【インタビュー】現役マンUスカウトが明かす“ダイヤモンド”を見極めるコツ

【インタビュー】現役マンUスカウトが明かす“ダイヤモンド”を見極めるコツ

マンチェスター・Uのスカウトを務めるサンドロ・オーランデッリ氏

 ネイマール(パリ・サンジェルマン)やフィリペ・コウチーニョ(バルセロナ)ら多くのブラジル人選手が欧州のビッグクラブで活躍し、今夏には次世代スターの呼び声高いヴィニシウス・ジュニオールがレアル・マドリードの一員となった。サッカー王国とも称されるブラジルには、今もなお新たな才能たちが眠っている。その“ダイヤモンド”を見つけ出すのがスカウトの仕事だ。

 一流選手を見極めるための視点とは何か。サントスやアーセナルのスカウトを歴任し、現在はマンチェスター・Uの南米エリア担当スカウトを務めるサンドロ・オーランデッリ氏が『サッカーキング』のインタビューに応じてくれた。

――まずはこれまでの経歴と現在の仕事について教えて下さい。
サントスのスカウト統括ディレクター、ブラジル代表のスカウティングディレクターを歴任し、スカウティングシステムの構築に注力してきました。その後、アーセン・ヴェンゲル監督のもとでアーセナルの南米エリアのスカウトを務め、現在はマンチェスター・Uの南米担当スカウトとして活動中です。18歳以上のブラジル人選手のスカウティング責任者として、1週間に約8試合をスタジアムで観戦し、選手たちの分析を行っています。25選手ほどの細かい分析レポートを作成して、クラブに送るのが私の仕事です。また『ディアゴノスチコ・デ・タレントス』という団体を立ち上げました。これは私のスカウティングメソッドに基づき、チームや選手を分析する団体です。スカウティング能力向上についてのセミナーをブラジル全土で開催しています。

――スカウトとは具体的にどのような仕事なのでしょうか?
ダイヤモンド採掘者と同じでサッカー選手における“才能”を発掘するのが仕事です。ダイヤモンドも土に埋もれていれば、他の石ころと同じように泥がついていますよね。たとえ今は光っていなくても、その汚れを取り除いた状態、つまりダイヤモンドかどうかを見極める目が求められます。才能を見極めるためには、『テクニック』、『戦術』、『フィジカル』、『メンタル』の4つの観点を重要視しています。またその4つのトピックからさらに細分化して選手を見て、他の選手と比べていかなければなりません。マンチェスター・Uならマンチェスター・Uの評価メソッドがあるのですが、基本的に発掘の方法は各スカウトに任されています。そこはスカウトの力量にかかっているというわけです。

――ダイヤモンドかどうかを見極めるポイントはありますか?
全てをお伝えすることはできませんが、年齢によって変わります。 まずは選手のストロングポイントとウィークポイントを割り出し、その要因を分析します。12歳くらいまでの選手であれば、ボールと身体の関係性を特に見ますね。身のこなしや身体の使い方が自然か、自然じゃないかという点です。13歳以上の選手であれば、それにプラスして先ほどお伝えした4つのポイント(テクニック、戦術、フィジカル、メンタル)の中で、突出した能力や今後の伸び代があるかどうかを選定の際に気をつけています。ちなみにマンチェスター・Uでは30項目以上のチェックポイントがあります。

――スカウトキャリアの中で特に印象に残っている選手はいますか?
15歳の頃に見つけたカカ(元ミラン、レアル・マドリードなど)ですね。ファベーラ(ブラジルの貧民街)から発掘したウィリアン(チェルシー)とデニウソン(アル・ワフダ)も印象に残っています。あとはアレシャンドレ・パト(天津権健)、今シーズンからバルセロナの一員となったアルトゥールもインパクトがありました。

――今年6月から7月にかけて、ロシアでFIFAワールドカップが開催されました。全世界のスカウトたちが注目する大会だと思いますが、移籍市場への影響はありますか?
スカウトはもちろんのこと、各クラブの首脳陣たちもワールドカップは見ていますからね。獲得する際の情報としてその影響力は絶大ですし、マーケットに与える影響は大きいと思います。

――ちなみに日本代表は2大会ぶりのベスト16進出を果たしました。印象に残った選手はいましたか?
全64試合を分析しましたが、正直いませんでした。

――各国で2018−19シーズンが開幕しました。今シーズン、特に注目している選手は誰ですか?
フランス代表のキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)には注目しています。年齢や身体能力を見てもズバ抜けた存在ですからね。

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