【コラム】史上最多6度目の頂点へ…“チッチセレソン”を紐解く5つのポイント

【コラム】史上最多6度目の頂点へ…“チッチセレソン”を紐解く5つのポイント

6度目の頂点を目指す [写真]=Getty Images

 2018 FIFAワールドカップ ロシアで優勝最有力候補として名前が挙がるブラジル代表。第1回大会から一度も途切れることなく出場を続け、史上最多5回の優勝を誇る“サッカー王国”は再び頂点に立つことができるのか。ロシア大会に臨むブラジルを5つのポイントから考察する。

@チッチ監督就任から約2年、公式戦ではいまだ無敗!

 2016年6月に就任したチッチ監督のもと、南米予選では破竹の9連勝を飾り、世界最速でロシア行きの切符を獲得。2017年4月に発表されたFIFAランキングでは約7年ぶりに首位返り咲きも果たした。チッチ体制では21試合を戦い17勝3分け1敗。2017年6月にオーストラリアで行われたアルゼンチンとの国際親善試合で黒星を喫したのみで、公式戦では一度も負けていない。なお、公式戦で最後に敗戦したのは、2016年6月16日のコパ・アメリカ・センテナリオのペルー戦。当時の指揮官はドゥンガだった。

A10番を背負うネイマールが復調!

 ブラジルの命運を握るのは背番号10を着けるネイマール(パリ・サンジェルマン)だ。母国開催のブラジル大会では開幕戦でいきなり2ゴールと好スタートを切ったが、準々決勝のコロンビア戦で腰を負傷。自身初のW杯は担架の上で最後を迎える不本意な結末となった。

 2018年3月に右足を負傷したが、万全のコンディションで今大会を迎えるために、すぐさま手術を実施。現在はコンディションも回復し、直前のクロアチア戦、オーストリア戦で連続ゴールを記録した。「夢はW杯優勝」と公言している男は、前回大会の雪辱を果たすべく誰よりも燃えている。

B今大会のキーマンは神出鬼没のアタッカー、コウチーニョ

 南米予選では最前線にガブリエル・ジェズス(マンチェスター・C)、左にネイマール、右にコウチーニョ(バルセロナ)の3トップを採用してきたが、今年3月からは右にウィリアンが入り、コウチーニョを左インサイドハーフで起用。強烈なシュート、局面を打開するドリブル、チャンスを創出するパスを中盤から繰り出し、攻撃により一層厚みを持たせている。

 パウリーニョとともにインサイドハーフを務めていたレナト・アウグスト(北京国安)はひざの痛みを訴え、直前の国際親善試合を欠場。ブラジルメディア『UOL Esporte』は「100%の状態まではほど遠い」と報じており、本大会でもコウチーニョを中盤で起用する布陣で臨むことが濃厚だ。

C唯一の懸念点はカゼミーロの代役不在

 チッチ監督は就任から一貫してスタメンを固定することでチームの完成度を高めてきた。今年3月の国際親善試合ではネイマールをケガで欠いたが、ドウグラス・コスタ(ユヴェントス)やロベルト・フィルミーノ(リヴァプール)といった豪華すぎる代役が前線の穴を埋めた。

 その一方でカゼミーロ(レアル・マドリード)の代役が不在。現在のブラジルで“最も替えの効かない選手”だ。中盤にはフェルナンジーニョ(マンチェスター・C)やパウリーニョ(バルセロナ)といった選手たちはいるものの、カゼミーロ級の強度の高いプレーをアンカーポジションでこなせるかは未知数である。カゼミーロは今シーズン、公式戦48試合に出場。5月26日のチャンピオンズリーグ決勝までフル稼働しており、ほぼ休息なしで今大会に臨む。仮にカゼミーロが負傷離脱したり、累積警告による出場停止となった際は正念場だ。

Dズバリ、優勝の可能性は高い! “PSGの法則”も優勝を後押し?

 各ポジションに豊富なタレントを擁していることに加え、チーム完成度は今大会の出場32カ国で随一だ。連覇を狙うドイツ、若き力が魅力のフランス、宿敵アルゼンチンらが優勝を争うライバルとなりそうだが、先ほども紹介した17勝3分け1敗という数字が示す通り、自信に満ち溢れる今のブラジルがそう簡単に負けるとは考えにくい。

 最後に今大会の優勝を予感させる“とある法則”を紹介しよう。ブラジルが世界一に輝いた1994年アメリカ大会の前年にライー、2002年日韓大会の前年にはロナウジーニョと代表の中心選手がパリ・サンジェルマンへ移籍。2人とも新天地での背番号は「10」を選択した。そして、ロシア大会前年の2017年にネイマールが約290億円の移籍金でパリ・サンジェルマンに加わり、背番号10を着けている。果たして、“二度あることは三度ある”のだろうか。

文=三島大輔

ブラジル代表 ロシアW杯メンバー23名
▼GK
1 アリソン(ローマ/イタリア)
16 カッシオ(コリンチャンス)
23 エデルソン(マンチェスター・C/イングランド)
▼DF
2 チアゴ・シウヴァ(パリ・サンジェルマン/フランス)
3 ミランダ(インテル/イタリア)
4 ペドロ・ジェロメウ(グレミオ)
6 フィリペ・ルイス(アトレティコ・マドリード/スペイン)
12 マルセロ(レアル・マドリード/スペイン)
13 マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/フランス)
14 ダニーロ(マンチェスター・C/イングランド)
22 ファグネル(コリンチャンス)
▼MF
5 カゼミーロ(レアル・マドリード/スペイン)
8 レナト・アウグスト(北京国安/中国)
11 フィリペ・コウチーニョ(バルセロナ/スペイン)
15 パウリーニョ(バルセロナ/スペイン)
17 フェルナンジーニョ(マンチェスター・C/イングランド)
18 フレッジ(シャフタール/ウクライナ)
19 ウィリアン(チェルシー/イングランド)
▼FW
7 ドウグラス・コスタ(ユヴェントス/イタリア)
9 ガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・C/イングランド)
10 ネイマール(パリ・サンジェルマン/フランス)
20 ロベルト・フィルミーノ(リヴァプール/イングランド)
21 タイソン(シャフタール/ウクライナ)

6月17日(日)27:00 ブラジル vs スイス(NHK/NHK BS1)
6月22日(金)21:00 ブラジル vs コスタリカ(テレビ朝日系列/NHK BS1)
6月27日(水)27:00 セルビア vs ブラジル(NHK/NHK BS1)

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