「自分も早くそこに」…理想と現実の狭間で南野拓実が目指す大舞台

「自分も早くそこに」…理想と現実の狭間で南野拓実が目指す大舞台

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 チームは4年連続2冠達成、自身は2年連続で2桁得点を記録――。しかし、南野拓実は満足していない。
 
 2014年、ザルツブルクに加入した南野は3年連続でタイトルを獲得し、一選手として数字も残した。それでも、理想と現実のギャップと「満足できない」という思いが脳裏をよぎる。日本代表初選出、リオ五輪出場、熾烈なレギュラー争い……。多くの経験を糧に見据える新シーズン、そして、ロシアW杯への思いとは――。(編集部注:本インタビューは6月実施)

インタビュー・文=加藤聡
写真=兼子愼一郎
取材協力=アディダスジャパン

チーム2位の11得点も「もっとゴールを決められた」

――チームは4年連続2冠、南野選手も加入から3シーズン連続で2冠を達成しました。

南野 結果的に国内のリーグ戦とカップ戦を2つ獲れたというのは最高の結果でした。個人でも3回目のことですけど、優勝を味わえるというのは選手としては非常に良い経験になりますし、チームに貢献することも自分のキャリアにとって非常に重要なことだと思いますね。

――南野選手は今シーズン、リーグ戦で2年連続2桁得点をマークしました。そして、11得点はファン・ヒチャン選手に次ぐ、チーム2位の記録です。確かな手応えをつかんだのではないでしょうか? (2015−16シーズンは10得点)

南野 昨シーズンより上の成績で終わろうと思っていたので、それを達成できたのは良かったんですけど、まだまだ自分としては満足できない部分も多かったですね。出場時間だったり、「もっとゴールを決められたんじゃないか」とも思います。手応えというのもありましたけど…。

――「出場時間に満足していない」とのことですが、限られた時間で結果を出すために心がけたことはありましたか? (2016−17シーズンはリーグ戦21試合に出場)

南野 スタメンじゃないときに「どこまで良い準備をしてチャンスに備えられるか?」ということは常に意識してました。プロとして当然のことだと思いますけど、その状況でも結果を出せたことに関しては手応えもありますし、途中から入って流れを変えるとか、そういう点は良かったと思います。

――海外でのプレーは難しさを感じることも多いと思います。3年間オーストリアでプレーして感じた“違い”は何ですか?

南野 今シーズンはFWとしてプレーする時間が多かったんですけど、ボールを収めるときに体をぶつけてくるDFの強さとか、足が伸びてくる幅の広さとか。ヨーロッパの選手の方が強くて幅が広いと思うし、そういう激しさは感じますね。

――「海外では練習でも激しく削られる」と言われますよね?

南野 そうですね。普通ですね(笑) 練習中に喧嘩とか普通にしますし、よくありますよ。

――例えば、1つのパスを受けるときにライバル意識を感じるような強いパスが来ることもありますか?

南野 あからさまにというのはないですけど、(同じポジションの選手が)紅白戦で相手チームになったときは絶対削ってきますし、そこのバチバチ感というのは日本よりも海外の選手の方が剥き出しで。そういうバトルは毎日ありますね。

日本代表復帰、ロシアW杯出場へ「もっと活躍しないといけない」

――南野選手はこの3年間で日本代表選出、リオ五輪出場なども経験しました。それらの経験が活きたと感じた瞬間はありましたか?

南野 オリンピック出場は良い経験になりましたし、A代表にも何度か呼んでもらってますけど、全然満足していないです。今でもそこに向けて自分のチームで結果を出さないとA代表には選ばれないので。だから、良い経験にはなってるとは思いますけど、その経験を活かせているかというと、まだまだ途中なんじゃないかと思います。

――現在のA代表にはリオ五輪で共に闘ったメンバーも名を連ねています。彼らの存在をどのように感じていますか?

南野 すごく刺激になりますし、「自分ももっと頑張らなアカンな」と思います。でも、「悔しい」という思いは全くなくて、すごく良い関係でやっていければ良いと思いますね。

――南野選手自身が考える日本人プレーヤーとしての“立ち位置”とは?

南野 自分の立ち位置に関して言うならば、理想と現実のギャップはすごく感じてます。理想ではバリバリA代表でプレーしてて、海外では10代でA代表の試合に出ている奴もいますし、「自分も早くそこに」という気持ちはあります。でも今は、選ばれないということが現実なので。「そこまで」と言わざるを得ないというか…。それが自分の実力だと思います。でも、誰が見てもA代表に入れる結果とプレーで証明したいと思います。自分の理想の立ち位置まで行けるようにしたいです。

――色々な葛藤があると思いますが、来年2018年はロシアW杯を控えています。来シーズンの目標・意気込みをお願いします。

南野 サッカー選手である以上、W杯に出たい気持ちはありますし、僕もそこへ向けての思いは強いものを持っているので、日本を代表して戦いたい気持ちもあります。だからこそ来シーズンはもっと活躍しないといけないと思いますし、いつ代表に選ばれても良いように、良い準備をしていきたいです。