群雄割拠の11年目のFリーグは、開幕してなお、予測不能。大阪の連覇か名古屋の奪還か、それとも──。

群雄割拠の11年目のFリーグは、開幕してなお、予測不能。大阪の連覇か名古屋の奪還か、それとも──。

Fリーグ2017/2018が国立代々木競技場第一体育館で開幕 [写真]=本田好伸

 6月10日(土)、11日(日)、DUARIG Fリーグ2017/2018が国立代々木競技場第一体育館で開幕した。2007年のリーグ創設から11年目を迎える今シーズンも、全12チームで33節のリーグ戦を行い、レギュラーシーズン後に、上位5チームによるプレーオフで優勝チームが決定する。

 今回の開幕節では、国歌斉唱の歌手として元AKB48の増田有華さんが登場。第1試合のハーフタイムには、ミニライブも行われた。さらに、第2試合のハーフタイムには、同じく元AKB48の宮澤佐江が登場し、オフィシャルスポンサーを務めるsfidaのイメージガール就任が発表され、これまでフットサルを見たことがない観客にとっても、Fリーグに触れるきっかけとなっていた。



■新章へと突入したFリーグの激闘がスタート

 10年目の昨シーズンは、これまでリーグを9連覇してきた“絶対王者”名古屋オーシャンズの牙城が崩れ、歴史が大きく動いた。プレーオフでは、2nd Roundでペスカドーラ町田が名古屋を撃破して連覇の記録が途絶えると、今度はその町田を、リーグ1位のシュライカー大阪がFinal Roundで退けた。木暮賢一郎監督のもとで、ブラジル人助っ人を筆頭に圧倒的な攻撃力を発揮した大阪が、新王者の座を手にしていた。

 大阪の連覇か、名古屋の王座奪還か、それとも他のチームが台頭するのか。新章へと突入したFリーグには、大きな注目が集まった。

 迎えた開幕節、オープニングゲームで登場したのは大阪。昨シーズン9位のエスポラーダ北海道と対戦すると、今まで以上に研ぎ澄まされた攻撃力を披露した。3分、昨シーズンの得点ランキング2位のチアゴがあいさつがわりの先制弾を突き刺すと、6分に新加入の相井忍、直後にアルトゥールが直接FKからゴールを奪って、いきなり3点をリードした。北海道も反撃を開始し、ゴールを奪い返していくと、前半で7ゴールが生まれて、試合を4−3で折り返した。後半に入ると一転、大阪が試合をコントロールし始めたことでスコアは停滞。互いに決定打を欠き、そのまま大阪が逃げ切り勝ちを収めた。

 続いて登場したのは町田。デウソン神戸を相手に終始、危なげない試合運びを見せて4−1で勝利。神戸は、元日本代表の鈴村拓也新監督の初陣を飾ることはできなかった。

 初日最終戦は、同じく、元日本代表の橋健介新監督を擁立したバルドラール浦安とリーグ参入5年間、常に下位に甘んじてきたアグレミーナ浜松。浜松はこの日、最後まで激しいプレッシングをベースに集中した戦いを披露し、前半に奪った1点を死守。6年目にして初めて開幕戦勝利をつかみ取った。

 翌日の第4試合も、白熱の戦いが続いた。主力が抜けたことで、多くの若手を起用したフウガドールすみだは、バサジィ大分を相手に躍動。その若手が期待以上の働きを見せて、ゴールを量産していく。終わってみれば、名古屋サテライトから加入した大薗諒のハットトリックを含めて9−1と圧勝を飾った。

 名古屋と府中アスレティックFCの一戦は、ハイレベルな攻防を見せた。互いにチャンスをつくりながらも、名古屋は篠田龍馬、府中はクロモトという両チームのゴレイロがビッグセーブを連発。終盤までスコアレスで拮抗した。迎えた33分、ゴール前のこぼれ球に反応した齋藤功一が左足を振り抜き、名古屋が先制に成功。府中も皆本晃を中心に攻め込んだものの、名古屋のリーグ随一の守備力の前に屈した。名古屋は、新加入のブラジル代表2選手をケガで欠く苦しい台所事情がありながらも、王座奪還への意地を見せた。

