【広島vs甲府プレビュー】広島は4−4−2で2トップを生かす形か…甲府は終盤に盛り返す展開が増えてきた

【広島vs甲府プレビュー】広島は4−4−2で2トップを生かす形か…甲府は終盤に盛り返す展開が増えてきた

前回対戦は広島が2−1で甲府を下した。CKを水本裕貴(右)が頭で決めたゴールが決勝弾となった [写真]=J.LEAGUE

■サンフレッチェ広島 2トップは縦関係や横関係で自在に動く

【プラス材料】
 リーグ前節は出場停止だった青山敏弘が復帰。また、サテライトリーグの仙台戦で工藤壮人と皆川佑介が機能し、この試合で左サイドバックに起用された茶島雄介の活躍によって選手層の厚みも見えてきた。不足していたサイドバックの“本職”椋原健太選手の加入も決まり、ヤン・ヨンソン監督が目指している4バックシステムの形も整ってきた。

 指揮官はサテライトリーグでの4−4−2が機能したことを受け、トレーニングではトップチームでも4−4−2を試した。動きが幅広くなり、ストライカーが2人存在することでゴール前に飛び出すタイミングも鋭くなる。

 サテライトリーグで見た2トップは2人が縦関係や横関係に変化し自在に動くことで、相手に混乱を生み出していた。それがリーグ戦でも発揮できれば、違った広島の魅力を生み出すことができる。

【マイナス材料】
 パトリックのコンディションがやはり気になる。トレーニングもフル参加ができない日もあり、コンビネーションを合わせる時間が足りない。本来であればスタメンで使うのは難しいところだが、彼のパワーやクオリティは今のチームに必須。替わりがいないことが今の苦しさに繋がっている。

 アンデルソン・ロペスとの2トップにしても、トレーニングでしっかりと合わせたわけではなく、もしこの形で起用するとすれば、ブラジル人同士の“即興”に期待せざるを得ない。

 また、守備にしても、ヨンソン監督就任以来、1試合も無失点ゲームがない。先に失点してしまうと、どうしてもゴールに向かって急ぎたくなり、単調になってしまう。パトリック以外のオプションの必要性は指揮官も理解しているはずだ。

文:紫熊倶楽部 中野和也

■ヴァンフォーレ甲府 「ボールを持つ」「動かす」という部分は間違いなく浸透

【プラス材料】
 リーグ前節は残留争いのライバルである札幌と1−1で引き分けた。

 得点力に乏しい甲府が苦手とする相手に先制される展開だったが、後半はボールの保持率や敵陣内で試合を進める時間で上回り、そのなかでしっかり同点弾も決めている。第20節のG大阪戦、第21節の浦和戦も含めて、終盤に盛り返す、相手を上回る展開が増えていることは明るい材料だ。

 昨年までチームにあった「ボールを持たされることにストレスを感じる」というメンタリティが解消されていることも、選手は口々に述べている。吉田達磨監督のもとで「ボールを持つ」「動かす」という部分は間違いなく浸透しており、もう少しの上積みで「点を取る」というところに結びつくという期待感を持てるようになってきた。

【マイナス材料】
 甲府は第22節を終えて勝ち点20、得失点差はマイナス12の14位と残留圏内に位置している。しかし、降格圏内の16位にいる大宮は勝ち点1差にすぎない。

 高野遼、リンスの2選手を夏の移籍期間に獲得しているが、順位の近いチームに比べてタレント的な華やかさを欠く。今節に対戦する広島は現在の順位こそ下だが、柏好文、佐々木翔、稲垣祥といった甲府の主力を引き抜いている圧倒的格上。その一点で考えても、容易に勝ち点を奪える相手ではない。

 また、現在の計12得点はJ1最少で、攻撃の詰めにはっきりとした難がある。22試合で8引き分けという成績は、相手と五分に進めている試合が多いことと同時に「勝ち切る」迫力を欠いていることも示している。仮に甲府が勝利を収めるとしても、シビアな戦いの乗り切る必要があるだろう。

文:大島和人

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