【インタビュー】ソン・フンミン(トッテナム/韓国代表)「予選通過を信じて戦うだけだ」

【インタビュー】ソン・フンミン(トッテナム/韓国代表)「予選通過を信じて戦うだけだ」

トッテナムの韓国代表FWソン・フンミンがサッカーキングの独占インタビューに応じた

 ドイツの大手スポーツメーカー、アディダスが9日、イギリスのロンドンでアパレルの最新モデル「Z.N.E.PULSE(ゼッド・エヌ・イー パルス)」を発表した。

 ロンドンで開催された同商品のグローバルローンチイベントでは、昨シーズンはトッテナムのプレミアリーグ2位躍進に貢献した韓国代表FWソン・フンミンが登場。イベント終了後、新作モデルを身にまとい、サッカーキングの独占インタビューに快く応じてくれた。

 熾烈を極めるプレミアリーグでの優勝争い、そして、ロシアW杯出場へ佳境を迎えるアジア最終予選…。ソン・フンミンを待ち受ける多くの戦いについて、胸の内に迫った。

取材・文=藤井重隆
取材協力=アディダス

常に自分の力を出せればおのずとプレーは評価される

――昨シーズン、惜しくもトッテナムはリーグ2位に終わりましたが、今シーズンのチーム状況はどうですか?

チームの準備は整っているし、全員が今シーズンを楽しみにしている。僕自身、昨シーズンはいいプレーができたと思っているけど、それで終わりではないし、昨シーズンを超える活躍を見せたいと思っている。僕はまだ25歳だし、目標はたくさんある。常に全力を尽くして、レベルアップを図りたいと思っている。

――トッテナムで一番仲のいい選手は誰ですか?

チームメイトとは分け隔てなく仲がいいけど、ケヴィン・ヴィマー(オーストリア代表)と一番仲がいいかな。彼とはドイツ語で会話ができるし、僕がレーバークーゼンにいた時、彼もケルンでプレーしていたから、トッテナムに来る前から面識があった。いい選手だし、良き友人でもある。チーム全員がフレンドリーだし、雰囲気もよく、みんな仲がいい。

――デレ・アリとよくやるゴールセレブレーションはどのようにしてできたのでしょうか?

普段の生活や練習場でやっていたことの延長ででき上がったものだよ。説明するのは難しいけど、毎日あいさつ代わりに特別な握手を交わしていて、それを楽しんでいるうちに形になったんだ。

――昨シーズンはアジア人選手として、プレミアリーグで初めて二桁ゴールを記録しました。韓国の英雄パク・チソン氏と比べられていることについてはどう感じでいますか?

彼は伝説的な選手だし、尊敬するヒーローだよ。僕は常に彼の背中を追い続けているし、まだ追いついたとも思っていない。プレミアリーグで14ゴールを決めたからと言って、彼を超えたとも思っていない。彼は僕の伝説であり英雄だ。僕は子供の時から彼のプレーを見て育ったし、マンチェスター・ユナイテッドで彼は本当に輝いていた。僕はいつか彼に追いつきたいと思っているし、それが僕の夢でもある。

――パク・チソン氏は引退後、2016年にレスター大学へ入学しましたが、頻繁に会ったりしていたのでしょうか?

そうだね。よく食事に行ったし、スランプ時の対処法やプレーについて子供のように質問したよ。彼は親身になって助けてくれた。本当に感謝しているし、尊敬している。そして、彼は近々ロンドンに住むと聞いている。

――ソン選手が日々の食事の際に欠かせない食べ物は何ですか?

家では常に韓国料理を食べているけど、日本料理も食べる。東アジアの料理は僕にとって世界一だと思う。僕は韓国出身だから、必然的に韓国料理を習慣的に食べるけど、日本に行った時に食べたものは全ておいしかった記憶がある。寿司、うどん、そば、挙げたらきりがないけど、すべてがおいしかったよ。韓国料理では牛肉料理、焼肉料理が大好物だね。

――ソン選手が思う世界一の選手は誰ですか?

歴代韓国人選手ではパク・チソンだけど、クリスティアーノ・ロナウドだね。彼のプレーは常にチェックしている。僕は若い時から彼のプレーを見てきたし、彼がマンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた時は特によく見ていた。パク・チソンと一緒にプレーしていたからね。本当に信じられないプレーをしていたし、スキルもゴールも、どれをとっても素晴らしかった。彼は選手として晩年に差し掛かっているかもしれないけど、今でも世界一だと思う。いつか彼のような選手になりたい。

――プレミアリーグの醍醐味とは何だと思いますか?

