【ライターコラムfrom千葉】“進撃の巨人”ラリベイが覚醒…最愛の妻と生まれてくる子どもにゴールを捧げる

【ライターコラムfrom千葉】“進撃の巨人”ラリベイが覚醒…最愛の妻と生まれてくる子どもにゴールを捧げる

得点能力が開花しつつあるラリベイ [写真]=Getty Images for DAZN

「ウォー!」――。背番号9番が3度、ピッチで雄叫びを上げた。

 明治安田生命J2リーグ第22節カマタマーレ讃岐戦は4−3の壮絶な打ち合いとなった。攻撃の中心にいたラリベイは13分に羽生直剛が放ったミドルシュートのこぼれ球に反応すると右足ボレーでゴールマウスにねじ込み、80分にはPK弾をセンター上段に決めると、83分、ホルヘ・サリーナスの折り返しをヘディングで合わせ、来日後、初となるハットトリックを達成。それと同時にチームを2014年10月以来となるリーグ戦3連勝に導いた。

「難しい試合でしたが、ハードワークで勝つことが出来ました。(3試合連続弾で、この日はハットトリックを達成したが)ゴールは嬉しいがチームが勝つことが大切です」

 ラリベイはスペイン1部リーグで2年連続2桁得点を記録。鳴り物入りでの加入だったが、シーズン序盤は中々、その片鱗を見せることは出来ずにいた。第2節モンテディオ山形戦では自身が得たPKを船山貴之に譲り、初ゴールは第8節レノファ山口FC戦(1−0)までお預けとなっていた。

「自分にとって前半戦は難しい時期になっていました」と振り返った。コンディションが十分に整わず、日本のサッカーとチームが実践する“ハイライン&ハイプレス”のスタイルに順応するのに時間がかかってしまっていた。そこに指宿洋史の加入もあり、先発に定着できず試合勘が戻るのも遅れていた。

 しかし、それを解決したのは“時間”と彼の“弛まぬ努力”、そして“自分を信じ続けた”ことだった。

 フアン・エスナイデル監督は「ラリベイが順応するには時間が必要でした。今の彼のバージョンが我々のチームには必要で、チームにとってもあの状態をキープすることが必要です」と、これからの活躍に太鼓判を押す。

 覚醒のきっかけは天皇杯全日本サッカー選手権2回戦・東京ヴェルディ戦だった。得点こそなかったがボールを引き出す動きで幾つもの好機を創出していた。

「その試合では調子がいいと感じていました。このまま続けていけば得点できるチャンスが増えていくと思います」

 そこから水を得た魚のような活躍を見せラリベイは、チームやサポーターの期待に応えるように直近3試合で6得点を上げるだけではなく、千葉の生命線でもある前からプレッシャーをかけ続け、最後の1滴が尽きるまでハードワークを行い戦う集団の先鋒としてチームを活性化させている。

 また、チームメイトの清武功暉は「(ボールが)収まるし足元の技術も高い。ヘディングが強いが何よりもテクニックがあります」と評すると、町田也真人は「今のホアキン(ラリベイ)はめっちゃいい(笑)。僕はやりやすさを感じています。ワンタッチでゴールを決めるのが持ち味だと思うのでもっと引き出したいですし、ホアキンに出せば何かが起きると思っています」と揺るぎない信頼を口にする。

 そして、ライベイ自身は最近の活躍については驕らずに謙虚な姿勢で仲間に感謝を伝える。

「也真人、清武、タカ(船山)など才能に長けた選手が近くにいてくれると自分にとっては大助かりです。ありがたく感じています。また中盤の選手も自分にボールを出してくれています。自分がゴールを決めて勝利につながればチームに貢献が出来る。これからもゴールを決めて貢献して行きたいと思っています」

 現在、ジェフユナイテッド市原・千葉は勝ち点33を積み上げることで、一時は15位にまで沈んでいた順位を9位にまで浮上させプレーオフ圏内まで2差に迫っている。

 “J1昇格”と“多くのゴールを決めチームに貢献する”ことを目標に掲げるライベイにとって、ここからが正念場だ。「1戦1戦を決勝戦のつもりで戦って行きます」と決意を固める。

 また、7月下旬、愛する妻の出産予定日でもあることから、ますます練習にも熱が入り得点へのモチベーションは上がるだろう。生まれてくる子どもに捧げるゴールを決め続けてくれるはずであり、得点後のゆりかごパフォーマンスが披露される日もそう遠くはないはずだ。

 チームをJ1昇格へと導くために戦う“進撃のラリベイ”は歩を止めない。

文=石田達也

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