【甲府vs川崎プレビュー】甲府はJ1上位レベルの堅守が特徴…川崎は阿部浩之や小林悠ら攻撃陣が好調

【甲府vs川崎プレビュー】甲府はJ1上位レベルの堅守が特徴…川崎は阿部浩之や小林悠ら攻撃陣が好調

川崎は今季加入、故障から復帰した家長昭博が完全にチームのサッカーにフィットしている [写真]=J.LEAGUE

■ヴァンフォーレ甲府 “切り札”としての貢献が期待される、FWリンス

【プラス材料】
 甲府の強みは、J1最少規模の強化予算ながら、4年連続で残留を成し遂げているところにある。順位は常に“ギリギリ”だが、そういった状況に対する耐性がついている。チームには一体感があり、悪い意味でプレッシャーを背負っている様子がない。

 また、守備は堅守と言い得る水準を維持している。リーグ前節の広島戦、第21節の浦和戦は黒星を喫したものの、スコアは0−1だった。今季の失点数は今節対戦する川崎と同じ25と、J1の上位レベルだ。

 間もなく来日して2週間となる途中加入のFWリンスも、前節の広島戦で甲府デビュー。45分間プレーし、「適応は結構してきている」(吉田達磨監督)という状態だ。先発はしなくても“切り札”として攻撃に貢献するだろう。

【マイナス材料】
 第20節のG大阪戦を1−0で制し、リーグ戦10試合勝ちなしの長いトンネルを抜け出したが、そこから1分2敗と苦しい戦いに戻ってしまった。前節は残留争いのライバルである広島との“6ポイントマッチ”を落とし、14位甲府と17位広島の勝ち点差は2まで詰まっている。しかもそういった状況下でホームに迎える相手は、23日のACLで浦和に3−1と快勝した強敵・川崎だ。

 苦戦の理由はシンプルに得点力不足で、甲府の総得点はJ1最少。リーグ戦直近10試合では相手から合計2得点しか奪えていない。強化予算が乏しく、得点力のある選手を獲得できないのは甲府の前提だが、それにしても点が取れない。ブラジル人FWにも献身性を要求し、彼らがより組織的な守備をするようになった結果として、攻撃に割くエネルギーが乏しくなるのかもしれない。

文:大島和人

■川崎フロンターレ 今季加入の家長昭博が完全にフィット

【プラス材料】
 リーグ戦3連勝で3位に浮上。ミッドウィークにはACL準々決勝1stレグで浦和に3−1で勝利。3連勝中も複数得点を奪っており、攻撃陣の好調ぶりがうかがえる。

 となれば、この甲府戦でも期待したいのは得点力だ。特に家長昭博が完全にチームのサッカーにフィットし、前線のグループの中でも完全に機能し始めている。リーグ前節の札幌戦で中村憲剛が決めた先制弾などは、まさにその典型だろう。試合後に中村は「自分の前にボールが落ちてきたのは偶然だが、自分がそこにいたことは必然」とあの得点を話す。家長の連動した動きを見て中村は「3人目の動き」を繰り出していた、というわけだ。前線では阿部浩之と小林悠が好調を維持しているのも明るい材料だ。

 甲府は守備力に定評があるチームだが、その5バックを崩す自信はある。

【マイナス材料】
 懸念されるのは、何と言っても真夏の連戦によるコンディション不良だろう。リーグ前節の札幌戦から中3日で迎えたACLの浦和戦は、ホームとはいえ、気温29度、湿度は87%という熱帯夜でのゲームだった。試合終了の笛が鳴ると、その場でしゃがみこむ選手の姿も少なくなかった。この甲府戦は、浦和戦から再び中3日での試合となる。今月の連戦では、試合前日以外はコンディション回復に努めることで精一杯なのが現状だ。そんななかで、登里享平が浦和戦で負傷交代してしまったのは、チームにとって痛手だ。スタメンでもベンチでもチームの流れを変えることのできるカードであった登里の不在がどう響くか。鬼木達監督の舵取りが求められる。

 また、後半の失点が目立っているのも課題材料だ。集中力が落ちる後半こそ、気力を絞り完封といきたい。

文:いしかわごう

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