が集まった。結局、試合は2戦合計7-3でシャルケに軍配が上がり、ホーム&アウェイの2試合ともフル出場した内田篤人はクラブ史上初のベスト4進出に貢献した。
 
 その後も2020年には長友佑都と酒井宏樹を擁するマルセイユが中島翔哉のポルトと対戦するなど、日本人対決が見られてきた。そして再び、欧州最高峰の舞台で日本人が激突しようとしている。
 
 セルティックでは絶対的エースのFW古橋亨梧を筆頭に、主軸に定着している前田大然や旗手怜央がピッチに立つだろう。CLの登録メンバーから外れている小林友希は出られないが、第1節のフェイエノールト戦で途中出場してCLデビューを果たした岩田智輝も起用される可能性がある。対するラツィオでは今季から同チームに所属するMF鎌田大地がピッチに立ってくれるはずだ。国内リーグ戦では先週末のミラン戦で3試合ぶりに出場を果たしており、セルティック・パークでの一戦でも出場機会を得るはずだ。
 
 なぜなら、国内リーグで16位と不振に喘ぐチームに必要なのは日本のゲームメイカーなのだ。何より、鎌田大地には欧州カップ戦での圧倒的な経験と実績がある。フランクフルト時代にはヨーロッパリーグ(EL)で通算23試合11ゴールという数字を残し、2021-22シーズンにはチームを優勝に導いている。さらに昨季はCLでも8試合に出場して3ゴールを奪っているのだ。
 
 そして鎌田大地は“英国キラー”でもあるのだ。ELではアーセナル戦(2得点)とウェストハム戦(1得点)、CLではトッテナム戦(1得点)でゴールを奪っており、イングランド勢との対戦では必ずネットを揺らしている。しかも、全てアウェイゲームでの得点だ。それだけではない。スコットランド勢との唯一の対戦でもシュートを決めている。
 
 2022年5月のEL決勝のレンジャーズ戦、1-1のままPK戦に突入した試合で鎌田大地はチームの4人目のキッカーを任されると、豪快なシュートを蹴り込んでガッツポーズをして見せた。このように、鎌田大地は英国勢との対戦では偶然とは考えにくいほど必ずネットを揺らしている。あの体の強さと冷静さは、カルチョよりも英国フットボールでこそ活きるのかもしれない…。
 
 一方、そろそろCLの舞台でゴールが欲しいのは古橋亨梧だろう。昨シーズンのスコティッシュ・プレミアシップで27ゴールを叩き出して得点王とMVPに輝いた点取り屋だが、CLではゴールが遠い。昨シーズンはグループステージ全6試合に出場してノーゴール。シュート数だけを見れば、3得点の鎌田大地(9本)を上回る11本もシュートを放っていたがネットを揺らせず、今季初戦のフェイエノールト戦でも不発に終わっている。しかし、普段のリーグ戦で見せている高い決定力を考えると、そろそろCLでもゴールが生まれて良いだろう。ちなみに現在セルティックに所属する日本人は、まだ誰もCLでゴールを奪えていない。
 
■セルティックの苦悩

 
 今季セリエAで不振に喘ぐラツィオだが、CLグループステージでは“負けないチーム”として知られている。第1節のアトレティコ・マドリード戦では先制されながらも後半追加タイム5分にGKイヴァン・プロヴェデルがヘディングシュートを決めて劇的な形で引き分けに持ち込んだ。そんな粘り強さを見せるラツィオは、CLグループステージでは最近7試合に負けていないのだ(2勝5分け0敗)。
 
 一方、セルティックは国内リーグとCLのレベルの差に苦しみ続けている。国内リーグでは圧倒的な強さを誇るも、CLでは全く結果を出せておらず、昨季は1勝もできずにグループステージで敗退した。彼らが最後にCLグループステージで勝利を収めたのは6年前。2017年9月の敵地でのアンデルレヒト戦で3-0の勝利を収めて以降は、11試合未勝利が続いているのだ(0勝2分け9敗)。それどころか、CLでは最近22試合で見てもわずかに1勝(5分け16敗)と苦しんでいる。
 
 前回の勝利時にチームを率いていたのが、今オフに再びセルティックに戻ってきたブレンダン・ロジャーズ監督だ。そう聞くと、頼もしい監督が戻ってきたと思えるが、そうとは限らない。ロジャーズ監督がセルティック時代にCLで勝利したのは前述のアンデルレヒト戦だけ。さらに同指揮官は2014-15シーズンにリヴァプールを率いてCLに出場しているが、その時もわずか1勝でグループステージ敗退を強いられた。
 
 ロジャーズ監督はこれまでCL本選で19試合を指揮して「2勝5分け12敗」と散々な成績。データ会社『Opta』によると、これまでCLで20試合以上を指揮した監督(87名)は、例外なく3勝以上は挙げているという。ということは、もしこの試合で勝利を逃すと、ロジャーズ監督は史上初の20試合で2勝というワースト記録を打ち立ててしまうのだ。
 
■規律問題


 
 不名誉な記録を免れるためには“複数”の退場者を出さないことが絶対条件だろう。セルティックは今季のCL第1節のフェイエノールト戦で途中まで互角に渡り合いながらも2人の退場者を出して自滅し、0-2で涙を呑んだ。彼らは、その4日後の国内リーグ戦でも退場者を出すことに。その時は退場者が1名だったこともあり、3-0で勝つことができた。その試合でチームを勝利に導いたのは、無尽蔵のスタミナで走り回り、後半追加タイム4分に今季初ゴールを決めたFW前田大然だ。
 
「マエダがいれば10人ではない」とロジャーズ監督が称えた精力的なアタッカーは「疲れたかって? いいえ。全くです。もし延長戦があっても、まだまだ走れました!」と語って現地メディアを驚かせた。どんな逆境でも自慢のスピードとスタミナでチームに推進力をもたらしてくれる前田大然は「勤勉さ」「献身性」を愛して止まないスコットランドの国民性にぴったりだ。得点数こそ少し物足りないが、それを補ってなお余りある魅力を持つ。
 
 スコットランド紙『Daily Record』も前田大然の走力について、こんな冗談を綴っている。「電気代が高騰している時代なので、セルティックの首脳陣は節約するために前田大然を発電機の上に乗せるかもね。彼ならば、セルティック・パークの照明を2035年のクリスマスまで光らせることができるだろう!」
 
 さてさて、果たして欧州最高峰の舞台で再び日本人対決が実現するのか? そして“英国キラー”がネットを揺らすのか? それともセルティックの日本人連合が初ゴールを決めるのか? そんな見どころ満載の『セルティック対ラツィオ』の一戦に注目したい。

※鎌田大地は4日に発表された日本代表から“コンディション不良”が原因で選出外となっている

(記事/Footmedia)

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?