 開幕節の最終戦は湘南ベルマーレとヴォスクオーレ仙台の一戦。湘南は、昨シーズンまで監督を務めた横澤直樹が、41歳にして電撃復帰すると、いきなり先制点をアシスト。その後も横澤が主力として味方をサポートすると、全選手が満遍なく活躍して見せた。過去10年間で、2勝1分7敗と大きく負け越していたが、この日は仙台を6−0と圧倒するなど、絶大なインパクトを残した。

■「見るスポーツ」としての人気が高まる今シーズン

 開幕セントラルを終え、Fリーグは今週末からホーム&アウェイの戦いが始まっていく。レギュラーシーズンはあと32試合。いったい、どのような展開を見せていくのだろうか。

 昨シーズンの上位チーム、大阪、町田、名古屋、すみだは上々の滑り出しと言える。特にすみだは、昨年も序盤のスタートダッシュに成功して首位に立っていただけに、彼らにとって「勢い」は、重要な要素であることは間違いない。春木啓佑や大薗、丹羽脩人、中田秀人という、特別指定を含む育成組織出身選手の台頭は、そのすみだの勢いを加速させていくだろう。激闘が予想される第2節の湘南、第3節の大阪、第5節の町田の3試合の結果次第では、今シーズンも首位を突っ走ることができるかもしれない。

 ただし、優勝候補筆頭はやはり大阪だ。昨シーズン、1試合平均5得点超えの超攻撃型チームは、今年も攻撃のタレントを獲得したが、すでにチームにフィットしてきている。アルトゥール、チアゴ、ヴィニシウスというブラジル人トリオに、脇を固める日本人選手、そしてリーグ屈指の“戦略家”木暮賢一郎監督のチームマネージメントは、対策を講じたとしても簡単に打ち破れるものではない。ただ唯一の懸念材料は、7月のAFCフットサルクラブ選手権への出場。クラブとして初めて挑むアジアでの戦いは、間違いなく過酷なものとなるだろう。クラブ選手権に一つのピークを持ってくるだけに、それ以降の戦いぶりが大きな鍵を握っている。

 大阪の対抗馬・名古屋は、現在の戦力値が高いとは言えない。ただし、カップ戦ですでに片鱗を見せたラファが軽傷なだけに、復帰次第で得点力は格段に向上していくだろう。さらに名古屋は、18日のホーム開幕戦で「重大発表」をするという。その内容は、「ファン・サポーターの皆様へ重要なお知らせ」ということだが、噂されるのは、さらなる大型補強だ。外国人選手や、吉川智貴という日本屈指の選手の復帰があるかもしれない。そうなると名古屋の戦力は、飛躍的に向上する。まずは週末の重大発表を待ちたいところだ。

 これらに加わるチームの一つは、成熟の進む町田だが、今シーズンはここに湘南が割って入ってくる可能性がある。彼らは、「今年は必ずプレーオフへ行く」(奥村敬人監督)という決意を、開幕戦で示した。今後さらに若手選手が躍動することで、下位に低迷したこれまでとは、一味違った湘南を見れるかもしれない。

 上位陣の充実と、下位からの巻き返し。今シーズンもプレーオフ進出争いが激化することは間違いなさそうだ。そして今年、最大の注目ポイントは、「AbemaTV」のライブ中継が始まったことだ。「J SPORTS」とともにライブ配信が行われた開幕節では、両日ともに30万人近い視聴数を獲得し、多くの関心を集めた。これから始まるホーム&アウェイでも、相当数の試合がピックアップされ、ライブ配信されるだけに、会場での観戦以外だけではなく試合をチェックできることは、ファンにとっても、プレーする選手にとっても大きなメリットだろう。

 果たして、「見るスポーツ」としての人気が高まる今シーズンのFリーグは、どんな結末が待っているのか。開幕してなお、予測不能──。ただし、熱く激しく、魅力的な試合が待っていることだけは、間違いない。

文・写真=本田好伸

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