なぜリーグ最下位のグランパスがクラブ史上最多の観客動員数を達成できたのか

なぜリーグ最下位のグランパスがクラブ史上最多の観客動員数を達成できたのか

4万人を超える来場者がスタジアムに [写真]=N.G.E.

 8月11日(土)、名古屋グランパスのホームスタジアムである豊田スタジアムの観客動員記録が更新された。鹿島アントラーズとの一戦に訪れたのは43,579人。リーグ戦の最多記録だった38,966人(2014シーズンの第11節セレッソ大阪戦)はもとより、スタジアムレコードの42,919人(2013年の親善試合、名古屋対アーセナル)を上回る大記録だった。

 11日時点でリーグ最下位と低迷していた名古屋がこれだけの観客を動員できた理由はどこにあったのだろうか。まず考えられるのは夏休みやお盆休みと重なった日程。そして第19節のベガルタ仙台戦、第20節のガンバ大阪戦と連勝を達成し、調子を上げているチームへの期待感も影響しただろう。ただ、何よりも大きかったのは「グランパス史上最大の夏祭り」と銘打ったイベント、施策の数々だ。





「グランパス史上最大の夏祭り」の中でも目玉企画となったのは「Jリーグ25周年特別ユニフォームのプレゼント」と「小中高生1万人無料招待」。来場者全員へのユニフォーム配布はクラブとして初の試みだという。ある来場者は「サポーターの一人になれた気がします」とユニフォームプレゼントの感想を語る。近年継続して実施している無料招待施策とともに、幅広い層の人たちがスタジアムに足を運ぶきっかけになっていたように思う。



 試合日を盛り上げるイベントの数々も見逃せない。夏祭りということで、一部のクラブスタッフは浴衣でお出迎えし、提灯が吊るされた区画では「子ども縁日」を実施。広場では「徳川家康と服部半蔵忍者隊」やサンバ隊がパフォーマンスを披露し、夏祭りの盛り上げに一役を買った。







 試合観戦に欠かせないスタジアムグルメでは、ビールを通常の半額以下で楽しめる「ビアフェス」を実施。気温35度を超える猛暑日だったこともあり、多くの来場者がビール提供店に殺到し、あちこちで長蛇の列ができあがっていた。40店を超えるグルメ店舗もビアフェスに彩りを添えていた。



 また、この日はグランパスの公式応援マネージャーを務める「SKE48」から竹内彩姫さん、松村香織さん、水野愛理さんの3人が来場。まずはグランパスくんファミリーの浴衣を着てイベント広場に登場し、グリーティングを行った。ハーフタイムにはピッチで、ペナルティーエリアのラインからボールを蹴り、クロスバーに当てれば100万円獲得という「DAZNチャレンジ」に挑戦。挑戦した松村さんのキックは左のポストに当たり、惜しくも賞金獲得とはならなかった。





 大観衆に見守られてスタートした試合は、名古屋が前半に幸先良くリードしたものの、その後に2度追いつかれる苦しい展開に。そんな中、76分に新記録となる来場者数が発表されると、スタジアムは一気にヒートアップ。4万人超の観衆が手拍子やチャントでチームを後押しし、選手たちは81分に金井貢史が勝ち越しの、90+2分に前田直輝がダメ押しのゴールを決めて勝利で応えてみせた。



 殊勲の金井が勝ち越しゴールについて、「普段の僕では打てなかったと思います。スタジアムの雰囲気が打たせてくれたシュートでした」と振り返るように、この日の豊田スタジアムの一体感は凄まじく、感動的ですらあった。この勝利で最下位脱出とはならなかったが、チームのパフォーマンス、スタジアムの雰囲気に明るい兆しを見た人は多かったのではないかと思う。グランパス史上最大の夏祭りは、2014年以来となるJ1リーグ戦3連勝、今シーズン最多の4得点、豊田スタジアムの最多観客動員数を記録して幕を閉じた。

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