14歳でプロデビューを果たした元祖“神童”フレディ・アドゥは今どうしてる?

14歳でプロデビューを果たした元祖“神童”フレディ・アドゥは今どうしてる?

2004年に14歳でプロデビューを果たしたアドゥは世界中の注目集めた [写真]=Getty Images

 つい先日、わずか13歳のコートジボワール人FWカラモコ・デンベレが、セルティックのU-20チームに“飛び級”で参加してピッチに立ち、現地スコットランドで大きな話題を集めた。

 時を同じくして日本でも、バルセロナのカンテラで育ち、現在はFC東京U-18に所属する15歳のMF久保建英が2種登録でトップチームに登録されることが発表された。まずはJ3のFC東京U-23でのデビューを目指すが、「中学生Jリーガー」の誕生は、こちらも話題をさらった。

 こうした10代の若き才能が世を騒がせると、必ずといっていいほど“ある選手”の存在が引き合いに出される。それがアメリカの「元神童」フレディ・アドゥだ。

 アドゥは14歳でMLSのDCユナイテッドとプロ契約を交わし、アメリカ史上最年少のプロアスリートになった。2004年にはMLSの最年少デビュー記録を打ち立て、06年には同国史上最年少の16歳234日で代表デビューも飾った。当時は世界中が「ネクスト・ペレ」と騒ぎ、母国ではそのペレとCMで共演も果たした早熟のスターである。

 だが、17歳でレアル・ソルトレイクからベンフィカに移籍して以降、サッカーのトップシーンで彼の名が聞かれたことはない。衝撃のデビューから12年、ベンフィカからモナコ(フランス)、ベレネンセス(ポルトガル)、アリス・テッサロニキ(ギリシャ)、リゼスポル(トルコ)と期限付き移籍を繰り返した。フィラデルフィア・ユニオンに移籍して母国に復帰するも大きな転機にならず、その後はバイーア(ブラジル)、ヤゴディナ(セルビア)、KuPS(フィンランド)と渡り歩いたが、いずれも1年持たずに退団を余儀なくされた。

 そうして、気付けば27歳になった。アドゥはいま、タンパベイ・ロウディーズというクラブにいる。所属するのは北米サッカーリーグ(NASL)。MLSの2部にあたるリーグだ。

 15年7月にキャリア13クラブ目となるタンパベイと契約したアドゥは、今年のはじめに現地でのインタビューでこんなことを語っている。

「結局、僕が周りの言うことをコントロールすることはできない。僕がデビューしたとき、ペレと比較されたのは、僕が選んだことじゃない」

「ただ、しっかりと取り組まなかったのは自分自身だ。どんなに早熟だって、あらゆる選手が成長しなければいけない。でも、僕は費やすべき時間を捧げてこなかったし、多くの時間を浪費してきた。それが僕のキャリアを何年も無駄にしたんだ」

 11〜13年まで在籍したフィラデルフィア・ユニオン時代も、プレーに集中せず、夜な夜なパーティーに参加するなどピッチ外での振る舞いが問題視されて放出され、飛躍の機会を逃した。だが、そんな自分と決別し、「すべての習慣を変えて、プロのサッカー選手であることにすべてを捧げる」ために、彼は2部での挑戦を選んだという。そんなタンパベイでの生活も1年半になるが、ここでもまだ、アドゥはレギュラーを確保できずにいる。やはり、“失われた時間”は決して小さなものではなかったのだ。

 まだ27歳。本人が「33〜34歳になる前に気付けてよかった」と言うように、アドゥにはまだ、後悔のない形でキャリアを終えるチャンスがある。とはいえ、大きすぎる重圧への対処や本人の心持ち、さらには移籍のタイミングから、いい指導者に出会えるかといった運も含めて、「神童」と呼ばれる選手が大成する上で、アドゥの波瀾万丈なキャリアストーリーは、典型的な“教訓潭”と言えるかもしれない。

(記事/Footmedia)

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