アジア制覇まであと2つ…見据える先に東京五輪とW杯(橋岡大樹/浦和レッズ)

アジア制覇まであと2つ…見据える先に東京五輪とW杯(橋岡大樹/浦和レッズ)

U−19日本代表の橋岡大樹は、守備の要としてチームの躍進を支えている [写真]=佐藤博之

 6万人を超える相手サポーターの大声援、凄まじい勢いで降り注ぐ雷雨。あまりにも過酷なアウェイ決戦で影山雅永監督率いる若き日本代表は勇敢な戦いを見せた。

 28日、「AFC U−19選手権」の準々決勝、日本代表は開催国のインドネシア代表と対戦した。試合は40分、東俊希(サンフレッチェ広島)の超ロングシュートが決まって1点をリードする。しかし、後半に入ってから雨脚が強まると状況は一変。相手も捨て身の猛攻に出てきて、受けに回る時間帯が多くなった。そこで体を張って危ない場面を次々と防いだのが、センターバックの橋岡大樹(浦和レッズ)だった。冷静な状況判断と一対一の強さを押し出し、インドネシア攻撃陣を完封したのだ。70分には宮代大聖(川崎フロンターレ)が追加点を奪い、2−0で勝利。ベスト4に入った日本は、2大会連続でU−20ワールドカップの出場権を獲得した。

「相手のサイドが速いという情報はありましたし、FWの選手が裏に抜けてくることも聞いていたけど、その通りに来た。自分としては整理ができていたので、やりやすかったです」と、試合後の橋岡は余裕のある表情をのぞかせた。インドネシアの勢いを封じ込め、完封勝利をモノにできたのも、彼の存在があってこそ。世界への挑戦権を懸けた大一番で抜群の存在感を示した。

クラブと代表で担う“異なる役割”

 その堂々たる姿は、Jリーグの舞台で何度も見せてきた。浦和のトップチームに昇格して1年目の今季、ここまでJ1で22試合に出場している。前述したように、判断力や対人の強さは特筆すべきストロングポイントだが、複数のポジションをこなせる柔軟性も兼ね備えている。

 3バックをベースとする浦和では右ウイングバックをこなし、4バックのU−19代表ではセンターバックの一角を任されている。異なるチームで異なる役割を担うことは、そう簡単なことではないだろう。それでも本人は「そういう切り替えは絶対にできると思っていたので、正直、あまり心配していなかった。異なるポジションをやって自分のプレーを出せないのは一流の選手ではないと思う。一流の選手に近付けるるように頑張りたい」とキッパリ言い切る。事実、浦和では豊富な運動量を駆使し、右サイドから攻守にアクセントを加える。一転、センターバックに入れば、フィジカルの強さを武器にピンチを摘み取る。

 今季の浦和はチーム事情から指揮官が2度も交代した。橋岡は大槻毅前監督からスタメンに抜擢されると、現監督のオズワルド・オリヴェイラ体制下でもその座を守り続けている。5月に開催されたトゥーロン国際大会では、飛び級でU−21代表に招集されると、今度は3バックの右でプレーした。指揮官からのリクエストに応えられる能力も、橋岡が重宝される理由だろう。

アジア制覇の先に見えてくる東京五輪とカタールW杯

「ワールドカップの出場権を得られたことは嬉しく思ってますけど、まだ試合は残っている。まずはしっかり勝つことを考えたいです。守備面を振り返ると、ここ2試合(イラク戦、インドネシア戦)は無失点ですけど、その前の2試合(北朝鮮戦、タイ戦)は失点している。そこの改善がワールドカップでの躍進を考える上でのカギになってくる」

 世界大会への切符を手にしても、橋岡に安心した様子は一切ない。2大会連続のアジア王者へ向けて、より強固な守備組織構築をテーマに掲げている。インドネシア戦で4バックを形成した東、小林友希(ヴィッセル神戸)、菅原由勢(名古屋グランパス)らをはじめ、DF陣には1学年下のメンバーが多いこともあり、橋岡にはリーダーとしての期待も集まっている。本人も話すように世界を見据える上で、守備力の底上げは必要不可欠。多くの責務を背負いながら奮闘を続けている。

 アンダーカテゴリーで結果を残せば当然、個人としてのステップアップも見えてくる。そのチャンスはある。来年にはポーランドでU−20ワールドカップが、さらに翌2020年には東京オリンピックが開催される。そして、2022年にはカタール・ワールドカップが待ち受けている。A代表と五輪代表を兼任している森保一監督の目に留まれば、順調にステップアップできるかもしれない。U−20、U−23、A代表と三者三様のチームとなるが、ウイングバックでもセンターバックでもプレーでき、3バックも4バックも無難にこなせる橋岡のような選手は、どの監督からも必要とされるはずだ。U−20代表として世界で結果を残せば、その先に東京五輪代表入り、さらにはA代表選出も見えてくる。

 まずはU−19でアジア制覇を――。残りは2試合。11月1日にサウジアラビアとの準決勝に挑む。

文=元川悦子

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