史上稀に見る大混戦…今シーズンのJ2を5つのポイントで振り返る

史上稀に見る大混戦…今シーズンのJ2を5つのポイントで振り返る

今季のJ2は松本の優勝で幕を閉じた [写真]=J.LEAGUE

 松本山雅FCの初優勝で幕を閉じた2018年の明治安田生命J2リーグ。J1参入プレーオフを残しているものの、全22チームがレギュラーシーズンの42試合を終えた。そこで今回は、今季のJ2を5つのポイントで振り返る。

■史上稀に見る大混戦

 今季J2王者に輝いた松本の勝ち点は「77」。これは22チーム制となった2012年以降で最も低い数字になる。過去5年間は、2位ですら勝ち点80以上を上回っていたが、今季は1チームもこの数字に達しなかった。一方で、6位東京Vの勝ち点は「71」。6位チームの勝ち点としては、22チーム制になった2012年以降では、6年前の大分と並ぶ最多記録だった。実力伯仲の戦いが繰り広げられた結果、最終節を迎える時点で、上位4チームに「J2優勝」と「自動昇格」の可能性が残るという前代未聞の事態が発生。今季のJ2が史上稀に見る大混戦だったのは数字の上でも明らかである。

<上位2位チームの勝ち点(2012年以降)>
2018年 1位:松本(勝ち点77)、2位:大分(勝ち点76)
2017年 1位:湘南(勝ち点83)、2位:長崎(勝ち点80)
2016年 1位:札幌(勝ち点85)、2位:清水(勝ち点84)
2015年 1位:大宮(勝ち点86)、2位:磐田(勝ち点82)
2014年 1位:湘南(勝ち点101)、2位:松本(勝ち点83)
2013年 1位:G大阪(勝ち点87)、2位:神戸(勝ち点83)
2012年 1位:甲府(勝ち点86)、2位:湘南(勝ち点75)

<6位の勝ち点(2012年以降)>
2018年 東京V(勝ち点71)
2017年 千葉(勝ち点68)
2016年 岡山(勝ち点65)
2015年 長崎(勝ち点60)
2014年 山形(勝ち点64)
2013年 長崎(勝ち点66)
2012年 大分(勝ち点71)

■ホーム/アウェイ最強チームは?
 今季ホームで最も良い成績を収めたのは、松本と福岡でいずれも42ポイントを獲得した。松本はホームで迎えた最終節の徳島戦でJ2優勝を決定。地元サポーターにとっても、最高のフィナーレとなった。一方、福岡はプレーオフ圏外の7位でフィニッシュ。明暗を分けたのはアウェイの成績で、敵地で獲得した勝ち点は「28」だった。これは上位10チームで最下位、19位京都と同じ成績である。極端な内弁慶ぶりが昇格を逃す要因となったのは否めない。なお、アウェイ最強チームは横浜FCで、J2で唯一の勝ち点40以上を稼いだ。ただし、ホーム勝ち点は「34」と、上位7チームで最下位の成績だった。プレーオフ2回戦の舞台となるのは、本拠地ニッパツ三ツ沢球技場。今回は地の利を生かすことができるだろうか。

<ホーム成績トップ5>
1位:松本(勝ち点42)
1位:福岡(勝ち点42)
3位:大分(勝ち点41)
4位:東京V(勝ち点39)
5位:大宮(勝ち点38)
5位:町田(勝ち点38)

<アウェイ成績トップ5>
1位:横浜FC(勝ち点42)
2位:町田(勝ち点38)
3位:甲府(勝ち点35)
3位:松本(勝ち点35)
3位:大分(勝ち点35)

<ホームとアウェイの勝ち点差トップ5>
1位:新潟(15ポイント:ホーム勝ち点19、アウェイ勝ち点34)
2位:福岡(14ポイント:ホーム勝ち点42、アウェイ勝ち点28)
2位:徳島(14ポイント:ホーム勝ち点35、アウェイ勝ち点21)
4位:京都(13ポイント:ホーム勝ち点15、アウェイ勝ち点28)
5位:山形(12ポイント:ホーム勝ち点34、アウェイ勝ち点22)

■昨季から最も変貌を遂げたチームは?

 今季、J2を最も盛り上げたチームは町田だろう。J1ライセンスを所持しないチームが、J2優勝争いに参戦。J1の残留争いにも間接的な影響を与えた。最終的には4位フィニッシュとなったが、勝ち点は昨季比で「+26ポイント」。これはリーグトップの数字で、記憶にも記録にも残るチームとなった。また山口も昨季比で「+23ポイント」を獲得。後半戦は失速したものの、終わってみれば、順位(8位)、勝ち点(61)、総得点(63)がJ2でのクラブ史上最高記録だった。

<昨季との勝ち点比較> *昨季J1、J3在籍チームは対象外
1位:町田(+26ポイント)
2位:山口(+23ポイント)
3位:横浜FC(+13ポイント)
4位:大分(+12ポイント)
5位:松本(+11ポイント)

■最も多くのゴールに関与した選手は?

 今季、J2得点王に輝いたのは、24得点を記録した大宮のFW大前元紀。アシスト王は、17アシストを記録した町田の平戸太貴だった。では、得点とアシストの合計数が最も多い選手は誰だったのか。1位に輝いたのは、24得点4アシストを記録した大前。チーム総得点(65)の43パーセントに相当する28ゴールに関与した。“大宮のエース”として、東京Vとのプレーオフ1回戦でも活躍が期待される。一方、外国人選手として唯一トップ5に名を連ねたのが、横浜FCのMFレアンドロ・ドミンゲスだった。Jリーグ復帰2年目となる今季は11得点14アシストを記録。J2で唯一、2桁得点2桁アシストを叩きだした。しかし、最終節の甲府戦では足を痛めて途中交代。「レドミ」、または「ニーヤン」の愛称で親しまれる35歳のブラジル人MFは万全の状態でプレーオフに臨めるのか。横浜FCのJ1復帰を大きく左右するポイントとなりそうだ。

<ゴール関与が最も多かった選手トップ5>
1位:FW大前元紀(大宮アルディージャ)
41試合24得点4アシスト…28ゴールに関与(チーム総得点の43%)

2位:FWオナイウ阿道(レノファ山口)
42試合22得点4アシスト…26ゴールに関与(チーム総得点の41%)

3位:MF平戸太貴(町田ゼルビア)
40試合8得点17アシスト…25ゴールに関与(チーム総得点の40%)

3位:MFレアンドロ・ドミンゲス(横浜FC)
38試合11得点14アシスト…25ゴールに関与(チーム総得点の40%)

5位:FW船山貴之(ジェフユナイテッド千葉)
39試合19得点4アシスト…23ゴールに関与(チーム総得点の32%)

■フルタイム出場を果たしたのは?

 1年間で42試合。トータル3780分にわたってピッチに立ち続けたのは6選手になる。クラブ別では、大分と東京Vが最多2選手を数えた。フィールドプレーヤーでフルタイム出場を果たしたのは、大分のDF鈴木義宜と東京VのDF井林章。特に鈴木は、2016年のJ3時代から3年連続でのフルタイム出場となった。入団1年目の2015年もJ2で40試合に出場しており、プロ生活4年間で欠場したリーグ戦はわずか2試合だけという、驚異の鉄人ぶりを発揮している。

<フルタイム出場を果たした選手>
GK高木駿(大分)
DF鈴木義宜(大分)
GK上福元直人(東京V)
DF井林章(東京V)
GK岡本昌弘(愛媛)
GKビクトル(岐阜)

(記事/Footmedia)

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