「だいたいおるところは分かる」…U20代表の右サイドを加速させる“ガンバ・トリオ”

「だいたいおるところは分かる」…U20代表の右サイドを加速させる“ガンバ・トリオ”

後半からピッチに立った市丸 [写真]=三浦彩乃

 1点ビハインドで迎えた後半、悪い流れを断ち切ったのは間違いなく背番号17の投入だった。

 FIFA U−20ワールドカップ韓国2017を控えるU−20日本代表は15日、U−20ホンジュラス代表と本大会前最後のテストマッチを実施。15分にCKから小川航基(ジュビロ磐田)のゴールで先制に成功したが、その直後の18分、さらに32分と失点を喫してしまう。後半開始から原輝綺(アルビレックス新潟)に代わってピッチに送り込まれたのが、背番号17を着ける市丸瑞希(ガンバ大阪)だ。

 ベンチで戦況を見つめた前半は「やっている人にしか分からん感覚もあると思う」と前置きしながらも、「もうちょっと背後があってもいいかなと思っていたので、自分が入った時は背後と縦パスを使い分けながらやろうと決めていた」。その言葉通り、U−20日本代表は市丸が中央で起点となり、両サイドの三好康児(川崎フロンターレ)と堂安律(G大阪)、スピードを生かした裏への抜け出しを武器とする岩崎悠人(京都サンガF.C.)が持ち味を存分に発揮。結果的に市丸に得点やアシストは生まれなかったものの、坂井大将(大分トリニータ)のPKと板倉滉(川崎)の得点で、U−20日本代表が3−2で勝利を収めた。

 チームを率いる内山篤監督が「瑞希はテンポ作ってくれるのが特長」と言えば、G大阪では育成組織時代からのチームメイトで、この一戦でも右サイドで好連携を見せた初瀬亮は「瑞希が入ったことによって、縦パスも何本か入ってゲームのリズムが作れたと思います。堂安と瑞希と僕のコンビネーションもありましたし、その辺は良かったと思います」と称賛。市丸自身も「律と亮は見ていなくても、だいたいおるところは分かる。感覚でできる選手が同サイドにおるというのは、やりやすい」と“ガンバ・トリオ”での連携に手応えを示す。

 市丸は試合後に行われた30分1本のトレーニングマッチにもフル出場。惜しくも得点とはならなかったが、「見えていた」という絶妙なパスで久保建英(FC東京U−18)の決定機を演出するなど、抜群の存在感を発揮した。この一戦では同じくG大阪でのチームメイトで、12日に追加招集された木彰人(G大阪)の決勝点でU−20日本代表が1−0で勝利。木の得点後、一目散に駆け寄った市丸は「いや、そりゃね。あいつも嬉しかったと思いますよ」と同僚の一発を祝福した。

 国内ラストマッチを終えたU−20日本代表は、もう間もなく決戦の地・韓国へと飛び立ち、21日にU−20南アフリカ代表とのグループステージ初戦を迎える。「アジア(AFC U−19選手権2016)の時もそうでしたけど、初戦というのは堅くなりがちで、慎重に慎重にというのが予想されると思う」と初戦の難しさを説きながらも「失うものはないし、アグレッシブに行けたら。もちろん、守備に回る時間もあると思いますけど、慌てることなく自分たちの良さを出していければいいんじゃないかなと思います」と意気込みを語った。

 12日のジュビロ磐田戦は唯一の先発フル出場。15日のU−20ホンジュラス代表戦では後半から試合の流れを変え、見事起用に応えてみせた。本大会直前のテストマッチ2試合で確かな足跡を残した市丸。5日後に迫った本大会での飛躍、そしてU−20日本代表の右サイドを加速させる“ガンバ・トリオ”の息の合った連動に注目だ。

取材・文=三島大輔

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