【コラム】得意の夏場で苦しむG大阪…課題は明確、今こそ“原点回帰”へ

【コラム】得意の夏場で苦しむG大阪…課題は明確、今こそ“原点回帰”へ

ここ4試合勝ちなしと苦しむG大阪 [写真]=J.LEAGUE

 ガンバ大阪の2017年は、このまま終わってしまうのだろうか。

 長谷川健太監督も選手も大きなブーイングにさらされた。19日の2017明治安田生命J1リーグ、柏レイソル戦。ホームで内容に乏しく0−1で敗れた。シュート数も6対16と圧倒された。例年なら夏に強いはずのチームが7月以降、2勝1分け5敗と失速している。

「湿っている」。雨また雨の夏空にかけたわけではないだろうが、長谷川監督は現状をそう表現した。「チャンスはあった。そこで1点返せれば勢いが出るんだけど、その1点が今、非常に遠い。刺激を与えながら、やり続けるしかないのかな」

 首位の鹿島アントラーズと勝ち点差は13に開き、残り11試合。史上最大の逆転優勝と言われた14年でさえ、11試合を残して10点差だった。素直に考えれば3季ぶりの王座奪還は厳しい。

 中盤で苦しんだ2人は同じ課題を感じていた。

「距離が遠かった」と嘆いたのは井手口陽介。距離とは選手間の距離のことだ。この夜の柏は自陣から長いボールを蹴り、シンプルにクリスティアーノや伊東純也の個人技を使ってきた。つきあってしまったG大阪の布陣は間延びし、一人ひとりの位置取りが離れた。

 そうなると複数が連動した形は共有しづらい。攻め手はクロス頼みに陥った。「みんな、ボールを持ってから次のプレーを考えてしまう。FWに当てた後のコンビネーションもほとんどなかった。ポンポンポンという(テンポの速い)仕掛けはゼロに等しかった」

 個々が孤立しがちな原因として、遠藤保仁は自分たちの守備に言及した。「ボールを奪う位置が低かった。(前からプレスに)行く時は行くというのは、毎試合、意思統一してやってはいるんだけど、高い位置で奪えなかったのは事実。そこの連動やコミュニケーション(の修正)は次につなげていきたい」

 まだ加入5試合目のファン・ウィジョとアデミウソンの2トップがスイッチを入れ、前線から相手を囲い込む動きは確かに少なかった。単騎突入、遠藤が2列目から飛び出して何度となく相手を追った陰には、そんな焦燥があった。

 もっとも、理想的な場面もあった。

 28分。井手口と倉田秋が敵陣で相手を挟み、ボールを奪ったのが起点。全体を押し上げ、崩しのイメージが重なり合う。ペナルティーエリア左で遠藤が縦パスをもらい、落とした。受けた井手口が倉田との壁パスで滑らかに前進、右ポストをかすめるシュートを放った。

 3バックだろうと4バックだろうと関係ない。いい守備が、いい攻撃を導く。これ、5季目を迎える長谷川体制の肝じゃないか。就任早々に組織守備を立て直してJ2を抜け出し、即、J1で3冠。その後もタイトル争いに絡み続けてきたこのチームの真骨頂じゃないか。

 原点回帰。立ち戻れる場所はある。

文=中川文如

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