【ライターコラムfrom千葉】トップデビューの古川大悟…憧れの巻誠一郎を目指して泥臭いプレーを続ける

【ライターコラムfrom千葉】トップデビューの古川大悟…憧れの巻誠一郎を目指して泥臭いプレーを続ける

U-18に所属する17歳のFW古川は天皇杯2回戦・東京V戦で念願の公式戦デビューを飾った [写真]=?JEFUNITED

「めちゃくちゃ緊張しましたが、少しずつ慣れて、最後はシュートを打つこともできました。スピードでは劣っていないことは自信になりました。しかし、フィジカル面で競り合いになったとき、相手に抑えられてしまうので体の使い方を上手くしてキープできるように頑張りたいです」と、口にしたのはジェフユナイテッド市原・千葉U-18に所属する17歳のFW古川大悟だ。

 古川は、今年2月にリーグ戦に出場可能な2種登録が発表されるとトップチームに帯同。天皇杯2回戦・東京ヴェルディ戦では、86分からピッチに立ち念願の公式戦デビューを飾った。

 その試合は前半からジェフ千葉が主導権を握り、26分、清武功暉のFKで先制すると、後半はあえて“構える”戦術に切り替え、前がかりになる東京Vの背後を突く形で追加点を狙う。出足の良いボール奪取から鋭いカウンターで相手ゴールに迫る展開のなか、チームの中でスピードを一番の武器にする古川が投入された。最大の見せ場は後半アディショナルタイム、中盤でボールを奪うと快足を飛ばしピッチを駆け上がり角度のないところからシュートを放つが相手GKにセーブされた。

「時間の経過と共にスペースは空いてきました。(チームとしては)カウンター狙いの投入で、同ラインからのスタートでは負ける気がしません。最後のシュートシーンは外に逃げて行くのではなく、ワンタッチで相手の前に入り、GKと1対1になるようにもっていけたらよかったのですが、スペースで受けるのか、足元でもらうのか、もっと味方に伝わる動き出しが出来ればよかったのですが」と、自省を込めて振り返った。

 短い時間ながらも持ち前のスピードを生かしたプレーを披露。ボールを持った時の判断など、まだまだ荒削りな部分はあるが将来の活躍を感じさせるものだった。フアン・エスナイデル監督も「スペースに走る素晴らし特長をもっている」と、その素質を認める。

 古川は厳しい競争の世界に身を置き、懸命に先輩の背中を追いながら汗を流しているが、コンスタントに試合に出場するには、日夜研鑽を積み重ねなければならない。チームには清武功暉や船山貴之のようにお手本となるアタッカーがいるだけにしっかりと吸収し、相手に嫌がられる選手になることが重要になる。

「単純なミスを減らしたい。ミスの数が選手の価値になるとシゲさん(長谷部茂利コーチ)に言われているので、そこは強く意識をしています。そしてミスをした後の切り替えの姿勢や足が止まっていることもあるので修正をしていきたいです」

 ただ、プロの世界はそう簡単なものではない。結果を出さなければ出番はさらに遠くなる。試合に出るためには、監督の信頼を得て、競争相手からポジションを奪わなければいけない。今は練習で存在感をアピールし、プレーの質を高めチャンスを窺う段階だ。

 チーム最年長の羽生直剛は「彼にとって1つ出場できたことは自信になったと思う。ただ課題も出たと思う。それを自分自身で考えて次につなげていって欲しい」と、エールを送る。

 古川はまだ助走を始めたに過ぎない。だからこそ、これからの“成功と失敗”のすべてが成長への糧となることは間違いない。飛躍を目指す、17歳のアタッカーは言う。

「最低でも5試合は出場したい。そして得点を狙いたい。どんな形でもいいので切り札として使ってもらえるように準備したいと思います」

 古川には憧れの選手がいる。それはジェフ千葉に8年間在籍をしていた巻誠一郎(現:ロアッソ熊本)だ。当時、小学生だった古川は、ジェフ千葉の試合に足を運ぶたびに“18番”を背負う男のプレーに目を奪われた。最前線から動き回り愚直なまでにボールに食らいつく。アグレッシブな姿勢とチームのために最後まで走り続ける諦めないプレーに魅了されていったのだ。

「小学生の時からの憧れの選手です。巻さんみたいに誰もが応援してくれるような選手になりたい。泥臭いプレーをしたいし、それを自分の肩書にしたいです」

 ユースでの活動もあるが目標を成し遂げるためには、これまで以上の努力と進化、そして自分の限界を超える術が求められだろう。越えなければいけない高い壁が待っているが、一歩一歩、着実に成長する若武者に期待をしたい。

文=石田達也

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