【プレビュー】AFC U−23選手権ってどんな大会? 東京五輪世代の若武者が予選に臨む

【プレビュー】AFC U−23選手権ってどんな大会? 東京五輪世代の若武者が予選に臨む

U20W杯に参加したレギュラー陣数名は招集できず [写真]=Getty Images

 AFC U−23選手権予選が7月19日よりカンボジアの首都プノンペンを舞台に開幕する。ただ、今大会は存在自体がマニアック。まずは「どんな大会なのか?」という解説から初めてみたい。

 AFC U−23選手権の前回大会は手倉森誠監督率いるU−23日本代表、つまりリオ五輪代表が決勝で韓国に劇的な逆転勝ちを収めた大会だ。FW浅野拓磨が鮮烈なプレーを見せた、あの試合である。つまり今回は東京五輪の予選になる大会――と誤解している人が結構いるのだが(実はサッカー関係者の中にも!?)、そうではない。五輪は4年に1度の大会だが、この大会は2年に1度。つまり2大会に1回ずつ五輪の予選を兼ねるシステムなのだ。

 日本は五輪予選とはならない大会に年齢上限のU−23より2歳若いU−21チームを送り込む方針。これは2年後の五輪でU−23となる世代に経験を積ませるための施策である。つまり、AFC U−23選手権にはこんな形で参戦していることになる。

第1回大会(2014)……オマーン開催。U−21日本代表が参加。8強。
第2回大会(2016)……カタール開催。U−23日本代表が参加。リオ五輪予選。優勝。
第3回大会(2018)……中国開催。U−21日本代表(現U−20日本代表)が参加。
第4回大会(2020)……諸々未定だが、東京五輪予選を兼ねる見込み。

 今度の予選は、この第3回大会予選ということになる。来年U−23になる年代の大会なので、今年の予選はU−22のカテゴリーで行われ、日本は2歳年下に当たるU−20日本代表で参加する。要するに東京五輪世代の日本代表だ。このチームは第4回大会にも出場予定だが、東京五輪の出場権自体は開催国としてすでに保持しているので、純粋にアジアのタイトルを狙う形になるだろう。とはいえ、東京五輪まで3年もあるのに、真剣勝負の場は少なく、この年代は国際親善大会なども少ない。強化のための貴重な実戦機会であることは間違いない。

 7月からの予選はアジア全体を10のグループに分ける中で行われ、各グループの1位チームが本大会へ進出。さらに2位の10チームから成績上位5チームが本大会へ滑り込む。これに開催国を加えた16チームが来年1月に中国で行われるAFC U−23選手権に臨むというレギュレーションになる。

 グループJに属する日本は、フィリピン、カンボジア、そして中国の順番で対戦する。ただ、開催国で出場権を持っている中国がエントリーしているのが少しややこしい。中国が3位以下なら特に何も起こらないのだが、彼らが1位になった場合は、出場チームが足りなくなるので、2位の上位5チーム突破が6チーム突破へ変更になる。中国が2位の上位5チーム以内に入ってきた場合も同様だ。同グループのチームが繰り上がるわけではないので、日本に恩恵があるわけではない。確実に出たかったら、中国を倒して1位抜けするほかない形である。

 今回の日本代表はFIFA U−20ワールドカップ韓国2017組をベースにしているものの、J2リーグは開催期間中のためにFW岩崎悠人(京都)、DF冨安健洋(福岡)、杉岡大暉(湘南)といった選手が招集できず。FW小川航基(磐田)は依然として負傷中で、MF堂安律(フローニンゲン)はオランダへ旅立ったばかりでこちらも不在。FW久保建英(FC東京U−18)も16歳の若さで過密日程の代表招集をこなしてきた点を考慮して今回は選外となっている。

 多くの選手を欠くなかで、J1クラブで結果を残しているFW中坂勇哉(神戸)や、5月のトゥーロン国際大会に参加した一歳年少のU−19日本代表からFW小松蓮(産業能率大学)、MF針谷岳晃(磐田)、DF立田悠悟(清水)らを招集。U-20ワールドカップを直前の負傷で棒に振ってしまったMF森島司(広島)や候補には浮上しながらメンバー入りを逃していたFW旗手怜央(順天堂大学)も招集されており、彼らにとっては五輪メンバー入りへ向けた貴重なチャンスの場とも言えるだろう。

 なお内山篤監督はこの予選をもってその任を退き、来年のAFC U−23選手権本大会の指揮は新任の東京五輪代表監督(人選は未定)へ引き継がれる見込み。2年半続いた内山監督と東京五輪世代の選手たちの戦いは、今大会をもって一つの区切りを迎えることになる。

文=川端暁彦

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