移籍金、クラブ会員数、資産価値…ピッチ外の要素から読み解く「エル・クラシコ」

移籍金、クラブ会員数、資産価値…ピッチ外の要素から読み解く「エル・クラシコ」

レアルとバルサは、ピッチ外でも火花を散らす関係にある [写真]=Getty Images

 レアル・マドリードとバルセロナによる「エル・クラシコ」が、いよいよ2日に開催される。

 両雄には激しいライバル関係が存在することは知られているが、戦いはピッチ上だけにとどまらない。クラシコの開催が近づくと、現地メディアではピッチ外の要素についても両者の現状を比較する記事が掲載され、それぞれの優位性を競い合う。

 そこで本稿でも、『移籍金』、『トップチーム昇格人数』、『クラブ会員数』、『スタジアム規模』、『資産価値』の5項目を設定し、両クラブを比較。本番を前にした“クラシコ場外戦”を楽しんでいただきたい。

*日本円は2月28日時点のレートで換算

■移籍金
※直近5シーズンの総額 参照先は移籍情報サイト『transfermarkt』
◎レアル・マドリード 4億6775万ユーロ(約590億円)
◎バルセロナ 8億3094万ユーロ(約1050億円)

 直近5シーズンの移籍金総額を比較すると、驚くべき結果が出た。巨額の資金を費やして大型補強を敢行しているのはレアルではなく、バルサの方。両者の額は2倍もの開きがある。

 バルサは昨季、夏の移籍市場でウスマン・デンベレを、冬の移籍市場ではフィリペ・コウチーニョを、それぞれ1億ユーロ(約126億円)以上の移籍金で獲得。2度にわたって“クラブ史上最高額”を更新し、シーズントータルの支出額は3億5000万ユーロ(440億円)を超えた。

 一方でレアルは、2016年1月から昨季まで続いたジネディーヌ・ジダン体制下で、ほとんど補強を行わなかった。同期間で移籍金を支払って獲得したのは、アルバロ・モラタ(2016年夏:3000万ユーロ(約38億円))、テオ・エルナンデス(2017年夏:2400万ユーロ(約30億円))、ダニ・セバージョス(2017年夏:1650万ユーロ(約21億円))の3選手のみ。今季はティボー・クルトワ(3500万ユーロ:約44億円)やヴィニシウス・ジュニオール(6100万ユーロ:約77億円)などを獲得したが、超大物を次々に獲得していた“銀河系”の時代はすでに過去のものとなっている。

■下部組織からのトップチーム昇格人数
※直近5シーズン
◎レアル・マドリード 8選手
◎バルセロナ 5選手

 かつては「育成のバルサ」、「補強のレアル」と言われたが、『移籍金』の項目に加えて、『下部組織からのトップチーム昇格人数』を見ても、逆転現象が起きていることが分かる。

 また“定着率”に関しても、現状ではレアルに軍配が上がる。直近5シーズンのトップチーム昇格選手のうち現在も所属しているのは、レアルがマリアーノ・ディアス、マルコス・ジョレンテ、フェデリコ・バルベルデ、セルヒオ・レギロンの4名。一方のバルサは、セルジ・サンペルとカルレス・アレーニャの2名だけ。激しいポジション争いを勝ち抜くことは容易ではなく、今冬の移籍市場では、ムニル・エル・アダディがセビージャに完全移籍、デニス・スアレスはレンタルでアーセナルに加入した。

 もっとも、スイスに拠点を持つサッカー関連調査機関「CIESフットボール・オブザーバトリー」の発表によると、欧州5大リーグにおいて過去5年間に下部組織出身の選手を最も輩出しているクラブは、バルサ(1位)とレアル(2位)だった。どちらも世界トップの育成クラブであることに変わりはない。

■クラブ会員数
◎レアル・マドリード 9万3606人
◎バルセロナ 14万2323人

 スペインの2強を語るうえで欠かせない存在であるのがソシオだ。いわゆるクラブ会員のことを指し、会員は年会費を払えば、チケットの優先獲得権や年間チケットの購入権などを得られ、会長や役員に対しての投票権を持つこともできる。なお、スペインでレアルとバルサの他にソシオ制を維持するのは、アスレティック・ビルバオとオサスナの4クラブである。

 レアルのソシオ数は、最新の数字で9万3606人。バルサのソシオ数は14万2323人となっている。その中には有名人も含まれており、レアルでは、OBで元スペイン代表指揮官のビセンテ・デル・ボスケ氏やプロテニスプレーヤーのラファエル・ナダルらが“名誉ソシオ”に認定されている。対するバルサは、ジェラール・ピケがソシオの一人。同選手の場合は、元クラブ理事の祖父からサーシャとミランの2人の息子まで“4世代”でソシオに登録されており、「バルサファミリー」の模範的存在だと言える。

■スタジアム規模
◎レアル・マドリード サンティアゴ・ベルナベウ(8万1044人)
◎バルセロナ カンプ・ノウ(9万9354人)

 2日のクラシコの舞台となる『サンティアゴ・ベルナベウ』は、欧州最大の“ハコ”を持つ『カンプ・ノウ』に次いで、スペインで2番目に大きいスタジアム。1947年12月14日に開場し、1982年のスペインワールドカップ決勝やコパ・リベルタドーレス2018決勝など、国際的なビッグイベントが数多く開催されてきた。なお、両スタジアムともにUEFA(欧州サッカー連盟)が格付けしたスタジアムカテゴリーで最高ランクの4つ星に認定されている。

 ただし、オープンからすでに50年以上が経過しているため、両クラブともに大規模な改修工事を行うことを発表済み。『サンティアゴ・ベルナベウ』には開閉式の屋根が設置され、『カンプ・ノウ』も全席が屋根で覆われるほか、収容人数が10万500人まで拡張される予定だ。“新聖地”の完成は、現時点で『サンティアゴ・ベルナベウ』が2022年、『カンプ・ノウ』が2023年となっている。

■資産価値
◎レアル・マドリード 40億8800万ドル(約4532億円)
◎バルセロナ 40億6400万ドル(約4505億円)

 アメリカの経済誌『フォーブス』は毎年、スポーツクラブの資産価値ランキングを発表。このランキングはTV放映権収入やスポンサー収入、企業価値、契約選手の価値などをもとに決定しており、最新版は2018年6月に公開された。

 それによると、サッカークラブNo.1はマンチェスター・Uで41億2300万ドル(約4571億円)。レアルは40億8800万ドル(約4532億円)で同2位、バルサは40億6400万ドル(約4505億円)で同3位となっている。その差は“わずかに”2600万ドル(27億円)であり、両雄の資産価値はほぼ同等となっている。

 なお、その他のスポーツクラブで彼らを上回るのは、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のダラス・カウボーイズだけ(48億ドル:約5322億円)。一方、全体のトップ10にランクインしているサッカークラブは上記3クラブだけであり、レアルとバルサはそれだけ世界を代表する存在であるということ、そして両クラブが激突する“エル・クラシコ”はスポーツ界有数のビッグイベントであることが分かる。

 こうして項目別に比較すると、両クラブのリアルな姿がより浮かび上がってくる。試合は90分一本勝負だが、ピッチ外の要素にまで注目してみると、「エル・クラシコ」をさらに楽しむことができるだろう。お互いのメンツをかけた戦いは、果たしてどんな結末を迎えるのか。あとは本番を待つのみだ。

文=Footmedia
写真=Getty Images

関連記事(外部サイト)