世界一のリーグだと思う。子供の時から、いつかこのリーグでプレーしたいと思っていたし、それが夢でもあった。アジアでもプレミアリーグへの関心は本当に高い。ブンデスリーガと比べても、あのリーグは常にバイエルン・ミュンヘンが牛耳っているけど、このリーグは優勝争いが激しいし、常にサプライズがある。2年前のレスターのリーグ優勝は誰もが予想していなかったし、ああいったチャンスがどんなチームにもある。そういう背景がファンの目を惹きつけているんだと思う。僕自身もこのリーグでは、一瞬一瞬を楽しんでいるし、それが自分の貴重な経験になっている。

――今シーズンの個人目標を教えてください。

明確な目標はない。僕はただ毎試合に全力を尽くすだけだし、その結果としてゴールやアシストができればいいと思っている。常に自分の力を100%出せれば、おのずと僕のプレーが評価されると思う。

予選通過を信じ勝つことだけに集中する

――今回のアディダスの新商品『PULSE』は「心臓の鼓動・心音」という意味ですが、自身が最も心拍数の上がる瞬間はいつですか?

試合直前の整列の瞬間だね。「これから始まるぞ」という時に気持ちが高ぶるし、あの瞬間が心地いい。

――試合前のに行う願掛けやルーティンはありますか?

常に前向きな気持ちでいることを心掛けている。自分自身に「お前は誰よりも上手い。誰も止められない、世界一の選手だ」と、言い聞かせていることかな。

――ソン選手が戦うロシアW杯アジア最終予選では、韓国代表も苦戦を強いられています。苦戦していることについてどう思いますか?

難しい質問だね。考えても仕方がないことだから、僕らはまず、目前に迫っている試合に勝つことだけに集中しなければならないと思う。厳しい状況にいることは代表のみんなが自覚しているし、ただ自分たちのプレーに集中し、予選通過を信じて戦うつもりだ。次のホームでのイラン戦、そしてウズベキスタン戦で勝つことだけに集中する。

――最終予選の結果次第では、プレーオフで日本代表と対戦する可能性もあります。

現時点で、その可能性は考えていない。前向きに、予選通過を第一に考えているからね。プレーオフのことは考えていないし、次の2試合のことだけに集中している。そこで2連勝できれば、予選通過できると信じている。僕らは韓国代表として自分たちのレベルに自信を持っているし、心身ともにトップレベルであるということを示したいと思う。

――現在の日本代表についてはどんな印象を持っていますか?

正直、今の日本代表はすごくいいチームだと思う。いい選手が揃っているし、彼らの試合を見ていて楽しめる。彼らも僕らと同様に、不運な形で勝ち点を落としているけど、それはサッカーの一部であるし、時として起こりうることだ。でも、彼らが素晴らしいチームであることに変わりはないし、彼らも次の2試合が重要な試合になると思う。彼らも僕らと同様、予選通過に十分な力を備えているし、心配する必要はないと思う。

――韓国人選手も多いJリーグについてはどのような印象を持っていますか?

正直、あまり観る機会がない。自分自身、KリーグやJリーグでプレーした経験がないからね。でも、アジア・チャンピオンズリーグはチェックしているし、そこに出場するJリーグのチームはKリーグのチームと似ていて、いいサッカーをしている。

――今の日本代表で好きな選手はいますか?

岡崎慎司だね。彼は僕の友達でもあるし、他にも香川真司や本田圭佑といった素晴らしい選手たちがいる。

――岡崎選手とはプライベートで会うこともありますか?

プライベートではそんなに会わないけど、試合で対戦する時やドイツにいた時はよく話した。彼はチームのために常に全力を尽くす選手だし、ゴールも決めるから見ていて楽しいし、好きだ。

――それでは最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

僕は日本をリスペクトしているし、日本の文化が好きだ。韓国と日本はライバル関係にあるから、代表戦になれば僕は敵になってしまうかもしれないけど、僕のプレーを通じてトッテナムをサポートしてくれたらうれしい。幸運なことに、僕の周りには日本人の友人がたくさんいて、彼らは僕を応援してくれている。僕にとってファンの存在はすごく重要だし、僕を一人の選手として、「ソン・フンミンのプレーが好きだ」と言ってくれるファンが少しでも増えてくれれば本望だ。ワールドカップ、デ、アイマショウ! アリガトウ!

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