イングランド勢の強さは本物か!? 今季CLの国別成績を調べてみた

イングランド勢の強さは本物か!? 今季CLの国別成績を調べてみた

CL準決勝に進出したクラブたち [写真]=Getty Images

 いよいよ2018−19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)も、準決勝と決勝を残すのみとなった。

 “欧州4強”に名乗りを挙げたのは、トッテナム(イングランド)、アヤックス(オランダ)、リヴァプール(イングランド)、バルセロナ(スペイン)の4クラブ。準決勝では、トッテナムとアヤックス、バルセロナとリヴァプールがそれぞれ対戦する。

 どのクラブが“欧州王者”の称号を得るのか、現時点では全く予想できないが、今季のCLはイングランド勢の復権が強く印象づけられたシーズンだった。CLベスト4にイングランド勢が2クラブ以上勝ち残っているのは、2008−09シーズン以来、10年ぶりのこと。当時はチェルシー、アーセナル、マンチェスター・Uの3クラブが4強進出を果たしていた。

 以降長らく、スペイン勢の圧倒的支配が続いてきたが、今季に限れば、ベスト8まで勝ち進んだのはバルセロナの1クラブだけ。前人未踏の4連覇を目指したレアル・マドリード、また決勝の舞台が本拠地ワンダ・メトロポリターノだったアトレティコ・マドリードは、いずれもラウンド16で敗退した。

 対照的な勝ち上がりになったことを受けて、「欧州の覇権はリーガ・エスパニョーラからプレミアリーグに移りつつある」との意見も散見される。果たして、本当にイングランドの時代が到来したのか。今回は国別の成績をもとに検証してみたい。

 まずは、今季CLのグループステージから準々決勝までの国別成績を見てみよう。以下は、主要8カ国の1試合平均勝ち点をまとめてランキング化したものだ。

■2018−19シーズンのCL平均勝ち点(グループステージ〜準々決勝)
1位 スペイン 1.97ポイント(計32試合/19勝6分け7敗)
2位 イングランド 1.78ポイント(計40試合/22勝5分け13敗)
3位 ポルトガル 1.63ポイント(計16試合/8勝2分け6敗)
4位 イタリア 1.5ポイント(計30試合/13勝6分け11敗)
5位 ドイツ 1.4ポイント(計30試合/11勝9分け10敗)
6位 オランダ 1.31ポイント(計16試合/5勝6分け5敗)
7位 フランス 1.09ポイント(計22試合/5勝9分け8敗)
8位 ロシア 0.83ポイント(計12試合/3勝1分け8敗)

 今大会ここまで最も良い成績を収めているのは、スペイン勢(平均1.97ポイント)だった。2位はイングランド勢(平均1.78ポイント)。上位進出クラブ数では劣るものの、平均勝ち点においてはスペイン勢がイングランド勢を上回った。なお「勝率」でも、スペイン勢はイングランド勢の55%を上回る59.4%を記録。もちろん、8カ国中トップの成績である。

 もっとも、上記ランキングは対戦相手の実力を考慮せず、各試合の勝敗をカウントしただけに過ぎない。グループステージでいわゆる“死の組”に入った場合には、勝ち星を伸ばすことが難しくなる。実際、イングランド勢は、リヴァプールがパリ・サンジェルマンとナポリ、トッテナムがバルセロナ、インテル、PSVといった難敵揃いのグループに組み込まれた。一方、スペイン勢はバルセロナを除けば、“格下”にカテゴライズされるであろうクラブと同組になるなど、組み合わせに恵まれた感は否めない。

 今回、ポルトガル勢(平均1.63ポイント)がイタリア勢(平均1.5ポイント)とドイツ勢(平均1.4ポイント)を上回る3位にランクインしたのも、ほぼ同じカラクリだ。今大会のグループステージでは、ポルトが無敗(5勝1分け)での首位通過を果たした。ただし、決勝ラウンド進出を争ったのは、ロコモティフ・モスクワ、シャルケ、ガラタサライの3クラブ。いずれも名の知れた強豪だが、全8グループのなかでは最も実力の劣る組だとされ、比較的白星を挙げやすかったと言える。

 それ故、上記ランキングをもって、スペイン勢とイングランド勢の優劣を結論づけるのは時期尚早かもしれない。

 では、直接対決の成績はどうだろうか。同じように、グループステージから準々決勝までのスペイン勢とイングランド勢との対戦成績を振り返ってみる。

 すると、やや意外な結果が出た。両国のクラブはこれまでに6度対戦。スペイン勢の4勝2分けと、イングランド勢は1度も勝利を挙げられていないのだ。グループステージでは、バルセロナがトッテナムと、バレンシアがマンチェスター・Uと2度ずつ対戦。両クラブともに1勝1分けと、勝ち越しに成功した。続く決勝ラウンドでは、バルセロナがマンチェスター・Uと準々決勝で対戦。結果は、バルセロナの2戦連続完封勝利だった。全6試合を通じて11得点4失点と、スペイン勢はイングランド勢を圧倒している。

 今大会を総じてみれば、イングランド勢の勢いがスペイン勢を上回っているものの、「欧州の覇権がリーガ・エスパニョーラからプレミアリーグに移った」と断言できるかと言えば、そうでもないことが分かるだろう。

 だからこそ、準決勝で実現するバルセロナ対リヴァプールは、正真正銘の“大一番”だと言える。バルセロナは先日、リーガ・エスパニョーラ2連覇を達成、リヴァプールもプレミアリーグで優勝を争っている。まさに両国の“トップ・オブ・トップ”が激突するからだ。

 リヴァプールにとっては因縁の“対スペイン勢”でもある。昨季は決勝でレアル・マドリードと対戦。11年ぶりにファイナルの舞台までたどり着いたものの、絶対王者の前に屈して準優勝に終わった。レアル・マドリードが前人未到の3連覇を達成したことで、「スペイン勢強し」を改めて印象づけた大会だった。

 あれから1年。今回の相手はバルセロナであって、レアル・マドリードではない。それでもスペインが世界に誇る2強の一角であり、近年のCLで最も大きな成功を収めたクラブの一つである。もしもリヴァプールが勝ち抜けを果たすことができれば、イングランド勢の躍進は本物と言えるのではないだろうか。もちろん、仮に準決勝を勝ち進んだとして、決勝で再び敗れてしまえば元も子もないが、一つの転換点となりうるだろう。

 各国リーグの威信がかかった大会でもあるCL。果たして、勝者に輝くのはバルセロナか、リヴァプールか。“欧州の覇権争い”を左右するビッグマッチはやはり目が離せない。

(記事/Footmedia)

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